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正義のヒーローがいてこそ初めて、悪の華も栄えることを、身にしみて理解する悪役が主人公のアニメです…!!





ドリームワークス・アニメが全米で大ヒット中の「ヒックとドラゴン」に続く、今週末の「シュレック・フォーエバー・アフター」の全米公開にあわせてリリースした、同社にとって今年2010年で3本めの作品となる「メガマインド」の新しい予告編です…!!
ベン・スティラーがプロデュースを手がけた、この「メガマインド」は、そもそもは「マスターマインド」という題名だったのが、「オーバーマインド」に変えられ、さらに変更されて、現在のタイトルに落ち着いたもので、昨2009年6月に初公開されたキャラクターを紹介したのを覚えている方もいるかもしれません。
「マダガスカル」シリーズのトム・マクグラス監督による本作は、先々月3月に45秒の短い予告編(↓ 一番下にアタッチ)を第1弾としてリリースしたのですが、それは主人公の悪役メガマインドのキャラクターを紹介する目的のもので、肝心のアニメの内容にはふれられていませんでした。
そして今回、ようやく本格的な予告編が初公開されたのですが…、その内容は、ドリームワークス・アニメがリリースしているオフィシャル・プロットとは異なる方向に、観る人をミスリードしてしまっています…。

上 ↑ の予告編をご覧になれば、誰でも、このドリームワークス・アニメ最新作は、ブラッド・ピットが声をつとめるメトロマンと、ウィル・フェレルの悪役メガマインドの対決をコミカルに描いたスーパーヒーロー・アニメだと思うはずです。
しかし、実際の物語は…、悪役のメガマインドが、宿敵のヒーロー、メトロマンを殺すのに成功し、これで邪魔者がいなくなった…!!と、せいせいするかと思いきや、ライバルがいなくなったことで張り合いをなくしたメガマインドは、悪役の自分の存在価値を見失ってしまうことに…。
そして、悩んだメガマインドは、なんとッ!!、自分の手でライバルを作り出そう!!と考え、新ヒーローのタイタンを誕生させてしまう!!、しかし、正義の味方なんかつまらないッ!!、悪いことをして、人を困らせる方がおもろいやんけ!!と考えたタイタンは悪の道に走り、世界を支配するどころか、この世を完全に崩壊させようとする…!!
果たして、誰が超極悪のタイタンを止めて、世界を救うことができるのか?!、メガマインドは、ついに自分が正義のヒーローとして立ち上がるハメになってしまった…!!


…というようなもので、実はジョナ・ヒルが声優をつとめているタイタンが悪役なの…?!みたいなストーリーは予告編からは一切、うかがい知ることができません。
ドリームワークス・アニメと、配給のパラマウント映画は、正義のヒーローが死んでしまう…!!というタブーのような展開を、プロットの重要なポイントと考え、ネタバレにならないように配慮したのかもしれませんが、しかし、これでは悪役が正義のヒーローに生まれ変わる!!という、本来の売りである逆転のテーマが何も伝わりませんし、この予告編を観た観客は当然、スーパースターのブラピのスーパーヒーローの活躍に期待し、コメディアンのウィル・フェレルの悪役は、その盛り上げ役にすぎない…と考えるでしょう。
ところが、実際は、「ランド・オブ・ザ・ロスト」(2009年)が大コケで、落ち目の領域に足を踏み込みつつあるウィル・フェレルの悪役が主人公だったことに、観客はこれは意外な展開だ!!とよろこぶか、それともガッカリするのか…?!
果たして、ナスビをひっくり返したような変テコな悪役の主人公に、観客は感情移入をしてくれるのでしょうか…?!


と言っても、まったく期待されていなかった「ヒックとドラゴン」が大傑作で、現時点で観客の支持を最も集めた2010年公開映画のBEST1になるとは、誰も想像できませんでした…。
ですから、このあまり評判のよくない「メガマインド」が失敗作とは、封が切られてみるまでわかりません…。
しかし、ドリームワークス・アニメはキャラクターデザインに問題を抱えていることは一目瞭然で、「ヒックとドラゴン」も、ドラゴンのデザインがもう少し工夫されていれば、客足はもっと早かったことはまちがいありません。
ドリームワークス・アニメのちょっと微妙な最新作「メガマインド」は、今秋11月5日から全米公開の予定です。






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