この週末は、「くもりときどきミートボール」の
前線が張り出し、初登場首位の快晴でした!!
*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル興行成績 の順です。
第1位(初) 第2位(初) 第3位 第4位(初) 第5位(初)
第1位「くもりときどきミートボール」(公開中)
$30,100,000-(3,119館)-$30,100,000
第2位「インフォーマント」(12月公開)
$10,545,000-(2,505館)-$10,545,000
第3位「タイラー・ペリーがマスかいてるのを見せつけられる自慰映画」
$10,060,000-(2,255館)-$37,932,000
第4位「ラブ・ハプンズ」
$8,456,000-(1,898館)-$8,456,000
第5位「ジェニファーズ・ボディ」
$6,800,000-(2,702館)-$6,800,000
第6位 第7位 第8位 第9位 第10位
第6位「9」
$5,458,000-(2,060館)-$22,794,000
第7位「イングロリアス・バスターズ」(11月20日公開)
$3,603,000-(2,519館)-$109,901,000
第8位「オール・アバウト・スティーヴ」
$3,400,000-(2,159館)-$26,678,000
第9位「ソロリティ・ロウ」
$2,489,000-(2,591館)-$8,870,000
第10位「ザ・ファイナル・デスティネーション4 3D」(10月17日公開)
$2,375,000-(1,805館)-$62,392,000
★新作映画の解説はこちらです…!! →
★大作のブロックバスター映画が目白押しのサマーシーズンが終了し、新生活が始まることから閑散期となる9月の映画興行らしく、上位12本の売り上げを足しても合計が1億ドルに満たない厳しい成績であることは、先週の前回と変わらない今週のランキングです。が、それでも今年最悪の低迷だった先週からは、全体で約14%増の回復、そして前年同時期との比較では、約1割程度も実績がアップしています。重いくもり空が続く経済状況の中でも、こうして、ときどきミートボールが降りそそぐ映画興行ですが、それはひとえに“3D映画”の割増し料金という事実上の値上げの恩恵なのかもしれませんね。今週もパッとしないランキングなので、パッパッとカンタンに紹介させてもらいます…ッ!!
★1978年に出版されて以来、30年以上にわたって全米の図書館で子どもたちに愛され続けてきた、バレット夫妻による同名人気絵本を、ソニー・ピクチャーズ・アニメーションがCGアニメ化した3D作品「くもりときどきミートボール」が、1館あたりで約9,651ドルを稼いで、第2位以下を大きく引き離し、初登場第1位を飾りました…ッ!!
先週末に日米で同時公開され、アメリカでは3,119館が約4,500スクリーンで封切った本作のオープニング成績=約3,010万ドルは、2006年9月の同時期に公開された「オープン・シーズン」(3,833館/製作費8,500万ドル/国内成績8,510万ドル/全世界計1億9,730万ドル)が記録した約2,362万ドルを抜いて、ソニー・ピクチャーズ・アニメーション史上最大のオープニング・ヒットとなっています。
この「くもりときどきミートボール」の成功には、3,119館のうちの1,828館が3Dシアターであったのと、127館のIMAXシアターが上映したことが大きく貢献しており、それらの割増し料金を徴収した映画館の売り上げのトータルが、オープニング成績の約3,010万ドルのうちの約1,800万ドル強を占めています。
また、およそ1ヶ月前の8月21日に封切られたロバート・ロドリゲス監督の「ショーツ」が観客に受け入れられず失敗に終り、さらに約1ヶ月前の7月24日公開の「G-フォース」以来、まともなガキ映画がなかったことから、映画に飢えていた親子連れが空から降ってくる食べ物に、一目散にむしゃぶりついてしまったようです。
それを裏付けるように、ソニー・ピクチャーズの調べでは、本作のオープニング興行の観客のおよそ約8割は家族連れで、全体の約半分が女性だったそうです。
夫ロンの物語に、妻のジュディが絵をつけた「くもりときどきミートボール」の原作絵本の邦訳を出版するほるぷ出版によれば…、
カミカミゴックンの町では、一日に3回、空から食べ物がふってくる。トーストにオレンジジュース、ソーセージにゼリーにハンバーガー。
ところがある日、天候が悪化して、ふってくる食べ物がどんどん大きく、大量になりはじめた。スパゲッティが町をうめつくし、巨大なホットケーキが学校をつつみ、ミートボールが家をつぶして、町は大混乱。たまらなくなった人々は、パンでいかだをつくって町からにげだした……。
…とのことで、空から食べ物を降らせる変な機械の発明者であるフリントの声をつとめているのは、恋愛コメディの傑作「サラ・マーシャルを忘れたくて」(2008年)で、主人公のジェイソン・シーゲルに変なアドバイスを与えていた人気コメディアンのビル・ヘイダー。お天気お姉さんとしての晴れの舞台を、食べ物が降ってくる異常気象により台無しにされてしまうサムの声は、「ハウス・バニー」(2008年)のヒットで魅力が見直され、コメディエンヌのトップに立ったアンナ・ファリスです。
本作の製作費は、約9,000万ドルから1億ドルといったところですが、他の大ヒット・アニメ映画ほどの勢いはないものの、順調な出だしからして、赤字になる心配はまずいらなさそうです…ッ!!
