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前回となる11月末の先週が感謝祭のホリディ・ウィークエンドで多くの人が帰省したり、旅行に出かけるなどしたほか、歳末セールのブラックフライデーでたくさんのクリスマス・ギフトなどを買い込んだ挙げ句の果てとして、連休明け最初の週末となる今回は、無駄遣いせず、家で大人しくしていよう…となってしまうのは、物の通りとして、誰でも理解できると思います。
そうした引き潮の余波を受けた、この週末の全米映画興行は恐ろしいことに、その先週の前回から約54%もの集客ダウンとなり、前年同時期との比較でも、約13%強の売り下げとなってしまいました…。
しかし、まぁ、この好調不調の波は、あらかじめ予測がつく例年の出来事ですから、それを重々承知している映画スタジオは、このタイミングに全米公開映画の新作を封切りません。にもかかわらず、こうした状況で初登場させられてしまう作品というのは、つまり、敗戦処理投手のような扱いのどうでもいい映画だ…ということになってしまいますね…!!





そのどうでもいい映画として、レラティビティ・メディアが1,622館という、2,000館に満たない、言わば、準拡大公開のような格好で封切った、韓国のスター、チャン・ドンゴンが主演のジャンルをマッシュアップしたハイパー・アクション映画「ザ・ウォーリアーズ・ウェイ」のオープニング成績は約305万ドルの初登場第9位で、DVDスルー映画並みの内容なのだから、DVDスルー映画にしておくべきだった…という、当たり前の結果となっています。
西部の荒野を舞台に、「カウボーイズ&エイリアンズ」ならぬ、“カウボーイズVSニンジャ”といったような奇をてらった対決がくり広げられることになる「ザ・ウォーリアーズ・ウェイ」のオープニング成績がどれだけ、ひどいか?!というのは、同じく韓国出身で、北米ではチャン・ドンゴンと同様に無名のRain(ピ)が主演し、前年同時期…とは言え、感謝祭のホリデイ映画として封切られた「ニンジャ・アサシン」のオープニング成績と比較してみると…、

     「ニンジャ・アサシン」(2009年11月25日公開)
      オープニング成績/ 1,331万ドル(2,503館)=平均売り上げ/ 5,320ドル

1館あたりのアベレージがたったの約1,881ドルという「ザ・ウォーリアーズ・ウェイ」が、あろうことか、「ニンジャ・アサシン」の製作費=約4,000万ドルよりも少しだけ高い約4,200万ドルで作られた…というのは、これが他人の話でよかった…と、思わず胸を撫で下ろさずにはいられない恐ろしいお話で、まったくビジネスになっていません…。


ザ・ウォーリアーズ・ウェイTVスポット



また、同様に他人の不幸でよかった…と思ってしまう似たタイプのアジアのテイストを含んだ以下の失敗作のB級映画と比較しても…、

     「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」(2009年2月27日公開/製作費5,000万ドル)
      オープニング成績/ 472万ドル(1,136館)=平均売り上げ/ 4,156ドル

     ドラゴンボール風アクション映画「Evolution」(2009年4月10公開/製作費3,000万ドル)
      オープニング成績/ 475万ドル(2,181館)=平均売り上げ/ 2,181ドル

…と、鳥山明の大人気コミックを原作だと言い張って、世間の反感を買った不謹慎な映画よりもさらに「ザ・ウォーリアーズ・ウェイ」は劣っていることになります…。
ま、そもそも2007年に撮影されて以後、オクラ入りだった作品ですから仕方がないですね。
なお、本作は映画の格付けサイト RottenTomatoes で、46%の支持率がつけられていますが、レビューのとりまとめサイト metacritic では、今のところ、まだ採点の対象にすらなっていません…。


ベタなスタイリッシュを目指したスローモーションが迫力を欠くアクション・シーン!!




配給のレラティビティによれば、観客の約65%が25歳以上の男性のアダルト層だった…とのことで、韓国人のチャン・ドンゴンが主演だけに、主にアジア系の人ばかりが観に来ているのかと言えば、そうでもないようで、アジア系の観客27%に対して、アフリカ系の黒人が23%、白人が20%、ラテン系の人が20%と、ケイト・ボスワースがヒロインとして主演女優をつとめていることや、名優のジェフリー・ラッシュが共演しているせいか、観客の人種別のバランスはとれているようです。
いずれにしろ、ニューヨーク大学で映画についての教鞭をとっていた韓国人の Sngmoo Lee という先生は、この映画監督デビュー作の大失敗で、自分に学生に映画を教える資格がないことを証明してしまったような感じですね…。


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