************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


「ホット・ファズ」(2007年)のエドガー・ライト監督が人気コミックを映画化したロックンロール・ロマンチック・アクション・コメディ「スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド」の製作費を、ユニバーサル映画は約6,000万ドルと発表していますが、業界メディアのTHRは、そうではなくて、同映画の製作費はもっと高く、実際の金額は約8,000万ドル~9,000万ドルという、あと一歩で1億ドルに届きそうな巨額だ…と報じています。
その「スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド」に主演したマイケル・セラが、やはり、インディーズ・バンドのベーシストに扮したソニー・ピクチャーズ作品の音楽恋愛映画「ニックとノラの無限大プレイリスト」(2008年10月公開)のオープニング成績は約1,131万ドル(2,421館)で、先のランキング表でご覧いただいた「スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド」のオープニング成績=約1,052万ドル(2,818館)と、大して変わりません。
しかしながら、「ニックとノラの無限大プレイリスト」に、ソニーが費やした製作費は、1,000万ドルそこそこの小商いで、最終的に国内で約3,148万ドルを売り上げ、ペイしています。



マイケル・セラには、共に近代アメリカ映画の最高傑作の部類に入る「スーパーバッド」(2007年)=国内成績1億2,146万ドル、「JUNO/ジュノ」(2007年)=国内成績1億4,349万ドルという大ヒット作もありますが、今年2010年1月にワインスタインが封切った単独主演作の恋愛コメディ映画「ユース・イン・リボルト」(製作費1,800万ドル)は国内で約1,528万ドルしか稼げず、赤字になっていますし、「スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド」の公称の製作費=約6,000万ドルと、ほぼ同額の製作費をソニーが費やした、ジャック・ブラックとの共演作「イヤー・ワン」の国内売り上げは約4,333万ドルで、全世界でも約6,235万ドルしか稼げなかったことから、昨2009年夏の大沈没のムービーボムになってしまったことを覚えておいでの方も多いと思います。
つまり、以上を総合すれば、マイケル・セラの主演作は、「ニックとノラの無限大プレイリスト」を基準に考え、同映画と同等の規模で、軽く作っておくのが無難だ…ということになりますね。


それでも、前述のグレッグ・モットーラ監督作品「スーパーバッド」や、ジェイソン・ライトマン監督作品「JUNO/ジュノ」のような大ヒット作もあるわけですし、それぞれの映画の監督と同じように、才能に満ちた気鋭のエドガー・ライト監督がメガホンをとるのであれば、やはり、同じようなヒットになる可能性に期待し、ユニバーサル映画は、無難の枠を超え、巨額を投じても大丈夫だろう…と、ギャンブルに打って出たのかもしれません。
しかし、「スーパーバッド」はこれといってライバル作品のないタイミングを狙って、配給のソニーは封切りましたし、20世紀FOXの「JUNO/ジュノ」は小規模の限定公開から口コミで大動員につながった、思いがけない人気作でした。
そうした過去の実績を踏まえれば、集客力としては、オープニング成績でせいぜい、1,000万ドルかそこら稼ぐのが精一杯のマイケル・セラを、シルベスター・スタローンに、ジュリア・ロバーツというスーパースターにブツけて、勝ち目があるわけないのは明らかで、ユニバーサル映画の配給戦略はいったい、どうなっているのか?!と、ハナクソ丸めてる素人でも疑問に思い、もっと公開日をよく考えたほうがよかったんじゃないの?!、あんたら、単に自爆じゃん!!と、ツッコミを入れたくなってしまうでしょう。


ユニバーサル映画は今年にはいって、2月に、そもそもオクラ入り映画の「ウルフマン」(製作費1億5,000万ドル→国内成績6,197万ドル)を大沈没させ、翌3月は「グリーン・ゾーン」(製作費1億ドル→国内成績3,505万ドル)で大赤字、そして、5月に封切った「ロビン・フッド」(製作費2億ドル→国内成績1億525万ドル)も収益が上がりそうにないなど、ひたすら、失策をくり返しています。
よって、この夏、「インセプション」や、「トイ・ストーリー3」と並んで、高い評価を与えられている「スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド」が盛大にコケてしまったのは、エドガー・ライト監督の責任というよりは、プロデュースとセールスの仕方にそもそも問題を抱えてるらしいユニバーサル映画の落ち度と考えてみたほうがよく、この惨敗の結果をもってして、エドガー・ライト監督が今後、映画を作りにくくなったり、その経歴に傷がつく…というのは、まっとうな映画ファンの方は絶対に許せないのではないでしょうか…?!
そんな訳で、今日はちょっと時間がないので…、エドガー・ライト監督が失敗した…とカンタンには言えないんですよ、たぶん…、ユニバーサル映画がアホなんですよ…という、とても大事なことを、まずは最初に書いておきました。


エドガー・ライト監督やキャストのインタビューをまじえた、「スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド
プロモーション・トレイラー!!






