************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


今回は、BEST10の全作品の数字を紹介していないので、まとめの総括は書かないことにします…。




ウォルト・ディズニー・ピクチャーズを経て、20世紀フォックスに移籍し、CGアニメの製作プロダクション、ブルースカイを買収して、FOXのアニメ部門の代表となり、「アイス・エイジ」シリーズや、「ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ」(2008年)などの大ヒットを飛ばしてきたプロデューサーのクリス・メレダンドリ氏が独立し、新たに立ち上げたイリューミネイション・エンタテインメントと配給契約を結んだユニバーサル映画が、第1回作品として、全米3,476館で封切った「怪盗グルーの月泥棒」が盗んだオープニング成績は、とても立派な約6,011万ドルでした!!
この「怪盗グルーの月泥棒」の製作費は約7,000万ドルですから、ユニバーサル映画は、その半分近くに匹敵する金額(売り上げの半分は映画館の取り分なので)を、全米でのオープニング興行だけで取り戻したことになり、アメリカでは明日となる週明けの月曜日早々にも、ユニバーサル映画の重役のみなさんが続編の製作について話し合いをはじめるのは間違いなさそうです…!!

ちなみに、ユニバーサル映画が過去に封切ったアニメ映画2作品の成績は以下の通りです。

おさるのジョージ」(2006年2月公開/製作費5,000万ドル)
  オープニング成績=1,470万ドル(2,566館)
  国内成績=5,836万ドル/世界トータル=6,983万ドル

ねずみの騎士デスペローの物語」(2008年12月公開/製作費6,000万ドル)
  オープニング成績=1,010万ドル(3,104館)
  国内成績=5,087万ドル/世界トータル=8,694万ドル

よって、ユニバーサル映画は、イリューミネイション・エンタテインメントと提携したことで、苦手とし、振るわなかった過去のアニメ映画の最終的な国内成績を超えるオープニング成績を、「怪盗グルーの月泥棒」で稼ぎ出す大きな飛躍が遂げられたことになります。


また、「怪盗グルーの月泥棒」のオープニング成績=約6,011万ドルというのは…、

カーズ」(2006年/製作費1億2,000万ドル)=オープニング成績=6,011万ドル(3,985館)
カンフー・パンダ」(2008年/製作費1億3,000万ドル)=オープニング成績=6,023万ドル(4,114館)
モンスターVSエイリアン」(2009年/製作費1億7,500万ドル)=オープニング成績=5,932万ドル(4,104館)
アイス・エイジ3」(2009年/製作費9,000万ドル)=オープニング成績=4,169万ドル(4,099館)

…と、それぞれ、国内で2億ドル前後を稼いだ、先行する他社の大ヒット・アニメと比較して、まったく遜色のない数字であることが理解できましたね…!!
これまでディズニー・ピクサー、パラマウント/ドリームワークス・アニメの2大スタジオが、概ね市場を独占し、それをFOX/ブルースカイ、くもりときどきソニー・ピクチャーズ・アニメが追いかけるのを、指をくわえて眺めていたような格好のかなり出遅れていたユニバーサル映画ですが、ひとまず、CGアニメ映画市場への本格進出を成功させたことで、今後さらに競争が激化していくことになりそうです…!!


怪盗グルーの月泥棒予告編




人気を不動のものにしてくれたテレビシリーズ「The Office」から降板することを決めたスティーヴ・カレルが主人公の怪盗グルーの声をつとめる本作の内容は、夜空の月を盗んでみせる!!という大胆な計画を立てた矢先、頼りにしていたドラえもんのスモールライトをライバルの悪党ベクターに奪われてしまったグルーが、それを取り返す手段として、孤児の幼い3姉妹を養女に迎え入れたところ、はからずしも怪盗らしからぬ父性愛に目覚めてしまい…ッ!!



ライバルのベクター(↓)の声を担当しているのは、恋愛映画の傑作「サラ・マーシャルを忘れたくて…」(2008年)の脚本を執筆し、自ら主演したジェイソン・シーゲル。
3姉妹の長女マーゴは、「スクール・オブ・ロック」(2003年)の演奏を成功させる、賢いマネージャーの女の子だったアイドルのミランダ・コスグローヴ。
その他に、サラ・マーシャルを奪ってしまったラッセル・ブランドをはじめ、ダニー・マクブライド、ケン・チョン、ウィル・アーネット、クリステン・ウィグといった、笑いを提供できる面々がボイス・キャストをつとめています。


監督は、「ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ」、「アイス・エイジ3」でストーリーボードを担当していたクリス・ルノーと、新人のピエール・コフィン。脚本は、やはり、「ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ」のケン・ダウリオです。


スモールライト…ではなくて、縮ませ光線銃で痛い目に遭うグルー…!!




