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どうしてもアカデミー賞を獲りたいがために、のうのうと厚かましく世間にウソを並べ立てた…とされる女優と、そのウソを真実として作り上げるため、宣伝で話を完璧にデッチあげた映画会社とのスキャンダルにとどまらず、すべてが本当だった場合、これは映画界がバレエ界を徹底的に舐めて侮辱した、大変に恥ずかしいお粗末とも解釈できます!!




先月2月末に行われた第83回アカデミー賞授賞式で、天才ダーレン・アロノフスキー監督のサイコ・バレエ映画「ブラック・スワン」(2010年)の演技で、ナタリー・ポートマンが最優秀主演女優賞に選ばれ、感動のスピーチを行い、足かけ8年間にもおよぶ地道なバレエ練習の成果が花開いたことで、思わず共感し、一緒に目を潤ませてしまった映画ファンの方はたくさん、いらっしゃることと思います。
しかし、ナタリー・ポートマンが才能に長けた優秀な女優であることは否定しないまでも、果たして、あそこまで女優が本格的なバレエを踊ってのけられるものなのか?!は、かねてより疑り深い人たちから疑問視され、実際は代役のプロのバレリーナが踊ったに違いない…といったウワサは当然、語られてきました。

そうした世間の疑問に対して、自らも「ブラック・スワン」に出演し、同映画の振り付けを担当したベンジャミン・ミルピエは、ロサンゼルス・タイムズの取材に応じ、代役のバレリーナが一部を踊ったことは認めつつも、いずれ結婚する予定の自分の婚約者であり、まんまと妊娠させたナタリー・ポートマンが、映画で観られるバレエ・シーンの “正真正銘、85%をナタリーが踊っている…” とうけおい、現場にいた当事者の立場から、疑惑を払拭する発言を行い、それが記事となって、今週の水曜日(3月23日)に報じられました。

ところが、その振り付け担当者による “85%” という具体的な割合いの数字をあげたコメントが仇となり、「ブラック・スワン」の撮影に参加し、ナタリー・ポートマンの代役をつとめた、アメリカン・バレエ・シアターのソリスト サラ・レインさん27歳が、実際は映画で観られるバレエ・シーンの95%は自分のパフォーマンスであり、ナタリー・ポートマン本人が踊っているのは、わずか5%程度にしか過ぎない…!!と、エンタテインメント・ウィークリーの記者アダム・マーコヴィッツに激白し、あわせて同映画の関係者から、真実を語るな…と脅迫のプレッシャーにさらされていた事実を、アメリカでは今日となる25日(金)に公けの明るみに暴露しました…!!


で、さて、足かけ8年もバレエの練習を継続し、クランクインの半年前からは集中的な特訓を行った…と、インタビュー・カメラの前で、「ブラック・スワン」に打ち込んだ努力のほどを語り、世間の共感を集めたナタリー・ポートマンと、バレエ・シーンの85%はナタリーが踊った…というベンジャミン・ミルピエの肉体関係のカップルの主張と、彼らは共謀して、ウソをついている…というプロのバレリーナ、サラ・レインさんの訴えのどちらが正当なのか?!、撮影に立ち会っていない第三者としては、その白黒の判断のしようがありませんが、話を進める前に、まず下 ↓ のビデオをご覧ください。




これは「ブラック・スワン」のVFXスタッフが、自分たちの専門分野でもオスカーを狙うべく、技術の高さを知らしめようとリリースしたデモ・ビデオですが、38秒めのところで、現実に踊った踊り子さんたちの体に、別の人物の顔を後から上乗せする “ヘッド・リプレイスメント” が、バレエ・シーンで採用されていたことを、皮肉にも白状してしまっています。
この動かぬ証拠?!を念頭に置いたうえで、「ブラック・スワン」の現場で、わたしは6週間も踊らされた…と言うサラ・レインさん(↓ 写真)の告発を紹介していくと…、
“顔のアップと同時に画面に写り込んだ両腕が、ナタリーのものであるのは間違いありません。でも、それはバレエを踊ってみせていることにはなりませんよね。”
“彼女(ナタリー・ポートマン)の体はとてもぎこちなく、こわばっていて、満足に体を動かすこともできませんでしたし、トウシューズでつま先立ちすることすら、かないませんでした。本職のダンサーの目から見れば、彼女がとうてい、バレリーナに見えないのは一目瞭然でした。”
…とのことで、それでは実際、まったくバレエを踊れないド素人のナタリー・ポートマンは「ブラック・スワン」のために何を努力したのか?!と言うと…、
“わたしは彼女(ナタリー・ポートマン)を大いに評価し、称賛したいと思いますが、それは約1年半もの期間をかけて、バレリーナ並みの体重に減量し、実際の踊り子の気持ちを感じて、役になりきろうとした努力に対してです…。”
と、ナタリー・ポートマンが「ブラック・スワン」の撮影に先がけ、実際に最もガンバッたのは…、まぁ、踊りの練習も当然したはずですが、現実にはダイエットにしか過ぎなかった内幕を、サラ・レインさんは明かしてしまっています。


