************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************



撮影前に葬られ、幻の映画になった「スパイダーマン4」のポスター(↑)は、マニアの貴重なコレクターズ・アイテムになってしまいましたね…。




閲覧が有料化され、ちょっとフツーの映画ファンが読める代物ではなくなってしまった Variety を代表する看板記者のマイク・フレミングさんが、20年間も勤めてきた Variety に背を向け、たったひとりで Variety をそこまで追い込んだ…ッ!!と言われる、ライバルの敏腕映画ジャーナリスト、ニッキ・フィンケ女史のブログ、Deadline.com に移籍した…ッ!!という、映画ジャーナリズムの世界では驚天動地の出来事が、実は新年早々から起こっていたのですが、そのニッキ・フィンケ&マイク・フレミングの最強コンビによる最初の超スクープとなった、ソニー・ピクチャーズがサム・ライミ監督をクビにして、ドル箱の「スパイダーマン」シリーズをイチからやり直す決定を下したニュースについて、まとめてお伝えします。

昨日、偶然にも「スパイダーマン4」のトラブルについてまとめた記事を書き上げた途端、タイミングよく飛び込んできた、ソニー・ピクチャーズがポスターまで配布した「スパイダーマン4」のプロジェクトを完全にスクラップにして、イチからやり直すという大胆な決定ですが、UPDATEで記したように、サム・ライミ監督は解任されてしまい、ソニー・ピクチャーズの広報のパブリシスト、スティーヴ・エルザーさんが“スパイダーマンはトビー・マグワイアに決まっているだろーがッ!!”と、過去にブチ切れていたのにもかかわらず、そのトビー・マグワイアも、ソニー・ピクチャーズによって、役から降ろされてしまいました…。
トビー・マグワイアは思いもかけず、スパイダーマンをクビになった驚きの処遇について、“過去10年間の「スパイダーマン」シリーズで、ぼくたちが達成してきたことを、大変、誇りに思っています”と語り、“「スパイダーマン」の次なる章での新たな活躍に期待し、胸をはずませています…”とだけ、コメントを発表しました。


↑ トビー・マグワイアがコスチュームに袖を通すことはもうありません…。

さて、サム・ライミ監督の解任の理由ですが、それは昨日もお伝えしたように、ジョン・マルコヴィッチのハゲ頭に端を発する?!、「スパイダーマン4」の悪役にハゲタカ男のバルチャーを起用するか、どうか?!という内容をめぐる問題以外に(サム・ライミ監督は以前、ヴァンパイアのモービウスを使いたいと言っていたのに…)、ロサンゼルス・タイムズの取材によれば、製作費をめぐる意見の対立も、ソニピとサム・ライミ監督との間で火花が散っていたようです。
ソニー・ピクチャーズ側が、「スパイダーマン4」を約2億3,000万ドルの製作費で仕上げたいのに対し、サム・ライミ監督は、その金額では、自分のビジョンを実現するのに不充分だ…とゴネ、さらに多くの予算をソニーに求めていた…と伝えられています。
「スパイダーマン」シリーズが大ヒット映画なのは、ご承知の通りですが、その大成功により、サム・ライミ監督のギャラや、主演のトビー・マグワイア、恋人MJ役のキルスティン・ダンストらの出演料が高騰し、シリーズ最終作となってしまった「スパイダーマン3」(2007年)では、巷で言われている約2億5,800万ドル以上の約3億ドルに近い莫大な製作費を、ソニー・ピクチャーズは実のところ、支出するハメになっていたそうで、そのあまりにも高すぎる製作費のリスクを、今後もサム・ライミ監督では抑制することができない…とソニピは考え、コスト削減のため、スタッフ・キャストを一新する、いわば、リストラの手段を選んだようです。