で、その縮ませ光線銃を、ベクターから奪い返すグルーとミニオンたち…!!




映画の格付けサイト RottenTomatoes で、80%の高い支持率を集め、優秀な新鮮映画に認定されている「怪盗グルーの月泥棒」ですが、ただし、その内容は児童向けアニメのため、大人が観てもつまらない…というのが、実際のところとして評価されています。
しかし、ユニバーサル映画の調べによれば、本作のオープニング興行の観客の約55%という半数少しが12歳以下の児童をともなった親子づれだった…とのことですから、ま、作品の内容にキッチリと比例した健全な集客で、ヒットの実現を果たせたわけですね…!!

主人公の怪盗ではなく、グルーの手下のミニオンたちに焦点を絞ったプロモーションが成功の鍵と評価されています。




圏外の注目作として、クリスチャン・ベールとケイト・ベッキンセールという、名前の語尾の似たカップルの葛藤を描いたドラマ映画「しあわせの法則」(2002年)で知られる女流監督リサ・チョロデンコが、自ら執筆したオリジナル脚本を映画化した最新作のドラメディ「キッズ・アー・オール・ライト」が、わずか7館での公開ながら、1館あたりで驚きの約7万2,143ドルを売り上げ、実質的にこの週末の№1ヒット作として、オープニング成績=約50万5,000ドルのセンセーショナルなデビューを飾ったことをお伝えしておかなければなりません…!!

キャラクターを描くことに焦点をあて、人間関係を軸に物語を進めることを得意とするリサ・チョロデンコ監督が、今年2010年のサンダンス・フィルム・フェスティバルで発表し、絶賛を集めた「キッズ・アー・オール・ライト」は、これまでに紹介した「ウインターズ・ボーン」や、今週第10位にランキングしている「サイラス」などと並んで、今年公開された映画の中では、大変、重要な作品として位置づけられており、年間BEST①映画の有力候補として、次回のアカデミー賞で複数部門にノミネートを果たすことが、今のところ、確実視されています…!!


ザ・キッズ・アー・オール・ライト予告編



お話としては、アネット・ベニングとジュリアン・ムーアが演じるレズビアンのカップルが人工授精でもうけた2人の子どもたちが成長し、両親が共に母ちゃんというのはいかがなものか?!と思い、精子を提供したドナーとして、生物学的には自分たちの父親となるマーク・ラファロのポールを見つけ出すことに…!!といった発端から、アネット・ベニングとジュリアン・ムーアの女同士の絆の間に、男性が割り込むことになり、現代的な新しいスタイルの家族が、さらに移り変わりを見せていく様が描かれていくことになります。


2人の子どものうち、18歳に成長して女子大生になり、家を出ることになったジョニを演じているのは、ワンダーランドのミア・ヴァシコウスカ。そのアリスの姉ちゃんに、父ちゃんを探そうと持ちかけ、行動を起こす弟のレーザーを演じているのは、残念ながら、新スパイダーマンに選ばれなかったジョシュ“テラビシアのダレン・シャン”ハッチャーソン。




なにッ?!、この人たち…?!、みんな天才?!と呆れてしまうほど、本作の主要キャスト5人の演技が上手すぎることがよくわかる場面をご覧下さい。
上 ↑ は、なぜ、カレッジを中退してしまったのか?!、経歴を聞かれたマーク・ラファロのポールが答える場面。
下 ↓ は、アネット・ベニングとジュリアン・ムーアのレズビアン・カップルが、ふたりの出会いのなれそめを語る場面。
単に食卓の会話をここまで魅力的に展開するのは難しいと思います…。



最終的には、どちらが主演で、どちらが助演?!という役どころの解釈が成されるのか?!はわかりませんが、ダブル・ママのアネット・ベニングとジュリアン・ムーアは、両者ともに各映画賞レースで女優賞の候補に上げられることは必至で、リサ・チョロデンコ監督自身は恐らく、オスカーのオリジナル脚本賞の候補として検討されることになるだろう…と考えられています。

