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アバター-ジェームズ・キャメロン-6

すいません…、今週もまた遅くなってしまいましたが、このクリスマスの週末興行は新記録づくしだったんです…ッ!! → 





映画史上最高額の製作費と言われる巨額(その非公開の数字には諸説あり、5億ドルはデマにしても、宣伝費まで全部ひっくるめて約4億3,000万ドルは信憑性が高いように思います)が費やされた超話題作のSF巨編「アバター」が見出しのように、全体の数字として映画興行史上最高額となる新記録の週末興行成績を牽引し、「タイタニック」(1997年)で映画史上最高のスーパーヒットを飛ばした元トラック運転手で、自分の映画のファンをケツの穴野郎!!と罵っていたジェームズ・キャメロン監督にまたひとつ、栄光の勲章が増えてしまいました…ッ!!
先週の前回の週末(18日~20日)から、およそ104%アップ、つまり、全体として倍の金額を売り上げた今年2009年のクリスマス興行は、昨2008年7月18日に公開された歴史的大ヒット作「バットマン/ダークナイト」が驚異の史上最高額のオープニング成績=約1億5,841万ドルを売り上げ、「マンマ・ミーア!」がバックコーラスをつとめた週末に記録された、史上かつてないほど全米の映画館が儲かった週末の総売上げ=約2億6,050万ドルをさらに超えた約2億7,300万ドルをかき集め、この深刻な不況の年末に、全米映画興行は週末売上げの史上最高額を更新する歴史的新記録を達成してしまいました…ッ!!

その新記録の牽引役として、“ジェームズ・キャメロン監督は映画ではなく、新しいカルチャーを創造した…ッ!!”とまで絶賛され、「スター・ウォーズ」の第1作め(1977年)を放った時に等しい高い評価を得ている20世紀FOXの「アバター」が、難敵のワーナー・ブラザース作品「シャーロック・ホームズ」を破って売り上げた2週連続第1位の週末興行成績=約7,500万ドルは、前述の「ダークナイト」が昨2008年7月25日から27日にかけて記録した、2週めの興行収入の史上最高額=7,516万ドルに、わずかたったの16万ドルだけおよばず、かなり惜しい史上第2位!!となる数字で、Widescreenwarrior.Com のレイフ・テルシュが「アバター」を観るため、自宅から映画館までの約1マイル(約1.6キロ)の道のりを歩く間に約6cmも肩の上に雪が積もってしまった東海岸の悪天候の大寒波の中で記録した先週のオープニング成績の約7,702万ドル(また数字が調整されて、「アバター」は結局、「アイ・アム・レジェンド」の記録を破れていない…)から、3%に満たない金額しか数字を減少させていませんッ!!
1館あたりのアベレージにおいても、この週末に4館だけの限定公開で封切られたテリー・ギリアム監督によるヒース・レジャーの遺作「Dr.パルナサスの鏡」(来月2010年1月23日公開)の平均売り上げ=約3万2,500ドルに次ぐ、約2万1,701ドルを「アバター」ははじき出しており、まさに名実ともに大ヒットといえる存在感を示しています。
また、映画史上第10位となる公開10日めでの2億ドル超えというスピード記録を果たした「アバター」のこれまでの国内でのトータル売り上げは約2億1,226万ドルですが、先週の水曜日(23日)に封切られた日本を含め、その他の海外で約4億290万ドルを売上げ、全世界トータルを2週めで早くも約6億1,516万ドルにまで押し上げており、こうした事実からして、先週の興行レポートでも記したように、「アバター」が映画史上5本めの“ビリオンダラー・クラブ”入会を許される作品になる可能性は、やはり充分にあると言えそうです。