Adult Swim が製作したスコット・ピルグリムVS.ザ・ワールドのショート・アニメ!!





ヌー・イメージ/ミレニアムが製作し、ライオンズゲートが配給するという、シルベスター・スタローン監督・主演の前作「ランボー/本当に最後なんだか、よくわからない戦場」(2008年)のパターンを踏襲したアクション・オールスター映画「エクスペンダブルズ」が、全米3,270館の約4,200スクリーンで売り上げたオープニング成績は約3,503万ドルで、見事に初登場第1位の勝利をモノにしました…!!
このオープニング成績=約3,503万ドルというのは、アクション映画のマエストロのシルベスター・スタローン監督にとって、最大のオープニング・ヒットであるばかりか、伝説的アクション・スターのシルベスター・スタローンにとっても、1970年のデビュー以来、40年間の自らのキャリアにおいて、史上最大のオープニング・ヒットとなっています…!!

前述のヌー・イメージ/ミレニアムとライオンズゲートが製作費に約5,000万ドルを費やした前作「ランボー/次はランボーが若返って、シリーズの振り出し戻るかもしれない戦場」のオープニング成績は約1,820万ドル(2,751館)でしたから、製作費を約8,200万ドルにアップした「エクスペンダブルズ」が、封切りでその倍近い金額を稼ぎ、「ランボー4」の国内成績=約4,275万ドルを超えるのは確実であることからすると、ジェイソン・ステイサムや、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ミッキー・ロークといったスターたちを勢ぞろいさせる拡大路線に打って出たスタローンの読みは正しかったことになります。

また、世界のスーパースターとして、国際的に知名度の高いスタローンは、前作「ランボー4」の最終的な売り上げ=約1億1,324万ドルの約6割強を、海外で稼いでいますから、同様に世界のスーパースターであるアーノルド・シュワルツェネッガーに、ブルース・ウィリスという親友たちのチョイ役出演の応援も得られた「エクスペンダブルズ」が今後、この北米での成功以上の成果を、海外であげることは充分に期待できそうです。




この「エクスペンダブルズ」に似た映画として、今春4月23日にワーナー・ブラザースが公開した「ザ・ルーザーズ」(製作費2,500万ドル)のオープニング成績はたったの約940万ドル(2,936館)で、今日においても約2,359万ドルしか稼げていませんし、また、20世紀FOXがサマーシーズンに入った6月11日に封切った「特攻野郎Aチーム」(製作費1億1,000万ドル)のオープニング成績は約2,566万ドル(3,535館)で、現在までの興行成績はおよそ7,664万ドルです。
さらに、実際のところ、かなり内容は違うものの、企画の当初に比較されていた、前年同時期に公開されたクエンティン・タランティーノ監督のヒット作「イングロリアス・バスターズ」(2009年8月21日公開/製作費7,000万ドル)のオープニング成績は約3,805万ドル(3,165館)で、最終的に国内で約1億2,054万ドルを売り上げています。

よって、以上のデータを踏まえると、「特攻野郎Aチーム」のオープニング成績をしのぎ、「イングロリアス・バスターズ」の同成績に迫った「エクスペンダブルズ」は、8,000万ドルから1億ドルを超える金額を、国内で稼げる見込みとなり、「イングロリアス・バスターズ」が全世界の総売上げ=約3億1,360万ドルのうち、「ランボー4」と同じく、その約6割を国外で売り上げた実績からすると、「エクスペンダブルズ」も、全世界で3億ドルを売り上げる規模のヒット作になるかもしれない…と、前述した海外市場で期待される成果を具体的に予測することが、ひとまず可能かもしれません。
となれば、スタローンの映画で、過去に全世界で3億ドルを売り上げた大ヒットと言うと、「ランボー2/怒りの脱出」(1985年)、「ロッキー4/炎の友情」(1985年)の2本だけですから、インフレ率により、数字の実際の価値は違うにしても、スタローンはまさに80年代の全盛期の勢いにカムバックしたようで、「ロッキー4」の宿敵ドルフ・ラングレンを「エクスペンダブルズ」の共演者に迎えたのは、実に縁起がよかった…!!と言えそうです。



配給のライオンズゲートの調べによれば、「エクスペンダブルズ」のオープニング興行の観客の約6割は男性で、全体のやはり、6割が25歳以上のアダルト層だったそうです。
なお、この「エクスペンダブルズ」への出演を断ったジャン=クロード・ヴァン・ダボーに、スタローンは最近また連絡をとったそうで、ほらな、「エクスペンダブルズ」に出れば、よかっただろ?!とスタローンがツッコんだところ、ヴァン・ダボーは“わかった、わかった…!!”と答えたそうなので、スタローンがすでにネタを用意しているらしい続編では、スタローンVSジャン=クロード・ヴァン・ダムのドリーム・マッチが観られるのかもしれません…?!
それではスタローンの早撃ちと、ジェイソン・ステイサムのナイフ投げのどちらが素早いのか?!、目をこらして、よくご覧になり、判定してください…!!





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