中央がリサ・チョロデンコ監督。
これまで同性愛をテーマにした作品としては、ショーン・ペンが昨2009年にアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した「ミルク」(2008年)や、ヒース・レジャーとジェイク・ジレンホールが共演した「ブロークバック・マウンテン」(2005年)など、男同士の愛を描いたゲイの映画が目立っていましたが、「キッズ・アー・オール・ライト」の成功で、今後は女性同士のカップルを描いた作品も増えそうですね。なお、リサ・チョロデンコ監督は、女性たちの関係を描いたドラマシリーズ「Lの世界」のエピソードも演出しています。



この「キッズ・アー・オール・ライト」の映画の格付けサイト RottenTomatoes での評価の支持率は、93%で、70件書かれたレビューのうち、65件がこの映画を薦めています。配給のフォーカス・フィーチャーズは今後、スクリーン数を拡大していく予定ですから、いずれ本作はBEST10に顔を出すスマッシュヒットになるのではないでしょうか…!!



ランキングとしては、20位台の下の方ですが、ミュージカル・ドラマ「グリー」のヒットに便乗して?!、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョンが共演した青春ミュージカル映画の名作「グリース」(1978年)を、パラマウント映画が“一緒に歌おう!!、カラオケ・バージョン”で、12館の限定公開でリバイバル上映し、1館あたりで、「トイ・ストーリー3」のアベレージ成績=5,862ドルをしのぐ、約6,500ドルを売り上げる人気ぶりとなっています…!!
なので、そんな楽しいことを見過ごしておくわけにはいかないので、元祖「ハイスクール・ミュージカル」?!の「グリース」と言えば、この曲!!、ジョン・ファーラー作詞・作曲の懐かしい「愛のデュエット」(You're The One That I Want)を、CIAリーダーのみなさんもサンディとダニーのカップルと一緒に歌い、週の始まりを元気にスタートさせてください!!



John Travolta / Olivia Newton - You're the One That I Want

I got chills, they're multiplyin', and I'm losin' control
Cause the power you're supplyin', it's electrifyin'

You better shape up, cause I need a man,
and my heart is set on you
You better shape up, you better understand,
to my heart I must be true
Nothing left, nothing left for me to do

Chorus:
You're the one that I want
(you are the one I want), ooh ooh ooh, honey
The one that I want (you are the one I want),
ooh ooh ooh, honey
The one that I want (you are the one I want),
ooh ooh ooh, honey
The one I need (the one I need),
oh yes indeed (yes indeed)

If you're filled with affection,
You're too shy to convey
Meditate my direction, feel your way

I better shape up,
cause you need a man
I need a man,
Who can keep me satisfied
I better shape up, if I'm gonna prove
You better prove, that my fate is justified
Are you sure?
Yes I'm sure down deep inside

[chorus repeats out]



グリースカラオケ・バージョン TVスポット




さて、今週末の全米公開映画は…、まずは週の半ばの水曜日(14日)に、ニック・ケイジとジェイ・バルチェルが主演コンビをつとめるファンタジック・アドベンチャー「ソーサラーズ・アプレンティス/魔法使いの弟子」を、ディズニーがおよそ3,300館規模で全米公開!!
そして、今夏のサマームービーの真打ちであるクリス・ノーラン監督によるワーナー・ブラザースのSFアクション超大作「インセプション」が、通常の映画の初日=金曜日(16日)に3,700館以上の超拡大公開で、いよいよ登場します…!!
必見の「インセプション」の映画のクオリティの高さはすでに折り紙つきで保証されていますが、「メメント」(2000年)のクリス・ノーラン監督らしい、少し複雑な設定の世界観など、観客に理解を求めるレベルの高さが、一般の大衆ウケを得られるか?!が問題視され、興行的には苦戦の可能性も…。
もはや、その存在が冗談のように受け止められ、真面目に映画を観てもらえない大根役者のニック・ケイジとしては、そこに勝機を見い出せるか?!が、勝敗の分かれ目ですね(笑)。それでは次回のランキングもお楽しみに…!!




レオナルド・ディカプリオ、ケン・ワタナベ、エレン“JUNO”ペイジ、(500)日のジョセフ・ゴードン=レヴィット、トム“ブロンソン”ハーディ、マリオン“オッパイばっかり見ちゃダメ”コティヤールといった、実力派の俳優ばかり取り揃えすぎ!!のスゴイ「インセプション」は、日本でも今週末7月17日(土)から19日(月)の海の日まで3日間連続の先行上映の後、来週末23日(金)から全国で封切りです!!

パリでも発見された「インセプション」の世界をありのまま表現したインスタレーションの巨大屋外広告!!



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