にもかかわらず、ナタリー・ポートマンが血と涙の特訓を積み、現実にプロのバレリーナ並みの技量を身につけ、映画の中のバレエ・シーンの85%をすべて本人がこなした…!!という話になってしまったのは…、
“すべてはアカデミー賞のためです。彼らは、ナタリーが映画のために厳しい鍛錬を約1年半も重ね、本当にバレリーナになってみせた…という天才女優の作り話を、世間の人たちの頭の中にインセプションしようとしたんです…。”
…とのことで、
“それはとどのつまり、わたし個人だけでなく、ある分野のプロというものを舐めて、侮辱しています。
わたしは22年間も練習を積んで、バレリーナになりました。もし、あなたが映画スターの俳優だったとして、あなたは1年半の練習で、プロのコンサート・ピアニストになれますか…?!”
「ブラック・スワン」の撮影現場で、“ナタリー・ポートマン”
に扮したサラ・レインさん…。
と、最後にいきなり例えがバレリーナからピアニストに変わるのは変ですが、言いたいことはご尤もで、このサラ・レインさんの意見を受けて、、エンタテインメント・ウィークリーのアダム・マーコヴィッツも、実際のところ、ナタリー・ポートマン本人も昨2010年11月の時点では、1年かそこらの練習で、難しいバレエの踊りをすべてマスターできるわけがないのだから、代役が踊っていることを認めていたことを指摘しています。

それがつまり、その後、だんだんと映画製作の舞台裏が脚色されていき、ナタリー・ポートマンの「ブラック・スワン」伝説がデッチあげられていった次第なわけですが、そうした工作の言わば、張本人として、サラ・レインさんは、天才ダーレン・アロノフスキー監督とコンビを組んでいるプロデューサーのアリ・ハンデル氏から、マスコミに絶対に事実を語るな…!!と申し渡されたことを、個人名をあげて指摘しています。
そのアリ・ハンデル氏の…先ほどのサラ・レインさんの言葉を借りれば、プロの仕事を侮辱したような態度の命令に、サラさんは、そうした自分が映画に関与してることを語ってはならない…といった守秘義務の契約は交わしていない…!!と反論したそうですが、相手にされず、秘密を守れ…と、一方的にプレッシャーをかけられるだけだったそうです…。

そして、そのように関係者一同が事実をねじ曲げ、ナタリー・ポートマンの「ブラック・スワン」伝説をまことしやかに作り上げたことで、ナタリー・ポートマンはついに晴れてオスカー女優の栄光の称号を得られたわけですが、サラさんは今になって、真実をぶちまけたことについて…、
“ナタリーは驚異的な女優だと思います。それは絶対です。”
…と語り、
“これは賞を獲って、映画を成功させるための政治的な工作なのですから、わたしは一連の出来事を個人的に受けとめてはいけないのだと思います。でも、それでも、わたしは、信頼というものを失ったことを残念に思います…。”
…とのことで、最後の “信頼を失った…” は、今回の出来事で、ひとが信じられなくなった…という意味と、映画のスタッフのクレジットの意味とが重ねあわされていて、自分の「ブラック・スワン」での仕事を世間の公けに誇ることができず、スターの影武者に徹するしかなかった自分を哀れんで、語っているように思えます。


このサラさんの告発で、「ブラック・スワン」という映画の価値が霞むわけではありませんし、ナタリー・ポートマンという稀代の女優の才能はもとより、人格を安易に否定することもできないでしょう。誰が本当のことを言っていて、誰が嘘つきなのか?!は、撮影の現場に居合わせた者と、VFXで顔の置き換えを行った作業者にしかわかりません。
だから、どう結論を述べるわけにもいきませんが、以上のようなサラ・レインさんの発言と、VFXのビデオ、そして、「ブラック・スワン」の映画本編を観て、果たして、完璧なバレリーナなニナの正体は、女優のナタリー・ポートマンか、それとも、アメリカン・バレエ・シアターのソリストで、本職のプリマのサラ・レインさんか?!、答えはあなたの目で決めてください…。





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