監督は、米軍の実験によって創り出された歴史上の偉人たちのクローンが通う高校を舞台にしたテレビアニメ・シリーズ「クローン・ハイ」のクリエイターとして知られるフィル・ロードとクリス・ミラーのコンビです。
★渾身の力作として必見に値する「チェ」2部作(2008年)に続き、ポルノ女優のサーシャ・グレイを主演に起用した小品「ザ・ガールフレンド・エクスペリエンス」(2009年)もふるわなかったことから、映画監督引退を自ら口にした才人スティーヴン・ソダーバーグ監督がマット・デイモンを主演に迎えて製作した、ジュリア・ロバーツにアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲らせた「エリン・ブロコビッチ」(2000年)以来となる社会派コメディの「インフォーマント」が、オープニング成績=約1,054万ドルという大したことない数字ながら、そもそも期待していない製作・配給のワーナー・ブラザースの意に添った結果をおさめ、初登場第2位にランキングしました…ッ!!
スーパースパイのジェイソン・ボーンとして人気のマット・デイモンが、サラリーマンのド素人スパイを演じている本作は、穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランドが90年代に行なっていた不正な価格操作を内部告発した同社の重役マーク・ウィテカーを取材したジャーナリストのカート・アイヒェンヴァルトが著した同名ノンフィクションを映画化したものです。
スターのマット・デイモンの主演作ながら、前述のように大したことないオープニング成績でもワーナー・ブラザースが納得というのは、本作の製作費がわずか約2,200万ドルと低予算であり、そこに上積みされた宣伝マーケティングの経費を含んでも、順当に投資を回収できるメドは、とっくにハナからついているからです。
大企業の裏側を暴く内容からして、主に都市部で人気を集め、動員をはかれた本作のオープニング興行の観客構成は、ワーナー・ブラザースの発表によれば、男女比はほぼ同等で、約7割が30代以上のアダルト層だったそうです。
また、約6割の観客がマット・デイモンを観たさに、本作を選んだ…とのことです。
マット・デイモンの妻を演じているのは、「父親たちの星条旗」(2006年)で注目されたニュージーランド出身のメラニー・リンスキー。脚本は、「ボーン・アルティメイタム」(2007年)のスコット・Z・バーンズです。
★日本で公開される時は、きっと「幸せの…」という邦題がつけられそうな、第4位に初登場の恋愛映画「ラブ・ハプンズ」は、「幸せのレシピ」(2007年)、「幸せのセラピー」(2007年)のアーロン・エックハートと、実はアンジェリーナ・ジョリーでも、プリンセス・エイミー・アダムスでもなく、この人こそが真の全米№1女優と言えそうなジェニファー・アニストンの共演作…!!
