************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


本日は今のところ、すぐにお伝えすべき映画のニュースは見当たらないので、以前から紹介したかったウルグアイのホラー映画「サイレント・ハウス」(2010年)の予告編と、それをリメイクしたハリウッド版の「サイレント・ハウス」の動画とを観比べて、お楽しみください…!!、オリジナル映画の方は、キャノンのEOS Mark II で、全編が撮影されました。ボディだけなら、20万円そこそこで買えるカメラです。それで世界をアッと驚かせるようなホラー映画を作ることが可能です!!








ユニークなインディペンデント映画を紹介するニューヨークのIFCセンターが、来月5月11日からオンデマンドで配信する南米ウルグアイのホラー映画「サイレント・ハウス」のUS版の新しい予告編をリリースしたので、ご覧ください!!、グスタボ・ヘルナンデスという人が、前述のようにキャノンの一眼レフのカメラで作った本作は、今年1月にサンダンス・フィルム・フェスティバルの受賞結果をお知らせした際にチラとふれた、エリザベス・オルセン主演の同名ホラー映画の元となったオリジナル作品です。

1940年代に実際に起こった出来事を下敷きにしているというふれ込みの本作は、郊外の別荘を売りに出そうと考えたオーナーから、半ば廃屋と化した屋敷の修理を頼まれた父ウィルソンと、10代の娘ローラが現地を訪れ、傷んだ建物を下見した後、翌早朝から作業に取りかかるべく、その電気も通っていない屋敷で夜を過ごそうとするのですが、娘のローラが真夜中、不審な物音を聞きつけ…といった発端から、観客はローラと一緒にノンストップの切れ目ない映像で恐怖体験を共有することになります…!!
そのように、この「サイレント・ハウス」は、映画全編の約78分間がワンカットで切れ目なく、つながっている~!!と、長回しの名手だった故相米慎二監督(「台風クラブ」1985年)もビックリするに違いないシングル・ショット・ムービーであることが、昨2010年の第63回カンヌ国際映画祭の上映で大きな話題となったのですが、CIAリーダーの映画マニアのみなさんは、似たような作品として、サスペンスの神さまアルフレッド・ヒッチコック監督の実験作「ロープ」(1948年)や、90分間の出来事が90分間で描かれたジョニー・デップ主演のサスペンス映画「ニック・オブ・タイム」(1995年)、また、時間展開のリアリティには、かなり疑問があるものの、キーファー・サザーランドのテレビ・シリーズ「24」なども、そうであることをすぐに思いつかれると思います。

しかし、そうした過去の映画は、1回のシャッターで撮影できる時間が限られたフィルム作品であり、カメラも重かったことから、シングル・ショット・ムービーのアイディアと効果を存分に発揮した結果が、けして得られてはいなかったのに対して、「サイレント・ハウス」は長時間の一発撮りが可能な軽い一眼レフのデジタルカメラを使用し、本当に長回しであることや、主にランタンや、ローソクを光源に作り出された映像の質がホラー映画に適していたことなどの生々しさで、観客はあたかもローラの恐怖が自分の身に現在、起きている出来事であるかのように実感できる…!!と高評価を博しています。
となれば、早速、ハリウッドがリメイク映画を作るのは当然?!で、元女優のファッション・デザイナー、メアリー=ケイトとアシュレーのいわゆる双子のオルセン姉妹(「フルハウス」)の妹エリザベス・オルセンを起用して作られた新しい「ザ・サイレント・ハウス」が、下 ↓ の動画ですが、このカットをよくよく、ご覧になれば…、





エリザベス・オルセンが鍵を開け、屋外に脱出するカットの途中で一瞬、画面が真っ暗になっていますよね?!
オリジナル映画も、リメイク映画も、全編ワンカットのシングル・ショット・ムービーと言いながら、実際はこうして随所でタイミングを計り、カットを分割して撮影し、それをつなげることで、まるで全編がワンカットであるかのように見せかけています。
でも、しかし、まぁ、こうしたネタ晴らしのカットを観せなくても、映画マニアの方で、多少なりとも映画の作り方を知っている人や、カメラが趣味で、その機能を理解している方は、現実に78分間もの映画をワンカットで撮影できるわけがないのは当然、ハナからおわかりですよね…!!

この「サイレント・ハウス」のリメイク映画の「サイレント・ハウス」を作った監督は、ダイビング中に大海原にとり残されてしまう恐怖を描いたパニック映画「オープン・ウォーター」(2003年)のクリス・ケンティス監督と、妻のローラ・ロウで、いかにも、こうした映画を作りそうな感じですが、クリス・ケンティス監督は、自作を披露した前述のサンダンス・フィルム・フェスティバルの質疑応答で、ブラックアウトした瞬間にカットを割っていますよね?!、実際は何テイクで撮影したんですか?!と観客からツッコまれて、答えに戸惑い、質問をはぐらかしています…。


オリジナルの「サイレント・ハウス」はウルグアイ映画ということで、アメリカでは大々的に封切られず、オンデマンドの配信になってしまったわけですが、双子の姉ちゃんらと違い、演技の才能がありそうだ…と、女優としての資質に期待がかけられているエリザベス・オルセン(↑)のリメイク版「サイレント・ハウス」を配給するライオンズゲートは果たして、どのように本作をプロモーションしていくのか?!、映画全編ワンカットです!!と、やはり、それを売りものにして言い張るのでしょうか?!、オリジナル映画も、リメイク映画も、ホラー映画としての質は高く、おもしろい…!!と言われているので、無理にシングル・ショット・ムービーにこだわって、そんな訳ないだろーがッ!!とケチをつけられるよりは、そのように観せることで恐怖を盛り上げています…と素直に言ったほうがいいような気もするのですが…。

CIAリーダーのみなさんは、この最初から最後まで全編の映像がつながっていることで、緊張感の持続は促される一方、編集テクニックが駆使されていない=緩急のメリハリのテンポには欠けるホラー映画「サイレント・ハウス」に、どの程度、期待をされるでしょう…?!、リメイク版「サイレント・ハウス」は今年中にアメリカで公開の予定です。

フォーラムのページを用意したので、映画のニュースや話題についての意見、また、自分が観た映画の感想などを伝えたい人は、自由にトピックを立ててください。




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