Guest Review : ロバート・ダウニー・Jrの天才と狂気の名探偵が母性本能をくすぐりやまない新解釈の痛快作「シャローック・ホームズ」!!-豆酢さん
by
Billy
2010年2月8日月曜日
今朝の全米映画ボックスオフィスBEST10でまだ第10位なのに、来月3月30日には早くも全米で DVD/Blu-ray がリリースされるロバート・ダウニー・Jr主演のガイ・リッチー監督最新作「シャローック・ホームズ」をパリで観てきた、CIAの常連リーダー、豆酢さんのレビューです…!! →
才能あふれる俳優でありながら、ドラッグ禍で身を持ち崩した苦労人ロバート・ダウニー・Jr。アメコミ大作「アイアンマン」で起死回生した彼がシャーロック・ホームズを演じるという、思い切ったキャスティングが話題の映画「シャーロック・ホームズ」をパリで観てきた。
大切な結論から先に書く。“これは従来のホームズものとは全く別個の映画として観るべし”ということだ。ホームズ作品の設定を借りたアメコミ風味のアクション映画。これがガイ・リッチー監督による今作、ということになる。これからこの映画をご覧になる方は、これを絶対に忘れないで欲しい(笑)。最初からそのつもりで観れば、なかなかどうして快適に楽しませてくれるエンターテインメント映画だと思う。しかし、コナン・ドイル原作のホームズ信者の方々にはやっぱりお勧めできない(笑)。
マドンナの呪縛からようやく開放されたガイ・リッチーの勘がどれぐらい戻っているか、正直心配だったのだが、徹頭徹尾スピーディーな演出で中盤のもたつきをたくみにカムフラージュしつつ、一気にクライマックスまで突っ走っていく。また、ピタゴラスイッチの“装置”を連想させるコミカルなアクションシーンの隙間に、フラッシュバックの要領でホームズお得意の“謎解き”も挿入される。これも、映画全体のスピードを落とさないよう工夫されているので、観る者の集中力を削ぐほどではない。
ホームズの宿敵モリアーティーは、今回、神秘主義者アレイスター・クロウリー、あるいは怪僧ラスプーチン風味に脚色されている。彼がロンドンを混乱に陥れるために引き起こすオカルトチックな事件を、ホームズが見事科学的に解明していくという次第。演じるのは、リッチー監督作品の常連マーク・ストロングだが、もう少しアクの強い俳優をキャスティングしても良かったかもしれない。
“謎の女”的役回りで、ホームズが唯一愛する女性であるアイリーン・アドラーが暗躍する。レイチェル・マクアダムスが扮しているのだが、ちと下品ないでたちでホームズと“狸と狐の化かし合い”を演じるので驚く。彼女も原作とは異なり、非常にアクティヴな存在になっている。
今回、ダウニー・Jrの演じるホームズは、天才であると同時に狂気の世界にも片足を突っ込んだ人物と描かれていて、完全な社会逸脱者。常識人の親友ワトソン医師に、常におんぶに抱っこの状態だ(笑)。対して、ジュード・ローの演じるワトソン医師は元軍医という設定で、常にレイピアと拳銃を持ち歩く武闘派。もちろん腕っぷしも強く、小柄なホームズがピンチの際には真っ先に駆けつける頼れる相棒である。従来のホームズものと違って、ワトソン医師の果たす役割が大きく増したのが今作の特徴だろう。従って、ホームズとワトソンの掛け合い漫才的やりとりを見所のひとつに挙げることができる。共に演技巧者であるダウニー・Jrとローの息の合ったバディ振りを楽しみたい。
ワトソン医師のアクションにも驚かされるが、ダウニー=ホームズも武闘派でケンカっ早い。マンガのようなコテコテのアクションの最中にも、いちいち薀蓄を垂れているところが笑える。ダウニー・Jrは完全に波に乗っている。ホームズという知的でエキセントリックなキャラクターに、若々しさと、母性本能をくすぐる、なんともいえないチャームを添えた。それが新解釈ホームズの最大の魅力である。 豆酢
★ロバート・ダウニー・Jrが母性本能をくすぐった結果として、ゴールデングローブ賞のコメディ・ミュージカル部門で最優秀主演男優賞に輝いた「シャーロック・ホームズ」は、日本では3月12日から全国ロードショー!!、豆酢さんのパーソナル・サイト「豆酢館」にも訪れてみてください…!!
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