本来なら、昨日のうちにアップしなければならない週末の興行レポートでしたが、昨日はブリタニー・マーフィ(病気してたんですね…)が死んだショックで…というわけではありませんが、仕上げる時間がありませんでした。しかし、そのおかげで「アバター」が実はとんでもない大ヒット作だったことがわかってきました…ッ!! →
★11月第4木曜日の感謝祭からクリスマスまでの約1ヵ月間は、それぞれのホリデイでお金を使うことから、庶民にとっては言わば“節約月間”となり、映画興行も容易に数字を落としやすい時期となります。よって、11月最終週の感謝祭のロング・ウイークエンドの週末興行から、ずっとマイナスを続け、先週の前回(11日~13日)では、上位12本の映画のトータル売上げが約8,731万ドルと、最低に近い水準まで落ち込んでいた全米映画興行ですが、東海岸を襲った大寒波にも関わらず、今回の週末はおよそ44%のV字回復を達成して、映画館はにぎわいを取り戻しました…ッ!!、その立て役者が青いエイリアンたちであるのは、すでにご承知の通りです…ッ!!
★悲恋のパニック映画「タイタニック」(1997年)で、全米映画興行史上最大の6億ドル超えを達成したジェームズ・キャメロン監督が、およそ4億3,000万ドルと言われる超巨額の製作費を費やして完成した、3D映像の革命作となるSF巨編「アバター」(2時間40分/PG-13)を、20世紀FOXが3,452館の約7,000スクリーンで封切った全米オープニング成績は、昨日の映画スタジオが発表した見込み売上げにもとづくランキング発表では、約7,300万ドルとお伝えしました。よって、「アバター」は残念ながら、わがままなウィル・スミスの「アイ・アム・伝説的傲慢」(2007年12月14日公開)が作った12月公開映画史上最大ヒットのオープニング成績の№1記録=7,721万ドルを破れなかったわけですが、その後、実際の現金の売上げなどが集計された結果、「アバター」のオープニング成績が約7,300万ドルというのは見込みの誤りで、実際は約7,730万ドルを稼いでいたことがわかりました…ッ!!
これで、実際のところ、結局、何の興行新記録も作れていないじゃないかッ!!と野次られていたジェームズ・キャメロン監督の青いエイリアンのナヴィたちがウィル・スミスを玉砕し、大寒波の悪条件の中で12月公開映画史上最大ヒットの新記録を達成し、晴れて王座に君臨したことになります…ッ!!
また、先週末に世界の106の市場で同時公開された「アバター」は、それらの諸外国でしめて約1億5,920万ドル以上を売上げ、そこに先ほどのオープニング成績=約7,730万ドルをプラスすると、Pandorapedia ができるほどジェームズ・キャメロン監督が徹底的に驚異の惑星パンドラを創りあげた「アバター」は、封切りの週末だけで約2億3,650万ドルを一気に叩き出したことになり、巨額製作費=約4億3,000万ドルの半分をしのぐ金額をすでに売り上げています…ッ!!
この全世界デビューのオープニング成績=約2億3,650万ドルというのは、映画興行史上9番めの大ヒットとなる数字で、そのように“9番め”と言われれば、大したことない感じですが、大ヒット映画の続編(「スター・ウォーズ」、「インディ・ジョーンズ」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」)や、人気の大ベストセラー小説の映画化(「ハリポタ」、「トワイライト」)、また有名な原作の映画化(「スパイダーマン」、「ロード・オブ・ザ・リング」)を除いた、純粋にオリジナルな映画のデビューとしては、かつて前例のない映画史上最大の空前の大ヒット…!!だったという、まさに驚きに値する結果をはじき出しており、ジェームズ・キャメロン監督がまたしても映画ビジネスの頂点に立ってしまいました…ッ!!
しかしながら、3D映画の「アバター」のそうした大ヒットは、3D鑑賞の割増し料金のおかげじゃないのか?!と思われそうですが、本作の全米公開館=3,452館のうち、3Dシアターは2,038館で、この週末に上映された約7,000スクリーンのうち、3Dで上映されたのは3,129スクリーンだけです。つまり、公開館全体にしめる3Dシアターの割合は約60%にしかすぎません。よって、興行収入全体の約70%に3D割増し料金の恩恵が影響してるのは確かですが、残りの約30%は通常の映画館の2D上映で稼ぎ出していたことになります…!!
ちなみに、「キャピタリズム/マネーは踊る」が日本公開中のマイケル・ムーア監督によれば、“「アバター」はストーリーがおもしろいから、フツーの映画館で観ても、存分に楽しめるよ…ッ!!”と、「アバター」がけして、“3D”という映像のギミックに依存しているわけではないことをコメントしていますが、反対に、最新作「ザ・ボックス」の日本公開が楽しみな天才リチャード・ケリー監督は、“「アバター」は絶対に 3D IMAX で観るべきッ!!”と主張しています…!!
