************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************



今朝、お伝えしたように、全米でいきなり驚異的大ヒットのヴァンパイア恋愛映画「トワイライト/ニュームーン」(来週28日公開)ですが、元全米№1アイドルのマイリー・ハンナ・モンタナ・サイラスが「トワイライト」を否定するコメントを発し、ファンの間に波紋を呼んだかと思えば、人狼のテイラー・ロートナーとは家族ぐるみのつきあいで親しかったはずのセレナ・ゴメスちゃんまで、“「トワイライト」はちょっと…”と、一歩引いた態度を示しました…!!
そうしたアイドルたちが「トワイライト」と距離を置く背景には、もしかしたら、こうした事情も関係しているのでしょうか…?!
という訳で、映画諜報部員ビリーとは本人関係の佐々木さんが映画秘宝の依頼で、今春発行の別冊ムック「マーダー・ウォッチャー 殺人大パニック」に執筆した実録犯罪ルポ「全米が慄いた!!自称吸血鬼少年少女による実父殺人事件」を緊急掲載?!します…!!、すでに同書を買って読まれた方も、また、初めての方も“ヴァンパイア・ブーム”とは何なのか?!、ぜひ一度、お考えになってみてください…ッ!!、なお、記事本文が長いので、Part-ⅠPart-Ⅱの2つに分けて、アップします。 





19歳のアレックは1本めのナイフを奪い取られた時、2本めを用意してきてよかったと思ったのだろうか?、考える間はなかったろうが、彼は隠し持っていた、もう1本のナイフで47歳の造園業者ビリー・ブラック(写真→)の首や顔を何度も突き刺し、血の海に沈め絶命させた。そして、アレックはビリーの財布に入っていた、わずか30ドル(約3千円)ばかりの金を抜き取ると、空の財布や返り血を浴びた上着、凶器などを逃げる途中のゴミ箱に捨てたが、慌てていたせいか、1本のナイフはどこかに落としてしまった…。
以上は、昨2008年10月31日のハロウィンの早朝5時半頃に、アメリカ・メリーランド州ヘイガーズタウンのブラック家の裏庭に面した路上で起きた出来事だ。
アレックは金が欲しかったのではない。ビリーの15歳になる娘ダニエルを救いたい一心だった。なぜなら、アレックとダニエルは同じ吸血鬼同士だったからだ!!

と、いきなり“吸血鬼”と書かれても大方は首をかしげるはずだが、日本でも最近公開された全米大ヒットのヴァンパイア映画「トワイライト/初恋」をご覧になったり、アメリカでは「ハリー・ポッター」シリーズと並ぶベストセラーとなっている同映画の原作の小説シリーズを読んだ方は少し気味悪くなったかもしれない 。
ビリー・ブラックは「トワイライト」の中で、ヴァンパイアのエドワードと恋に落ちようとする少女ベラに、彼に近づいてはいけない…と警告を発する車椅子に乗った登場人物と同じ名前だ。
このいわくありげな殺人を担当した州検事補のジョン・ダンラップの言葉は事件の特殊性を端的に言い表している。

「善良な被害者が唯一、抱えていた問題は彼の娘が吸血鬼にかぶれ、同じ趣味の仲間と体を斬りつけあい、互いの血を飲むなど、ゴシック系のサブ・カルチャーのカルトにハマっていたことだ」

そして警察は、ビリーを殺害した実行犯アレック・イーガー(←写真)を事件発生から約2週間後の11月13日に第1級殺人罪で逮捕し、続けて12月10日にビリーの娘ダニエルを、アレックをそそのかし、父親を殺させた殺人教唆の疑いで拘束した。
亡きビリー・ブラック氏は「トワイライト」の作中人物同様、“吸血鬼”に警戒していたのだった… 。

地元のサウス・ヘイガーズタウン高校の1年生ダニエルは、事件が起きた10月にスクールバスの中で男子生徒に、父親を殺してくれと頼んでいる様子を同乗の生徒に盗み聞きされていた。警察はその情報から捜査し、実の娘が父親殺しの首謀者というショッキングな結末にたどり着いた。
スクールバスの男子は空振りだったが、代わりにアレックに父を殺させたダニエルは校内でも少し変わった存在として知られていた。
ゴシックに全身ドップリつかっていたダニエルは、いつも黒を基調としたクールなパンク・スタイルのゴシック・ファッションで身を固め、ゴシック仲間とグループを組んで、常に一緒に行動していた 。
先ほどのダンラップ検事補の発言にも出てきた、この“ゴシック”とは、“ゴス”と短縮して言われたりもするが、言葉本来の意味は中世の美術様式のことだ。
その中世の暗黒時代のイメージからインスパイアされた音楽やファッションなどが多方面にサブカル化し、耽美な幻想性が共通して特徴のそれらダークなカルチャー全般を指す総称のキーワードとなった。死人のようなメイクのマリリン・マンソンのロック音楽を耳にしたり、ほとんどコスプレのような過剰なひらひらの黒い洋服を着飾ったゴスロリの女の子たちを街で見かけたことがあるかもしれない。



そうしたゴシックにハマる人たちは個性的なファッションなどから見た目ですぐにわかる訳だが、彼らの本質は格好よりも、むしろ内面の精神性から耽美な世界に没頭するところにある。だからゴシックはカルト的と言われるのだが、そのゴシック・サブカルのジャンルのひとつに、この事件の主人公たちのような、いわゆるヴァン パイア・フリークがいて、吸血鬼崇拝にのめりこんでいる。
彼らの多くは、中世のゴシック時代を舞台に描かれた空想の吸血鬼たちが永遠に歳を重ねることなく、美しい姿を保ったまま暗黒の闇を支配する魔王としての設定に美学を見い出して魅了されているだけだが、中にはハードコアな者たちがいて、実際に吸血鬼の真似をして、お互いに仲間の血をすするといった不気味な行為の果て、 吸血で官能に達している。

体を斬りつけ出血させるのには、もちろん、それなりの危険が伴う。2007年2月14日のバレンタイン・デーにアリゾナ州で、23歳の女性ティファニー・サットン(写真→)は酒とドラッグで酩酊した状態で、46歳のロバート・マクダニエルとセックスにおよぶ最中、男の体を縛って拘束し、ナイフで肉を斬り裂き、血をすすろうとして殺してしまった。この事件は“ヴァンパイア殺人”として大きく報道されただけに、亡くなったビリーが自分の娘のヴァンパイアかぶれをさぞかし心配していたのは理解できる。

そんなヴァンパイア・フリークのダニエルと彼女の仲間たちを高校の生徒らは、「静かで周囲に迷惑をおよぼしてはいないが気味悪かった…」と語り、カルト集団といった趣で眺めていたが、19歳の実行犯アレックはそのグループの仲間ではなかった。でも、彼らと同じように吸血鬼にかぶれていたアレックは、ヴァンパイアと人間が共存するパラレル・ワールドを描いた人気ドラマ「トゥルーブラッド」(↓)のファンだったことから、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サイト)のマイスペースで、やはり、同ドラマのファンであるダニエルと知り合いになった…。



「自称吸血鬼少年少女による実父殺人事件」の原稿!!(Part-Ⅱ)に続く…。

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