最後にスクリーンで観た日本映画は何だっけか…?!と思い出せずに考えあぐね、悩んだ末にようやく出てきたタイトルが「カミガゼ・ガールズ」(2004年)だった…!!という不甲斐無いぼくに代わり、最新の邦画について書いてくれたCIAの常連リーダー、kisaさんのレビューです…!! →
「接吻」や「フラガール」など様々な作品で僕たちを魅了し続け、今の日本映画界になくてはならない存在である豊川悦司と、「セーラー服と機関銃で」や「Wの悲劇」などで角川映画の顔として活躍した薬師丸ひろ子が夫婦を演じた「今度は愛妻家」を観てきました!
元売れっ子カメラマンで、今はニート同然な生活を送る北見俊介と、そんな俊介に世話を焼く健康オタクの北見さくら。前半はこの夫婦の関係にひびが入りさくらが家を飛び出すまでを豊川さんと薬師丸さんが夫婦漫才風にコミカルに演じていてとても楽しめます。
舞台が原作の作品なので、ほとんどのシーンは北見家での出来事です、しかし、そこに映画ならではの醍醐味が加えられ、手持ちカメラでの撮影が登場人物の心情をも表していると思いました。
しかし、この映画はさくらが家も出た後が最も重要なところとなっていきます。さくらが家を出た後も北見家では俊介を敬うカメラマン助手の誠、俊介を見守るオカマの文ちゃん、女優になるチャンスを狙う蘭子などさまざまな人物が訪ねてきます。しかし皆、表に出せない様な思惑を交差させながら話は進んでいき、ここから はもうお互いの演技合戦が繰り広げられます!
誠役の濱田岳や蘭子役の水川あさみなど若手俳優陣も巧い演技を魅せてくれます
が、特筆すべきはオカマの文ちゃんを演じた石橋蓮司でしょう!!豊川、濱田、水川がどんなに名演技をしても、石橋蓮司がその場にいるとすべてをかっさらっているのです!「ノーカントリー」でジョシュ・ブローリンやトミー・リー・ジョーンズを完全に喰っていたハビエル・バルデム並の衝撃を受けました。今作で石橋 蓮司が役者生命をかけて喜怒哀楽を表現しているのでそこも注目です!
しかし、人間というのは情けないもので、蘭子を抱いてしまいそうになった俊介や自分はこのままでいいのだろうかと悶々とする誠などの感情がクライマックスにかけて一気に爆発します。お互いの感情をさらけ出してぶつかり合いながら、最後には愛する人や身近な人が毎日いることの幸せさについて、そして人を愛すると は一体何なのだろうかと問いかけてきた行定勲監督の手腕には恐れ入りました。
井上陽水の「赤い目のクラウン」がかかるエンディングの中、物語は切ないけれども感動的なラストで締めくくられます。さくらを軸に繰り広げられる俊介の贖いとそこからどう立ち向かうかを描いた傑作「今度は愛妻家」 題名の意味を考えながら、 ぜひ劇場でご覧下さい。 by kisa
★行定勲監督の「今度は愛妻家」は東映系で公開中!!、映画館へ“GO”です!!
★ゲストブロガーはいつでも大募集中!!、あなたもCIAに参加しませんか?!
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
「接吻」や「フラガール」など様々な作品で僕たちを魅了し続け、今の日本映画界になくてはならない存在である豊川悦司と、「セーラー服と機関銃で」や「Wの悲劇」などで角川映画の顔として活躍した薬師丸ひろ子が夫婦を演じた「今度は愛妻家」を観てきました!
元売れっ子カメラマンで、今はニート同然な生活を送る北見俊介と、そんな俊介に世話を焼く健康オタクの北見さくら。前半はこの夫婦の関係にひびが入りさくらが家を飛び出すまでを豊川さんと薬師丸さんが夫婦漫才風にコミカルに演じていてとても楽しめます。
舞台が原作の作品なので、ほとんどのシーンは北見家での出来事です、しかし、そこに映画ならではの醍醐味が加えられ、手持ちカメラでの撮影が登場人物の心情をも表していると思いました。
しかし、この映画はさくらが家も出た後が最も重要なところとなっていきます。さくらが家を出た後も北見家では俊介を敬うカメラマン助手の誠、俊介を見守るオカマの文ちゃん、女優になるチャンスを狙う蘭子などさまざまな人物が訪ねてきます。しかし皆、表に出せない様な思惑を交差させながら話は進んでいき、ここから はもうお互いの演技合戦が繰り広げられます!
誠役の濱田岳や蘭子役の水川あさみなど若手俳優陣も巧い演技を魅せてくれます
が、特筆すべきはオカマの文ちゃんを演じた石橋蓮司でしょう!!豊川、濱田、水川がどんなに名演技をしても、石橋蓮司がその場にいるとすべてをかっさらっているのです!「ノーカントリー」でジョシュ・ブローリンやトミー・リー・ジョーンズを完全に喰っていたハビエル・バルデム並の衝撃を受けました。今作で石橋 蓮司が役者生命をかけて喜怒哀楽を表現しているのでそこも注目です!
しかし、人間というのは情けないもので、蘭子を抱いてしまいそうになった俊介や自分はこのままでいいのだろうかと悶々とする誠などの感情がクライマックスにかけて一気に爆発します。お互いの感情をさらけ出してぶつかり合いながら、最後には愛する人や身近な人が毎日いることの幸せさについて、そして人を愛すると は一体何なのだろうかと問いかけてきた行定勲監督の手腕には恐れ入りました。
井上陽水の「赤い目のクラウン」がかかるエンディングの中、物語は切ないけれども感動的なラストで締めくくられます。さくらを軸に繰り広げられる俊介の贖いとそこからどう立ち向かうかを描いた傑作「今度は愛妻家」 題名の意味を考えながら、 ぜひ劇場でご覧下さい。 by kisa
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