なお、「スター・ウォーズ」サーガや、「エイリアン」シリーズなど、SF映画においては、たまにとんでもないものを放ってくれる20世紀FOXが、またやってしまった「アバター」の観客の約6割は男性で、同じく全体の6割が25歳以上のアダルト層だったそうです。
今のところ、「アバター」に否定的なレビューはほとんど見られず、観客の反応も老若男女を問わず、幅広い層から好意的に迎えられているため、これから封切られる日本や中国といったアジアの市場での大ヒット予想を踏まえると、この「アバター」が昨2008年の歴史的大ヒット作「バットマン/ダークナイト」についで、史上5本めの“ビリオンダラー・クラブ”入りを果たす可能性は充分にある…ッ!!と、映画ジャーナリストや、興行アナリストらは予想していますが、しかし、そうしたデータの裏づけよりも、映画マニアの方には、「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004年)や、「ホット・ファズ」(2007年)を作った、信頼のおける超映画オタクの愛すべきバカ野郎、エドガー・ライト監督が“マジでふっ飛んだッ!!”と、絶賛の賛辞をおくっていることが、ふ~ん…、やっぱり、「アバター」は映画館で観とかなきゃなんねぇのか…ッ!!と思わせる最大の動機づけになるのではないでしょうか…?!
★同じ公開5週めのヴァンパイアのクソ映画「トワイライト・サーガ/ニュームーン」が第5位まで落っこちてしまったのに対し、今だに第3位と好調なロングランを続けているスポーツ感動実話の映画化「ザ・ブラインド・サイド」と、今夏のラブコメ「あなたは私の婿になる」の2大ヒット作により、今年2009年に最も活躍した№1女優になってしまったサンドラ・ブロックが、そのカムバックの大ブレイクについてマスコミに尋ねられ、“あのね、女が歳をとって、オバチャンになるというのは儲かるってことなのよ…ッ!!”と語り、若いうちが華とばかり思われる女優業が、けして、そうではないという実例として、“ほら、サラ・ジェシカ・パーカーをご覧なさい!!、「セックス・アンド・ザ・シティ」が大ヒットじゃないッ!!”と、サンドラ・ブロックからいきなりオバチャン呼ばわりされていた、そのオバチャン女優の代表?!のサラ・ジェシカ・パーカーと、ヒュー・グラントが共演した、ソニー・ピクチャーズのどうでもいいラブコメ「噂のモーガン夫妻」(1時間43分/PG-13)は初登場第4位で、オープニング成績はたったの約700万ドルだけでした…。
サンドラ・ブロックが言うように、若いだけが女性の取り得ではありませんが、ラブコメはやっぱり、若い女優を起用しておくほうが無難だったのかも…?!
なお、サンドラ・ブロックが指摘してくれた「セックス・アンド・ザ・シティ」のサラ・ジェシカ・パーカーの実績にもとづいてか?!、オバチャン女優は儲けられると思ったらしいソニー・ピクチャーズは、本作にラブコメとしては巨額で、ちょっとしたSFXアクション映画が充分に作れる約5,800万ドルもの製作費をつぎこんでいますが、「噂のモーガン夫妻」なのにもかかわらず、ちっとも噂にはなっていません…!!
この「噂のモーガン夫妻」は、ヒュー・グラントとサラ・ジェシカ・パーカーが演じる、離婚寸前のマンハッタンのスノッブな夫婦が殺人を目撃したことから、その口を封じようとする殺し屋の標的になってしまい、その身の安全を保障する証人保護プログラムによって、別人となりワイオミングの田舎で、夫婦生活を続けなければならないハメに…ッ!!といったお話。田舎の澄んだ空気と、素朴な人たち?に囲まれて、都会人が自分を見つめなおし、人間らしさを取り戻す…というのは、今年2月に公開されたレネー・ゼルウィガーの「ニュー・イン・タウン」や、前述のサンドラ・ブロックの「あなたは私の婿になる」と、まったく変わりませんね…ッ!!