↑ 「スパイダーマン3」のトファー・グレイスのヴェノムの描き方をまちがったのも、
サム・ライミ監督が解任につながる致命傷となりました…。

で、とても気になる一方、えぇ~?!、ピーター・パーカーがクモに噛まれて、プロレスに出て、ベンおじさんが死ぬのを、また最初から観なきゃなんねぇのかよ~ッ?!と、ちょっとうんざりしてしまいそうな、イチからやり直す新シリーズ第1作めの「新・スパイダーマン」についてですが、驚くべきことに、すでに脚本はほぼ仕上がりつつあるようです…ッ!!
サム・ライミ監督が苦悩しながら「スパイダーマン4」の準備を進める裏で、その「新・スパイダーマン」の脚本をこっそりと?!、筆を走らせていたのは、「ゾディアック」(2007年)のシナリオを執筆した脚本家のジェームズ・ヴァンダービルトです。と、その名を聞けば、「スパイダーマン」のニュースを一緒に追いかけてくれていた愛読者の方は、これですべての腑に落ちない点がつながった…ッ!!と納得して、むしろ、合点がいくのでは…?!
そう、ジェームズ・ヴァンダービルトと言えば、「スパイダーマン3」の大失敗(内容に納得していないファンからの大ブーイングと、前述のように製作費が高すぎて、儲かっていない…)の責任のなすりつけ合いで、いったんはソニー・ピクチャーズと袂をわかち、以後のシリーズでは、恐らく名目上だけのプロデューサーにとどまることになったサム・ライミ監督が、公けの映画サイトを通じて、ソニーとファンに謝罪し、自分を「スパイダーマン」の監督に戻してほしい…と嘆願するキャンペーンを行うキッカケとなった、謎の“「スパイダーマン」の素晴らしいシナリオ”を書いていた人ですね…!!
ところが、そのサム・ライミ監督が“これは絶対にすごい「スパイダーマン」映画になる…ッ!!”と絶賛していたはずのジェームズ・ヴァンダービルトのシナリオが、その後、なぜか?!、ピューリッツァ賞劇作家のデヴィッド・リンゼイ=アベアーによって書き直されることになって、その挙げ句、プロジェクトが行き詰まり、頓挫してしまったわけで…、この辺りの流れが「スパイダーマン4」が製作中止にいたる過程で、最も不透明で、謎めいている部分だと言えます。
そこを単純に結果から憶測すると、もしかすると、ソニー・ピクチャーズはジェームズ・ヴァンダービルトの脚本(2部作の前後編で、キルスティン・ダンストが過去のインタビューでほのめかしたところによれば、恋人のMJが死ぬストーリー?!)を温存し、デヴィッド・リンゼイ=アベアーに、サム・ライミ監督がメガホンをとる「スパイダーマン4」のシナリオを新たに書かせたのでは…?!、でなければ、「スパイダーマン4」がスクラップになって、サム・ライミ監督とメイン・キャストが更迭されたのに、ジェームズ・ヴァンダービルトだけがプロジェクトに生き残れたつじつまがあいません…!!

この注目を集めるジェームズ・ヴァンダービルト作の「新・スパイダーマン」について、エンタテインメト・ウイークリーのニコール・スパーリング記者は、主人公のピーター・パーカーは高校生の設定に戻り、ティーンエイジャーとして、現代的な問題に立ち向かうことになる…と、ソニー・ピクチャーズが発表したプレス・リリース通りのことをレポートしていますが、それに加えて、新しい「スパイダーマン」映画のイメージを、似た映画として「バットマン・ビギンズ」(2005年)を例にあげ、“荒削りな迫力の現代的ヒーローの映画”といった風に描写しています。
また、「スパイダーマン」がライフワークだったはずのサム・ライミ監督に代わり、新たな「スパイダーマン」の監督候補として、先週末から日本で公開が始まった「(500)日のサマー」の新鋭マーク・ウェブ監督に、ソニー・ピクチャーズがすでに絞り込んでいることや、かねてよりヒーロー映画に関心を示していた、爆発のマエストロ=マイケル・ベイ監督の可能性も示唆しています。
ただし、マイケル・ベイ監督については、は今年5月から「トランスフォーマー3」の撮影に入るので、スケジュール的に言って、2012年公開を目指す「新・スパイダーマン」の準備を、「トランスフォーマー3」と同時進行させ、休みなく大作映画を作り続けるのは難しいのではないでしょうか…?!

