トム・クルーズはもう映画スターじゃない…という結論がハッキリと出て、「トイ・ストーリー3」がピクサー史上最高の2週めの大ヒットを記録した6月最後の興行レポート!!
by
Billy
2010年6月28日月曜日
「ヒックとドラゴン」(8月7日公開)から、2010年公開映画の暫定BEST1の王座を奪い取り、2週連続の第1位を達成した「トイ・ストーリー3」の売り上げ=約5,900万ドルは、拡大公開の2週めの興行成績として、「Mr.インクレディブル」(2004年)が記録した約5,025万ドルをしのぐ、ピクサーアニメ史上最高の2週めの大ヒットであり、封切りから9日めで、トータルの興行収入が2億ドルを突破したのは、ディズニー作品として、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006年)が8日間で約2億1,456万ドルを売り上げたのに続く、第2位のスピード記録であると同時に、過去の全映画を含めた歴代の記録としては第8位にランキングする、目ざましい特大ヒットです…!!
そのように小さなおもちゃたちが、この週末もまた大きな活躍をしてくれたのにも関わらず、絶滅危惧種の“映画スター”の生き残りトム・クルーズが本当に最後の映画スターになってしまった「ナイト&デイ」の沈没のおかげで、映画興行全体は先週の前回(18日~20日)からは約18%のマイナス売り上げで、前年同時期からも約2割のマイナス実績という、「カラテ・キッド」から「トイ・ストーリー3」への大ヒット・リレーで勢いを取り戻した活気の好調ムードにまたブレーキがかかってしまいました…!!
★ソニー・ピクチャーズが全米3,534館の約5,100スクリーンで封切ったチーム・アダム・サンドラー全員集合のオヤジのコメディ映画「グロウナップス」のオープニング成績は約4,100万ドルという申し分ない数字で、初登場第2位に着け、アダム・サンドラーは昨2009年夏の少しシリアスだったコメディ映画「ファニーピープル」での失敗(オープニング成績=2,265万ドル/国内成績=5,185万ドル)を挽回し、2年前の2008年のサマームービーだった「エージェント・ゾーハン」のオープニング成績=約3,853万ドルを更新して、自らのキャリアで最高のスタートダッシュを切ることに成功しました…!!
この「グロウナップス」の成功の秘訣は、先週の興行レポートでも記したように、アダム・サンドラーがこれまでの作品で組んできた常連のコメディアンたちを全員集合させたアンサンブル・キャストにあり、それが映画の見どころになると同時に、各々のコメディアンが個別に出演するテレビやイベントで、本作を幅広く宣伝するなどプロモーション効果を膨らませる役割も果たしたようです。
中学時代にバスケットボール部で一緒に活躍したチームメイトが、当時のコーチの死をキッカケに、約30年ぶりに再会する「グロウナップス」で、アダム・サンドラーが演じている主人公のレニーは、ハリウッドで名うてのエージェントで、ファッション・デザイナーの妻ロクサーヌは、「ダレン・シャン」(2009年)のヒゲ女、サルマ・ハエック。
そのデブの巨体に見合う大きな貢献を、この映画のヒットに果たしていると思われる人気のポール・ブラートAKAケヴィン・ジェームズが扮するエリックは家具販売店のマネージャーで、「イエロー・ハンカチーフ」(公開中)のマリア・ベロが演じる妻のサリーは、息子が4歳だというのに、まだおっぱいを与え続けている…!!
クリス・ロックが演じるカートはお料理番組が大好きな主夫で、妻のディアンは、「50回目のファースト・キス」(2004年)に出演していたコメディエンヌのマヤ・ルドルフ。
ロブ・シュナイダーが演じるロブは、自分より倍も年上の70代の女性グロリアと結婚していて、そのグロリアを演じている女優は、本作を監督したデニス・デューガンの元妻であり、ジョージ・クルーニーの義理のお母さん(娘のタリア・バルサムがジョージ・クルーニーの元妻)だったこともあるジョイス・ヴァン・パタン。
そして、かつての親友たちがみな家庭を持ったのに、デヴィッド・スペードのマーカスは独身を続け、今だにガキのようにエッチなことに目がない…。
…といった風に、大人になって、それぞれ異なる境遇に置かれている、少年時代に親友同士だったオヤジたちが、互いの家族を連れて、独立記念日の週末を一緒に過ごすことになるのですが…。
前述のように、チーム・アダム・サンドラー全員集合の効果でヒットしている本作ですが、映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は、わずか10%です…。
コメディ映画は、コメディ映画として当然、その内容がふざけていることから、レビューで高評価を得るのは稀れで、 RottenTomatoes の支持率は不当に低くなるのですが、そうした事情を省みなくても、実際のところ、「グロウナップス」はそれほどおもしろくはない…との評判です…。
サルマ・ハエックが演じるアダム・サンドラーの妻のロクサーヌが、打ち解けて遊ぶ子どもたちのいい雰囲気を台なしにしてみせる場面…!!