このにわかに巻き起こった「アバター」の大ブームに応じて、全米の3Dシアターの多くがすでに来年2010年3月までの本作のロングランを決めています。
そのため、「アバター」の最終的な興行成績の数字はとんでもないことになりそうで、最初に記した巨額製作費が回収されてしまう見込みも高いわけですが、およそ4年半前に企画がスタートした時点から、20世紀FOXとジェームズ・キャメロン監督は、「アバター」のシリーズ化を前提としており、1本の映画のためではなく、そのシリーズ化を見越した目的で先行投資した巨額が、いきなり第1作めで取り戻せるとなれば、以後の続編(別の星が舞台の予定)では、20世紀FOXは笑いがとまらない大儲けとなりそうですねッ!!
て言うか、20世紀FOXは、やはり、同社が公開し、第3位に初登場した実写とCGアニメのハイブリッド作品で、2007年の大ヒット作の続編「アルビン/歌うシマリス3兄弟 2」とあわせれば、この週末だけで約1億5,200万ドル以上を稼いでおり、すでに笑いがとまらないはずです…ッ!!
尚、「アバター」は次回アカデミー賞最優秀作品賞の最有力候補にも躍り出て、これまで1,000万%ぐらい確実視されていたジョージ・クルーニー主演の今週第5位「アップ・イン・ジ・エアー」を、その座から退ける脅威ともなっています!!
それでは、「タイタニック」でセリーヌディオンが歌った主題歌の大ヒット曲「My Heart Will Go On」とは違い、レオナ・ルイスが歌う、とても不評な主題歌「I See You」をお聴きください。





アクション描写がスピーディなテンポに欠ける…、SFXにこだわりが足りず、下手…、ストーリーがつまらない…など総じて、ガイ・リッチー監督はブロックバスター映画にはむかず、起用は失敗だった…という辛口の不評を補って余りある生身の俳優の魅力を、主人公の名探偵を演じたロバート・ダウニー・Jr、助手のドクター・ワトソンのジュード・ロウ、そして、レイチェル・マクアダムスのヒロイン、アイリーン・アドラーが発揮し、青いエイリアンでは映画を観た気にならない映画ファンに人気の「シャーロック・ホームズ」を、ワーナー・ブラザースが3,626館の約5,600スクリーンで封切った結果、おとついの日曜日(27日)に既報のように、初日25日(金)のクリスマスだけで約2,477万ドルという、並の映画の週末3日間のオープニング成績に匹敵するビッグヒットとなり、ベン・スティラーとロバート・デ・ニーロの「ミート・ザ・ペアレンツ2」(2004年12月22日公開) が持っていたクリスマス・デーの最高売上げの記録=約1,954万ドルを打破!!、そして、同じくクリスマスが初日だった「マーリー/世界一おバカな犬が教えてくれたこと」(2008年12月25日公開)のクリスマス初日記録=約1,438万ドルも撃墜!!、そして、12月公開映画としては、「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」(2002年12月18日)のオープニング成績=約6,200万ドルを駆逐して、史上5番めの快記録となる約6,538万ドルの特大オープニング成績をマーク!!、まさにシャーロック・ホームズとワトソンは期待どおりか、それ以上の活躍を果たしたのに、公開2週めの「アバター」に破れて、残念な初登場第2位…。このように記録破りの大ヒットの「シャーロック・ホームズ」が「アバター」にアッサリ破れたことで、、前述のように、もう単に映画とは言えない「アバター」がどれだけ猛烈な勢いで動員しているか?!、その驚異の存在がむしろ、より浮き彫りになってしまいましたね…ッ!!

ロバート・ダウニー・Jr-シャーロック・ホームズ-ガイ・リッチー

↑ ブラッド・ピットがホームズの宿敵モリアーティ教授として登場し、RDJと対決
する?!と噂の続編のメガホンは握れない可能性が高いガイ・リッチー監督。



製作・配給のワーナー・ブラザースの調べによれば、「シャーロック・ホームズ」のクリスマス興行にやってきた観客の半数強が男性で、同じように約50%が30代以上のアダルト層。やはり、青いエイリアンでは物足りない大人の観客がクラシックな名探偵の方がクリスマスにはふさわしい…と、こちらを選んだようです。

賞金マッチのベアナックル・ファイトで格闘の極意を語るホームズ!!



