The Expendables 2: シルベスター・スタローン隊長がアジアの格闘映画王ドニー・イェンに男祭り第2弾「エクスペンダブルズ2」への参戦を依頼したのは、映画に中国国籍を与えて、外国映画の配給規制枠をすり抜けるためのビジネス的戦略だった!!
by
Billy
2011年8月25日木曜日
シルベスター・スタローン隊長が音頭をとるアクション・オールスター映画の男祭り第2弾「エクスペンダブルズ2」に、香港のアクション・スター、ドニー・イェンが参戦のオファーを受けた…!!という、おとつい(8月23日)、お伝えしたニュースに関連する続報です…!!、ロサンゼルス・タイムズが、どうして傭兵部隊は、ドニー・イェンが必要なのか?!、その理由となる懐事情について説明してくれました…!!
中国の映画ビジネス事情については、あまり詳しくないので、大雑把なことしか言えませんが、中国政府は国内の映画産業を保護するために、外国映画の市場への参入を年間20本までに制限して、とどめているそうです。
その中国国内で、映画を上映し、収益をあげることが可能な、わずか20本の枠は当然ながら?!、そのほとんどをハリウッド大手のメジャー・スタジオが優先的に確保してしまい、それ以外の中堅以下の映画スタジオや、インディペンデント映画の製作プロダクションは、おいしい枠に預かれることなく、一定の決められた金額で、映画の権利を中国国内の映画配給会社に譲り渡さなければならないそうです。
そのため国内に膨大な人口を抱え、映画興行ビジネスが成長産業である中国で、仮リに外国映画が大ヒットしたとしても、それが先の20本枠から外れた作品であれば、実際にその映画を作った製作者らには、儲けの分け前の取り分が巡ってこない…という、当事者(社)からすれば、指をくわえて、大盛況を見てるしかない悔しい状況に陥ってしまうそうです…。
ロサンゼルス・タイムズの記事を執筆したベン・フリッツとジョン・ホーンによれば、そうした事例の典型となったのが、中国国内でも昨2010年に封切られたアクション・オールスター映画の「エクスペンダブルズ」だったそうで、同映画は中国の映画興行ランキングの年間第10位に食い込み、およそ3,210万ドルを売り上げたそうですが、あらかじめ中国国内の配給会社に、一定の手数料で権利を譲り渡したヌー・イメージ/ミレニアムが手にできたのは、わずかに100万ドルだけだったそうです…。
この中国で「エクスペンダブルズ」が好評を博し、人気であるという実績を重く見た製作スタジオのヌー・イメージ/ミレニアムは、どうにかして、第2弾では中国市場からも利益をあげたい…と、ビジネスプランを画策した結果、ハリウッドの大手映画スタジオを出し抜いて、外国映画輸入枠の20本に入ることは、まず無理な見通しであることから、中国の映画会社に出資を求めて、「エクスペンダブルズ2」を米中合作映画とし、中国国籍を与えることで、外国映画ではなくしてしまい、中国国内でのビジネス展開がはかれる環境作りを狙うと同時に、製作費の負担も軽減しようと考えたようです。
そして実際に、中国の配給会社との間で、共同製作の話し合いを進めているヌー・イメージ/ミレニアムは…、
その業務提携がなされるのに伴い、中国国内での「エクスペンダブルズ2」のヒットの可能性をより確実にするため、中国を舞台とするシーンを追加して、現地で大々的にロケを行うことを検討しているそうです。
といった事情から、「エクスペンダブルズ2」を中国市場向け?!に製作する方針にもとづけば当然、中国の有名なアクション・スターを出演させなければならない…!!といった考え方が導かれ、その筆頭候補として、ドニー・イェンに白羽の矢が立てられたようです。
しかし、ここで疑問なのは、「エクスペンダブルズ」には、すでにジェット・リーが参戦していますから、ならば、あえて、ドニー・イェンをスカウトしなくても、ジェット・リーの出番の見せ場を増やし、それを中国で撮影すればよいのでは…?!と思えそうですが…、「エクスペンダブルズ2」にスタジオを提供するブルガリアの映画撮影所 NU ボヤナのCEO デヴィッド・ヴァロッド氏は、新キャストとして、ジョン・トラボルタ、チャック・ノリス、ジャン=クロード・ヴァン・ダボーが起用される予定であることを明かしてくれた談話の中で、ジェイソン・ステイサムや、ドルフ・ラングレン、ミッキー・ローク、また、アーノルド・シュワルツェネッガーに、ブルース・ウィリスといった名前もあげながら、ジェット・リーについては、何も言っていませんでした…。なので、もしかすると、ジェット・リーが降板してしまったため、その代わりのアジア系の出演者がどうしても必要…といった事情を、スタローン隊長とヌー・イメージ/ミレニアムは抱えているのかもしれません。
以上のような情報を鑑みると、今秋10月のクランクインが決定しているのにもかかわらず、「エクスペンダブルズ2」がどういった物語の内容なのか?!、一向にそのプロットが伝えられない理由も察せられる感じがしますね。
ドニー・イェンの返答と要望や、中国側のパートナーとなる映画会社の意向にそって、シナリオが変更されていくことになるのではないでしょうか…?!、とにかく、ドニー・イェンに「エクスペンダブルズ2」に出てほしい…!!と、純粋にその活躍を願うファンの方からすれば、どうでもいいような背景の映画ビジネスの裏話ですが、しかし、ドニー・イェンがどうしても映画に必要な理由が現実にあった…!!というのは、その登場の可能性に期待が持てる話題だったように思います。
「コン・エアー」(1997年)のサイモン・ウエスト監督がメガホンをとる「エクスペンダブルズ2」は、来年2012年8月17日から全米公開の予定です…!!
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