共演者は、「ライラの冒険の失敗はすべてニュー・ライン・シネマのせいと、「ニュームーン」の大ヒットで調子に乗る監督のクリス・ワイツが責任をすべて他人になすりつけている羅針盤」(2007年)のサム・エリオットと、「あなたは私の婿になる」にも出てたメアリー・スティーンバージェンです。メガホンをとったのは、サンドラ・ブロックとヒュー・グラントが組んだラブコメ「トゥー・ウィークス・ノーティス」(2002年)に続けて、ラブコメ女王のドリュー・バリモア監督とヒュー・グラントが組んだ「ラブソングができるまで」(2007年)は悪くなかったマーク・ローレンス監督(↓)です。
★1本の映画にいろんなものを詰め込みすぎ…という、「チェンジリング」(2008年)で犯した失敗を、クリント・イーストウッド監督がまたくり返してしまい、マット・デイモンの出てる意味がない…といった酷評が、残念ながら少なくはない「インヴィクタス」は、先週の初公開から約52%の売上げダウンという、ホラー映画並みの急降下で、第3位から第6位に転落しています…。
先週、イーストウッド監督の映画は口コミで徐々にヒットしていく…と書きましたが、この2週めの展開にも寒波の悪天候が影響しているとは言え、映画自体の雲行きもちょっと怪しくなってきました…。
★小人の王国リリパットの女王さまエミリー・ブラントが、19世紀のイギリスを舞台に、ヴィクトリア女王の若き日を演じている伝記映画「ザ・ヤング・ヴィクトリア」(1時間44分/PG)を、青春音楽映画「ザ・ランナウェイズ」の記事で紹介した新しい配給会社アパリションが、予定よりも少ない20館でリリースしたオープニング成績は約14万8,000ドルで、第25位にランクインしました。
約14万8,000ドルをブレイクダウンすると、各館の売上げは約7,400ドルです。
イギリスでは今年3月にすでに封切られた米英合作映画の本作は、これまでに海外で約1,275万ドルを稼いでおり、今週末26日(土)に封切られる日本での成績を考慮しても、製作費およそ3,500万ドルの本作が興行だけで、とうてい黒字になりそうな感じはありませんが、まぁ、その製作費ではトータル的なビジネスとしては、赤字はまぬがれるのではないでしょうか。監督は、前作「C.R.A.Z.Y.」(2005年)が評価されたジャン=マルク・ヴァレです。
★日曜日(20日)に紹介したジェフ・ブリッジス主演の「クレージーハート」を、FOXサーチライトが4館の限定公開でリリースした週末のオープニング成績は約8万4,200ドル。
封切り日の16日(水)からの5日間での売上げのトータルは、約11万ドルです。
映画の核となる設定のコンセプトがそっくり…と、本作が指摘されているミッキー・ロークのヒット作「ザ・レスラー」は、昨2008年12月17日の同じく水曜日に、これまた同じく4館で、やっぱり、FOXサーチライトが封切った結果のオープニング成績は約20万2,714ドルで、5日間のトータルの売上げは、約28万8,220ドルでした。よって、FOXサーチライトが柳の下の2作めの「ザ・レスラー」狙い?!のように言われている「クレージーハート」は、もしかするとお手本にしたのかもしれない、その「ザ・レスラー」の半分以下しか観客を集めることができていません…。しかし、「ザ・レスラー」は公開前の9月にヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞するなど、あらかじめ好評の口コミが映画ファンの間に広まっていましたから、先日、お伝えたしたように、突然、封切られた感のある「クレージーハート」を一概に比較してしまうのは少しかわいそうな感じです。「クレージーハート」が、「ザ・レスラー」のような支持を集められるのか?!、これから真価が試されることになりそうですね。それでは、ジェフ・ブリッジスの熱唱をお聴きください…!!(1時間51分/R指定)
★「シカゴ」(2002年)で第75回アカデミー賞の作品賞をはじめとする計6部門を独占したロブ・マーシャル監督が、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007年)で一昨年のオスカー最優秀主演男優賞を獲得したダニエル・デイ=ルイスを主人公に、ケイト・ハドソン、ペネロピ・クルス、ニコール・キッドマン、ファーギー、マリオン・コティヤール、ジュディ・デンチ、ソフィア・ローレンという絢爛たる女性たちを集めて、ブロードウェイの大ヒット・ミュージカルを映画化した「ナイン」(2010年3月19日公開/1時間58分/PG-13)を、ワインスタイン・カンパニーがまずは4館の限定公開で封切った結果のオープニング成績は24万7,000ドルでしたッ!!
そのオープニング成績の数字を、4で割ってみると、1館あたりのアベレージは約6万1,750ドルとなり、首位の驚異の大ヒット作「アバター」を抜いて、実はこの「ナイン」が実質的には、この週末の№1ヒット作だったことになります!!
ワインスタイン・カンパニーが製作費に8,000万ドル超をつぎこんで社運を賭けた?!「ナイン」は、今週末の25日(金)のクリスマスから全米拡大公開!!
同日封切りのロバート・ダウニー・Jrの「シャーロック・ホームズ」と首位を競り合うことになりそうですね!!、さて、さっきは野郎のジェフ・ブリッジスの歌だったので、ここでは美しいマリオン・コティヤールが歌う “My Husband Makes Movies” をお楽しみください!!、では、次回の興行レポートも乞う御期待です…ッ!!
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