愛するアイリーンの危機を救うホームズと、手助けするワトソン!!





映画スターの代表として…と言うよりは、シットコム「30 Rock」や、長寿コメディ番組「サタデーナイト・ライヴ」のホストとして魅せた軽妙なキャラクターなど、テレビでのお茶の間人気が評価され、次回の第82回アカデミー賞(2010年3月7日開催)の司会に抜擢されたアレック・ボールドウィンが、オスカー初司会の自分を支えてくれるパートナーとして、過去に2回のオスカー司会経験があり、共同司会者をつとめてくれるスティーヴ・マーティン、そして、この映画の演技で第67回ゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル部門で最優秀主演女優賞にノミネートされ、「ジュリーとジュリア」(2009年)の大女優メリル・ストリープと賞を奪い合うことになった当の本人のメリル・ストリープとの共演を果たした、ナンシー・マイヤーズ監督の最新作の中年向け恋愛ドラメディ「イッツ・コンプリケイテッド」を、2,887館でユニバーサル映画が封切った結果は…、
ナンシー・マイヤーズ監督の過去の最大ヒット作「ハート・オブ・ウーマン」(国内成績1億8,281万ドル/世界トータル3億7,411万ドル)のオープニング成績=約3,361万ドル(3,012館)にはおよばなかったものの、「恋愛適齢期」(国内成績1億2,472万ドル/世界トータル2億6,672万ドル)の同成績=約1,606万ドル(2,677館)や、「ホリデイ」(国内成績6,322万ドル/世界トータル2億513万ドル)の同成績=約1,277万ドル(2,610館)をしのぐ、上々のオープニング成績=約2,211万ドルを売上げ、強力作品を相手に初登場第4位でも立派な数字を残しています…ッ!!
「イッツ・コンプリケイテッド」(It's Complicated)=“ちょっと聞いて、複雑なのよ…ッ!!”とか、“私ってばもう、しっちゃかめっちゃかッ!!”みたいなニュアンスの題名が、なぜか邦題では「恋するパン屋」の本作は、ベーカリーとレストランを営むメリル・ストリープのジェーンと、彼女の離婚した元夫で、アレック・ボールドウィンのジェイクとの切っても切れない30年間の男の女の腐れ縁?!を描いた、ナンシー・マイヤーズ監督らしいドラメディです。



夫の弁護士ジェイクとの20年間の結婚生活で、3人の子どもまでもうけたジェーンは、ジェイクが、「プライド・アンド・グローリー」(2008年)では、コリン・ファレルの嫁さんだった若いレイク・ベルのアグネスと浮気したことが許せず、離婚するハメに…。それから10年が過ぎ、ジェーンにも今や、スティーヴ・マーティンが演じる、やはり離婚してバツイチの建築家アダムという恋人がいるのだったが、息子のカレッジ卒業をキッカケに、いまはアグネスと再婚したジェイクと再会したことから、焼けぼっくいに火がついて、ジェーンは元の夫ジェイクと体を重ね、お互いに浮気をしてしまう…ッ!!、自分が最も軽蔑する、他の女の男を寝取る大嫌いなサイテー女に、自分自身がなってしまったジェーンは、果たして、浮気亭主のジェイクとアダムの、いったい、どちらを選べばよいのか…ッ!!、さぁ、大変…ッ!!



