全米に妊娠ブーム?!を巻き起こした大ヒット青春映画の傑作「JUNO/ジュノ」(2007年)でアカデミー賞最優秀主演女優賞にノミネートされたエレン・ペイジが、オスカー後の最初の主演作として、一旦はサム・ライミ監督のホラー映画「ドラッグ・ミー・トゥ・ヘル」を選びながら、手のひら返しでサム・ライミ監督を裏切り、キャンセルして乗り換えた、ラブコメ女王ドリュー・バリモアの初監督作品「ウィップ・イット!」が写真を初公開しました…ッ!!
USAトゥデイが写真を初公開したドリュー・バリモア監督の処女作「ウィップ・イット!」は、日本では70年代に大ブームを巻き起こしたローラースケートの格闘技、ローラーゲームをテーマとしたガーリー・ムービーです。
そんな遠い過去の昔の東京ボンバーズの活躍など知らない…という人も、映画ファンならば、ジェームズ・カーンが主演した、ノーマン・ジュイソン監督の「ローラーボール」(1975年)と、そのリメイクとしてジョン・マクティアナン監督がメガホンをとった同名映画(2001年)で、ローラーゲーム(またはローラーダービー)が、どのようなものか?!、察しがつくのではないでしょうか…?!、ま、カンタンに言えば、ローラースケートを履いた選手たちがバンクトラックをチームで疾走し、お互いの暴力的な妨害を避けながら、レースを競うのがローラーゲームですが、本作はそのプロ選手として活躍したショーナ・クロスが執筆した小説「ダービーガール」を原作とし、脚本もショーナ・クロスが自分で書き上げました。
レズの同性愛者としてのウワサが絶えず、出演者が女だらけなことにそそられて、本作に乗り換えた…などと言いふらされているエレン・ペイジが演じている主人公は、テキサスの田舎町に生まれ育ち、インディーズのロックをこよなく愛する個性的なブリス・キャベンダー。けれど、トップの写真で見られるピーター・パンみたいなコスチュームに身を固め、トラックで戦闘モードに入った彼女の別名は、情け無用のベイビー、ベイブ・ルースレス…ということで、本作では登場人物にそれぞれ役名以外にプロレスラーのリングネームみたいな過激で、ちょっとおかしい芸名?!がつけられています。
↑ 監督だけでなく出演もして処女作を盛り上げるドリュー・バリモアが演じているのは、エレン・ペイジが参加するチームのリーダーとなるキャラクターと思われる、一撃粉砕の破壊女王、スマッシュリー・シンプソンです。その彼女が率いるチームの名前は、ガール・スカウトならぬ、乱暴で下品な女の子たちの集まりといったニュアンスの意味になる“ハール・スカウト”です。
↑ 実際の年齢よりも幼く見えた点や、その優れた演技力など、「ギルバート・グレイプ」(1993年)に出てた若い頃の印象が、少しエレン・ペイジとかぶるような気がする現在36歳のジュリエット・ルイスが演じているのは、ライバル・チームの聖なる“ホーリー・ローラーズ”のリーダー、鋼鉄の女アイアン・メイビンこと、ダイナ・マイトという変な役名のキャラクターです。ジュリエット・ルイスは、エレン・ペイジのベイブ・ルースレスが実は17歳で、ローラーゲームに参戦できる規定の年齢に達しておらず、年齢をゴマかしている秘密の情報を手に入れ、それを利用して、自分のチームを勝利に導こう…というセコい手を使う悪役だそうです。
↑ 写真左は、クエンティン・タランティーノ監督の「デス・プルーフ in グラインドハウス」(2007年)で、クルマのボンネットにしがみつくハラハラのアクションを観せてくれたタランティーノ映画には欠かせないスタント・ウーマンのゾーイ・ベルが扮する、血まみれホリーことブラッディー・ホリー。彼女の豪快なスタントの見せ場が用意されているのは間違いないですね…ッ!!、楽しみです…ッ!!
その他の出演者として、スティーヴン・キング原作の「ミスト」(2008年)で、怪現象は神の怒りの天罰だーッ!!と狂信的な恐怖を扇動していたマーシャ・ゲイ・ハーデンがエレン・ペイジの母ちゃん役として登場します。あの宗教狂いの変なオバハンが母ちゃんでは、娘が変わり者に育ち、非行ならぬローラーゲームに走っても仕方ない…?!、という訳では、もちろん、ありませんが、本作では宗教の代わりにマーシャ・ゲイ・ハーデンは元ミスコンのビューティー・クイーンとして、自分の娘のエレン・ペイジもミスコン女王にしようと必死になるアホなステージママを演じ、エレン・ペイジはそんな親バカの母ちゃんに嫌気がさして反発し、うわべの女らしさを飾ることよりも、自分の内なる野性の闘争本能に従い、ローラーゲームの世界に飛び込むことになるそうです。
ドリュー・バリモアの映画プロダクション、フラワー・フィルムズが製作し、20世紀FOX傘下のFOXサーチライト・ピクチャーズが配給する、女の肉弾戦が炸裂のスポ根ムービー「ウィップ・イット!」は、10月9日から全米公開ですが、それに先がけ、9月のカナダ・トロント国際映画祭のプレミア上映で初披露される予定です。
エレン・ペイジがドタキャンした冒頭の「ドラッグ・ミー・トゥ・ヘル」は、すでに全米で封切られた結果、ホラー映画の枠を超えた傑作との高評価を得ましたが、そのサム・ライミ監督よりも、ドリュー・バリモア監督を選んだエレン・ペイジの判断は、果たして、正しかったのか?!、「ウィップ・イット!」の仕上がりに注目です…!!
ところで、先月6月にココで、エレン・ペイジがジャーニーの「ドント・ストップ・ビリーヴィン」を熱唱している変なビデオを紹介しましたが、その中で一緒に歌っていたアリア・ショウカットと、ハー・マー・スーパースターは、この「ウィップ・イット」に出演しているキャストなので、あのビデオは本作を宣伝するための口コミを仕掛けるヴァイラル・マーケティングだったんですね!!、謎が解けました…ッ!!
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