なのに、オープニング成績が1,000万ドルにも満たない845万ドルとは、まったく不甲斐なく見える本作ですが、1館あたりの売り上げでは約4,455ドルを稼いでおり、第2位のマット・デイモンの「インフォーマント」=平均4,210ドルを凌いでいます。という訳で、公開館数さえ、もう少し多ければ、今週の第2位はこの映画だったはず…。が、それにしたって、このしょぼい成績では赤字になるのでは…?!と、心配されてしまいそうですが、本作の製作費は約1,800万ドルと、かなり低予算なのに加え、なおかつ、それを配給のユニバーサル映画と、実際に映画を製作したレラティビティ・メディアが折半した…という、リスクの小さい作品なので、まぁ、元手は確実に回収される…と思っておいていいでしょう…。
ユニバーサル映画の調べでは、本作の観客の約7割が30代以上で、およそ8割が女性だったとのことです。
アーロン・エックハートが演じる、自己啓発本のベストセラー作家なのに、妻に先立たれた悲しみを自分で癒すことができない主人公が、ジェニファー・アニストンのお花屋さんと出会い…という、ベタなお話の本作に対する、映画の格付けサイト RottenTomatoes での評価の支持率は、わずかに18%です…。
監督は…、ケヴィン・コスナーが妻に先立たれた悲しみを自分で癒すことができない医師を演じたファンタジー映画の感動作「コーリング」(2002年)の脚本家から、本作で映画監督に転進した新人のブランドン・キャンプです。
★「くもりときどきミートボール」の初登場首位を阻止するのは敵わないにしても、他のライバル映画は余裕で退け、確実に第2位には着けられるはず…と、製作・配給の20世紀FOXが予想していた、スケベ天使のミーガン・フォックスが主演の学園ホラー「ジェニファーズ・ボディ」が、完全に期待ハズレのオープニング成績=たった680万ドルの沈没映画として、初登場第5位の悲惨なデビューとなってしまいました…ッ!!
エレン・ペイジ主演の青春映画の名作「JUNO/ジュノ」(2007年)のシナリオでデビューするなり、いきなりアカデミー賞最優秀オリジナル脚本賞を受賞してしまった新進女流脚本家ディアブロ・コーディの第2作めとなる本作は、その「JUNO/ジュノ」の余勢と、今年2009年の最大ヒット作「トランスフォーマー2」の主演女優ミーガン・フォックスが悪魔にとり憑かれたエロ女子高生の人食いチアリーダーを演じる…ッ!!という話題性から、製作開始以来、ズッと注目を集めていた作品だったのですが…、ネット上での盛り上がりや、注目度は、けして現実の観客動員には結びつかない…という悪しき実例をまた、ひとつ増やしてしまうことになってしまいました…。
しかしながら、映画興行の閑散期に封切られた本作は、「くもりときどきミートボール」を除く、他の新作と同様に低予算で作られており、製作費は約1600万ドルです。よって、20世紀FOXでは、単館あたりで約2,517ドルしか稼げていない…という失敗に終わった「ジェニファーズ・ボディ」ながら、最終的に本作が赤字になることはありえない…として、楽観的な見解を示しています。なお、同社の調査によれば、本作のオープニング興行の観客の約70%は25歳以下の若年層で、男女比はほぼ半々の同率だったそうです。
ミュージカル映画「マンマ・ミーア!」(2008年)の大ヒットでブレイクした、人気のアマンダ・セーフリード(↑)との顔合わせも効果はありませんでしたね…。
それにしても、この本格的な主演作の失敗により、タダでさえ演技力ゼロと蔑まれているミーガン・フォックスの今後の女優生命はかなり厳しくなってしまいましたが、先週初公開のエロ系ホラー映画「ソロリティ・ロウ」がコケた時点で、スケベ天使のミーガン・フォックスのエロ度を売りにした本作は、すでに沈没し始めていたのかもしれません…。やはり、先週も「ソロリティ・ロウ」の解説でふれたように、映画館でお金を払って、エロ描写を観る時代は終わりを告げつつあるようです…。
★さて、9月最終週の全米公開映画は、「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督がプロデューサーをつとめ、ドイツの新鋭クリスチャン・アルバート監督がメガホンをとったSFスリラー「パンドラム」と、「ターミネーター3」(2003年)のジョナサン・モストウ監督がブルース・ウィリスを主演に迎え、人気グラフィック・ノベルを映画化した近未来SFアクション映画「サロゲート」が同日公開というSF映画バトルが勃発!!、そこに加えて、アラン・パーカー監督が1980年に発表した同名の青春ミュージカル映画の名作を現代的にリメイクした「フェーム」のほか、怖すぎる…と話題のホラー映画「パラノーマル・アクティヴィティ」に、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画の新作「キャピタリズム:ア・ラブ・ストーリー」などが限定公開で封切られる予定です!!
果たして、「パンドラム」と「サロゲート」のどちらを全米のSF映画ファンは選ぶのか?!、みなさんも下 ↓ のテレビスポットを観比べて予想してみてください!!
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
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