…というわけで、脚本家時代の過去の作品まで含めて分析すれば、いくつかのパターンのテーマをただくり返し、実は似たような映画ばかり作っているナンシー・マイヤーズ監督が、やっぱり、前述の大ウケした「恋愛適齢期」(2003年)をはじめ、過去の作品のエッセンスを集めたような内容となっています。
映画の格付けサイト Rottentomatoes での本作の支持率は賛否が分かれた51%。「シャーロック・ホームズ」と同様に、映画自体のデキはそこそこ止まりなのを、俳優たちの魅力によって、本作も救われているようです。



メリル・ストリープ-スティーヴ・マーティン-恋するベーカリー

ちなみに、本作の売りのひとつとして、「シン・レッド・ライン」(1998年)や、「あの頃ペニー・レインと」(2000年)、「ラスト・サムライ」(2003年)、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」(2007年)など、数々の名作を手がけてきた名カメラマン、ジョン・トールの存在があげられますが、恋愛映画には不向きなようで、オーランド・ブルームが主演した大失敗作「エリザベス・タウン」(2005年)なんかを、ジョン・トールは手がけてしまっています。ま、その大失敗作「エリザベス・タウン」にアレック・ボールドウィンも出演していましたがッ!!(笑)、で、スティーヴ・マーティンは、ナンシー・マイヤーズ監督が脚本を執筆していた「花嫁のパパ」シリーズに出ていた関係。
また、共演者のジョン・クラシンスキーは、メリル・ストリープのライバルがメリル・ストリープ?!という、前述のゴールデングローブ賞の珍しいノミネートを発表していた人ですね!!

お互いの裸は見飽きてるぐらいのはずの元夫アレック・ボールドウィンとの浮気のあとで、“あなたが最後に私の裸を目の当たりに見たのは40代の時でしょ…”と、現在の自分の裸を恥ずかしがり、“後ろを向きなさい…”と、20世紀から21世紀にかけて最高の女優メリル・ストリープがチャーミングに言う場面。





ロブ・マーシャル監督の前作のアカデミー賞最優秀作品賞受賞作「シカゴ」(2002年)の感動を期待して、映画館に出かけた観客たちの“ミュージカル映画を観に行ったつもりが、お金を払って、MTVのミュージック・クリップを映画館で観せられた!!、カネ返せッ!!”の大ブーイングの口コミが広がり、もはや賞レースからは脱落したも同然のブロードウェイ・ミュージカルの映画化「ナイン」は、先週の4館での限定先行公開に、1,408館を追加して拡大ロードショーを果たしましたが、その混乱したまま終わってしまうストーリーの消化不良に対する不評もあり、興行成績は意外に伸びず、拡大公開でのオープニング成績が、たったの約554万ドルとなっています。1館あたりにブレイクダウンすると、約3,926ドルで、ゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル部門とドラマ部門の両方で最優秀主演女優賞候補のサンドラ・ブロックが主演の公開6週めで今週第6位のミラクル大ヒット作「ザ・ブラインド・サイド」の平均売り上げ=約4,241ドルにさえ負けてしまっています。映画賞受賞効果の大ヒットを狙い「ナイン」を製作したワインスタイン・カンパニーは、今夏の成功作「イングロリアス・バスターズ」での儲けを吐き出して、また、いつもの倒産危機状態に戻りそうですね…。

本作に出てくる意味がない…と、ひどい評価を下されているケイト・ハドソンがゴールデングローブ賞最優秀主題歌賞にノミネートされた“Cinema Italiano”を
フィーチャーしたMTV風?!の予告編。



若い映画ファンから、このオバチャン、誰…?!と言われてしまって残念な
イタリアの大女優ソフィア・ローレンとダニエル・デイ=ルイスのドライブ。





↑ こんなに評価の低い失敗作になるなんて思ってもみなかったわーッ!!
と叫んでいるような、本作の演技でゴールデングローブ賞助演女優賞にノミネート
されるも、大ヒットのアテがハズれてしまったペネロピ・クルス!!

最近、少しドタバタして、更新のペースが崩れていますが、来年も引き続き、全米映画ボックスオフィスBEST10をお楽しみに…ッ!!
なお、新年の全米公開映画の新作は今週末の元日はなくて、来週末8日(金)からの封切りとなります。新年に最初に登場するのは、プリンセス・エイミー・アダムスのラブコメ「リープ・イヤー」(うるう年)です!!


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