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こんな風に、“ひとつだけですよ”(Just Take One)と書いてあったとしても、周囲に誰もいなかったなら、あなたは正直に自分の分のひとつだけを持ち帰りますか?!、それとも、どうせ、誰も見ていないのだから…、







ハチェット」シリーズや、「フローズン」(2010年)などで人気のホラー映画監督アダム・グリーンが毎年、ハロウィン・シーズンのお楽しみとして、オリジナルのショート・ホラーをリリースしてくれているのを、CIAリーダーの常連のみなさんは、前年同時期の昨2009年10月半ばに紹介した強烈な通販番組スプラッター?!の「ジャック・チョップ!!」で、記憶してくれていると思います。
あれから早や1年が過ぎ、今年もまたアダム・グリーン監督のインディーズ・プロダクション、アリスコープ・ピクチャーズが、新作のハロウィン・ショート・ホラーをリリースしてくれたのですが、ひたすら血しぶきを飛ばしまくっていた昨年の痛快作とは違い、今年は冒頭のように、モラルのジレンマを問うテーマを示した作品として、観る者に少し考えてみることをうながしています。

アダム・グリーン監督最新作の「ジャスト・テイク・ワン」の登場人物は30歳を過ぎても、今だにハロウィンの“トリック・オア・トリート”でお菓子を集めまわっているバートとアーニーのセサミストリート・コンビ。そのふたりがホラー映画のバカ話をしながら、やって来た家の無人の玄関先には、キャンディやチョコのお菓子が山盛り詰まれたボウルが置いてあり、そこには“Just Take One”=ひとつだけですよ…と書かれたカードが…。
この無人販売所のような他人を信頼して良心に頼った設定のオナー・ボウル(honor bowl)のルールに従い、キャンディをひとつ手にするバートですが、アーニーは、おいおい、お前はこういう誰も見ていない状況で、これまでずっと、バカ正直にルールに従い、お菓子を独り占めして持って帰ったことがないのか?!と、バートのお人好しをおちょくって、こんな風にハロウィンの行事を手抜きする奴はロクな人間じゃないから、むしろ、お菓子を根こそぎ持っていってやった方がいいんだ…!!といった無茶な理屈で、そうすることが正しいように、バートを説得してしまいます…。そして、アーニーに言われるまま、バートがお菓子を丸ごとふんだくり、早速、戦利品を口にするふたりでしたが…!!


子どもたちが仮装し、近所の家々を訪ねて、お菓子をもらってまわるハロウィンの名物行事“トリック・オア・トリート”は、地域の人たちがコミュニケーションをはかれる楽しい機会である一方、見方を変えれば、“Trick or Treat ?”=“お菓子をよこすか、さもなければ、イタズラをするぞ…!!”と、人を脅迫して、自分の欲求を叶えることを、子どもに学ばせてしまってもいるわけで…、そのようにハロウィンの根底に秘められた強欲をよしとするテーマに従えば、実際、このショートフィルムのようにして置かれていたりするオナー・ボウルのお菓子に添えられた、ひとつだけですよ…のメッセージは矛盾することになり、アーニーが訴えたように、欲望のまま独り占めする方がハロウィンでは正しい…という、常識のモラルに反したジレンマに陥ることになります…。
アダム・グリーン監督が指摘してくれた、このハロウィンの矛盾について、CIAリーダーのみなさんはどのようにお考えになるでしょう…?!
で、当のアダム・グリーン監督自身がどう思っているか?!は、ショートフィルムの最後にご本人が登場して、身をもって示してくれていますね…!!





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