そして、サム・ライミ監督が「スパイダーマン4」に、ハゲタカ男のバルチャーを登場させる…!!というスクープをスッパ抜いた MOVIELINE は、トビー・マグワイアに代わる新たなピーター・パーカーの候補として、「ハイスクール・ミュージカル」シリーズのザック・エフロンや、ウルトラ・バイオレンス映画「キック・アス」(4月全米公開)で、すでにコミック・ヒーローを演じているアーロン・ジョンソンのほか、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」が、来月2月26日(金)から日本公開のローガン・ラーマンらの名前を“可能性のある俳優”として挙げるなど、早くも「新・スパイダーマン」をめぐる憶測が交錯を見せ始めています。
「スーパーマン・リターンズ」(2006年)の新スーパーマン=ブランドン・ラウスは、前作の「スーパーマン4/最強の敵」(1987年)から、約19年が経過し、みんなから愛されたスーパーマンのクリストファー・リーヴがすでに亡くなっていたことで、すんなりとその後がまにつくことができましたが、トビー・マグワイアは現在もスパイダーマンAKAピーター・パーカーのイメージのまま健在で、その印象がファンには強く残っているので、誰が演じるにしても、新スパイダーマンに抜擢された若い俳優が、かなり苦労するのは火を見るより明らかでしょう…。

振り返れば、おととし2008年10月のMTVのインタビューで、「スパイダーマン4」について聞かれたサム・ライミ監督が、なぜ?!、歯切れが悪かったのか?!、すでに読んだはずのジェームズ・ヴァンダービルトの脚本の存在を無視して、なぜ?!、“まだソニーから脚本を受け取っていない…”などと、矛盾することを言ったのか?!、もしかすると、あの時すでにサム・ライミ監督の「スパイダーマン」は終わりを迎えつつあったのかもしれません…。
ソニー・ピクチャーズはファンの声を無視して、「スパイダーマン3」の失敗に目をつぶっていたようなフリをしながら、実はとっくにハナから、サム・ライミ監督を信用していなかったようですね…。
ただし、だからと言って、ソニーが「スパイダーマン」ファンの意にそう映画を作ろうとするか…?!となれば、それもまた微妙で、ソニー・ピクチャーズが「スパイダーマン」のやり直しを決め、ピーター・パーカーを高校生に戻した魂胆の裏には、「トワイライト・サーガ」の大ヒットの影響がある…といった見方も言われています。もし、本当にソニーがそんなことを意図しているならば、クモ男の恋愛メロドラマなんて、誰も観たくありません…ッ!!


↑ サム・ライミ監督は、こんな名シーンを演出してくれましたが…。

最後に…、ソニー・ピクチャーズに面目をつぶされたうえ、失業してしまったサム・ライミ監督ですが、どうやら、昨2009年の秋にお伝えした、ワーナー/レジェンダリーが人気オンライン・ゲームを映画化する「ワールド・ウォークラフト」の監督に専念するものと見られ、、4~5年先?!と見込まれていた同映画の完成が、この「スパイダーマン4」の消滅により、2~3年先ぐらいに早まりそうな気配です。
サム・ライミ監督の「ワールド・ウォークラフト」VSマーク・ウェブ監督?!の「新・スパイダーマン」が、興行バトルの遺恨対決になれば、おもしろいですね…ッ!!

グチャグチャになってしまった腐れ縁?!を清算し、心機一転する「新・スパイダーマン」の進展をひとまず、見守っていこうと思いますが、それにしても、ソニー・ピクチャーズはチャリティのため、ネット・オークションの競売にかけた「スパイダーマン4」に出演するVIPの権利を落札した人には、どう説明するの…?!

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