昨2008年公開映画の№1の座を、「スラムドッグ$ミリオネア」や、「バットマン/ダークナイト」と分けあったヴァンパイア版「小さな恋のメロディ」であるスウェーデン発の奇跡の名作「レット・ザ・ライト・ワン・イン」を、謎のモンスター映画「クローバーフィールド」(2008年)のマット・リーヴス監督がリメイクするハリウッド版のポスターが早くも登場しました…ッ!!
ヴァンパイア映画史上最高の傑作と世界で絶賛の「レット・ザ・ライト・ワン・イン」を、昨2008年1月に初めて紹介した時に、これはハリウッドでリメイクになるかも?!と軽く予測した、まさにその通りになったハリウッド版リメイク映画のセールス・ポスターです。
映画の配給権を先行販売したり、製作費の投資を募るなどの目的のために作られる営業用のポスターなので、実際の映画のポスターではないのですが、これから作られる映画のイメージを伝えるツールとして、製作者たちがどういう映画を作りたいのか?!を、このセールス・ポスターから少し窺い知ることができます。
そういう視点で、上 ↑ のポスターを眺めると、リメイク版がオリジナル映画の作られた北欧のスウェーデンに似た寒い地域を舞台とし、主人公の子どもたちの年齢もオリジナルの設定である12歳とほぼ同じであることが見てとれます。
これはマット・リーヴス監督が先月6月末にロサンゼルス・タイムズの取材の中で、リメイク映画の舞台を“レーガン政権下の80年代の雪に覆われた冬場のコロラド…”と語っていた、まさにその言葉が反映されたデザインだと言えるでしょう。また、ヴァンパイアの恋愛映画「トワイライト」(2008年)のブームに便乗して、ハリウッド版は主人公を高校生ぐらいのハイ・ティーンに変えるのでは…?!といった、うがった見方に対し、「この映画の物語には、子どもの頃の気持ちを呼び起こされる、とても深い感銘を受けた…」と、個人的な思い入れを語っていたマット・リーヴス監督が、主人公のいじめられっ子の少年オスカーと、ヴァンパイア少女エリの年齢設定を変えなかったことも、これでハッキリと証明されました。
厳密にはトマス・アルフレッドソン監督のオリジナル映画のリメイクではなく、スウェーデンの人気ホラー作家、ジョン・アヴィデ・リンクイストの原作の再映画化として、その小説の題名をより正確に英訳した「レット・ミー・イン」というタイトルがつけられた本作のシナリオを、書き直しの第2稿まで完成させたマット・リーヴス監督は、脚本の執筆と同時に、「シックス・センス」(1999年)でハーレイ・ジョエル・オスメントを発掘したキャスティング・ディレクターのアヴィー・カウフマンと共に、オスカーとエリから、よりアメリカらしい名前のオーウェンとアビーに改名される予定の主人公の子役探しを進めていますが、オーストラリアのヘラルド・サンのスクープによれば、コディ・スミス=マクフィーが、オーウェン役の筆頭にあげられているそうです。
コディ・スミス=マクフィーは、10月からアメリカで公開される、コーマック・マッカーシー原作のアポカリプス・ロード・ムービー「ザ・ロード」で、ヴィゴ・モーテンセン演じる父と、終末世界の修羅を旅する息子の主人公を演じ、注目を集めている子役ですね。このヘラルド・サンのスクープは情報の出どころがハッキリせず、少し怪しいのですが、名優ヴィゴ・モーテンセンも“舌を巻いた…”という天才子役のコディ・スミス=マクフィーなので、憶測にしても、よいキャスティングとして説得力が感じられるので、その通りであればよいと願います。
オリジナルの「レット・ザ・ライト・ワン・イン」の監督トマス・アルフレッドソンが、“人が何年間もかけて描きあげた絵画を公開する展覧会の前日に、その絵のカラーコピーをバラまくような愚行”と批判し、自分のオリジナルのスウェーデン映画をまず観てくれッ!!と訴えたほか、多くの評論家や、ジャーナリストが、完璧な「レット・ザ・ライト・ワン・イン」のリメイクは不要!!、即座にやめるべき…ッ!!と否定するなど、逆風にあおられているマット・リーヴス監督ですが、そうした反発を沈黙させる傑作を作ることができるのか?!、ギミックな宣伝で大ヒットした「クローバーフィールド」では、あまり問われなかった映画監督としての資質と力量が、「レット・ミー・イン」では試されることになりそうです。
なお、ヴァンパイア映画史上最高傑作「レット・ザ・ライト・ワン・イン」のリメイク版「レット・ミー・イン」の公開は当初の来年2010年1月15日から、同年秋公開へとくり下げられています。「レット・ザ・ライト・ワン・イン」は、もしスウェーデンが出品していれば、アカデミー賞外国語映画賞は100%獲れる…と言われていただけに、もしかして、リメイク映画は賞レース開幕の秋公開でオスカーを狙うつもりなんでしょうか?!、だとしたら、主人公の名前はオスカーのままで、オーウェンに変えない方がよかったかもしれません…?!
とまぁ、くだらない冗談はさておき、主人公のヴァンパイア少女に、リメイク版では、どんな美少女が登場するのか…?!、楽しみですね!!
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