ソニー・ピクチャーズの出口調査によれば、「グロウナップス」のオープニング興行の観客の約半数が女性で、やはり、半数が25歳以下の若年層だったそうです。
映画の登場人物たちと同世代のオヤジの方々には、関心を持ってもらえなかったのでしょうか…?!
★先週末の金曜日(25日)に、ガッカリの初日レポートをお伝えした、トム・クルーズとキャメロン・ディアスが「バニラスカイ」(2001年)以来の再共演を果たした、20世紀FOX製作・配給のアクション・コメディのロマンチック・ムービー「ナイト&デイ」のオープニング成績は、これがサマームービーのオープニング成績??、ふざけてるのか…?!とツッコミたくなるようなサイテーの約2,050万ドルで、水曜日(23日)に封切られた本作の5日間の売り上げをトータルしても、約2,778万ドルにしかならず、同じ新作映画のチーム・アダム・サンドラー大集合映画「グロウナップス」に大差をつけられ、かろうじて初登場第3位に着けることができた…といった不甲斐なさです…。
似たような内容のタイブの映画として、ライバル視され、先に封切られた今週第9位のアシュトン・カッチャーとキャサリン・ハイグルが共演の「キラーズ」のひどいオープニング成績=約1,583万ドル(2,859館)を、トム・クルーズは何とか、しのいで、面目を保つことができましたが、やはり、似たような映画として、今春3月に公開されたジェラルド・バトラーとジェニファー・アニストンの「バウンティ・ハンター」のオープニング成績=約2,068万ドルには、わずかですが負けてしまったうえ、「バウンティ・ハンター」の製作費が約4,000万ドルだったのに対して、「ナイト&デイ」の推定製作費が、その3倍の約1億2,500万ドルであることを踏まえると、トム・クルーズの惨敗は言い逃れようがありません…。
4年前の2006年5月に封切られた「ミッション・インポッシブル3」(製作費1億5,000万ドル)のオープニング成績は約4,774万ドル(4,054館)で、1館あたりに置き換えると、約1万1,776ドルを稼いでいたのに、「ナイト&デイ」のアベレージは約6,617万ドルですから、ジャンピング・カウチ事件などでパラマウント映画から契約解除された後、新世紀の神のトム・クルーズが映画スターとしてはどれほど神通力を失ってしまったか…、「ナイト&デイ」の沈没はまた、それを裏付ける証拠になってしまいました…。
なお、トム・クルーズとキャメロン・ディアスが共演した前述の「バニラスカイ」(2001年12月公開/製作費6,800万ドル)のオープニング成績は約2,501万ドル(2,742館)で、ヒトラー暗殺は絶対に失敗する…というオチのネタバレを、なんとッ!!、全世界の人が映画を観る前に知っていたなんて、まるで予想ができなかった?!戦争スリラーの失敗作「ヴァルキュリー」(2008年12月公開)のオープニング成績は約2,102万ドル(2,711館)でした…。
来月7月23日全米公開のスパイ・スリラー「ソルト」の主演を、トム・クルーズからアンジェリーナ・ジョリーにスイッチして、主人公を性転換したソニー・ピクチャーズの判断はひとまず正解で、20世紀FOXが貧乏クジを引くことになった…と言われそうな「ナイト&デイ」の結果ですが、トム・クルーズがもう完全に映画スターではなく、集客力など期待できない“過去の人”とハッキリした事実を受け、シリーズ最新作「ミッション・インポッシブル4」の製作を予定しているパラマウント映画が、今後、どのような判断を下すのか?!、映画ファンと業界の注目は、その点に集まりそうです。
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(2008年)のカメオ出演で演じた、ハゲ・デブ・チビのサイテー親父の強欲な映画プロデューサー、レス・グロスマンに扮して、MTVムービー・アワードで、落ち目のジェニファー・ロペスとお互い“過去の人”としてダンスを踊ってみせたトム・クルーズですが、ただ自分を笑いものとしてさらし、経歴にドロを塗っただけになってしまいましたね…。
それにしても、パラマウント映画は、本当にレス・グロスマンのスピンオフ映画を作る気なんでしょうか…?!、不人気の過去の人がハゲ・デブ・チビのオヤジに扮装した映画を誰が観たい…??
エア・タイム…!!
エア・タイムとは、こういう ↓ことです…!!
20世紀FOXの発表によれば、「ナイト&デイ」の少ない観客の性別比は男女がほぼ同等の半々で、全体の半分より少し多い25歳以上のアダルト層が約56%を占めていたそうです。
トム・クルーズの過去の栄光を知っているファンが来てくれた…ということなのかもしれません。
★さて、いよいよ夏も本番を迎える7月に突入する、この週末は、日曜日の7月4日が独立記念日の祝日のため、その振り替えとして翌5日の月曜日もお休みになるロングウイークエンドです…!!
そんな集客を狙える好機に公開される新作映画のまず1本めは、先週の木曜日(24日)にロサンゼルスのノキアシアターで行われたプレミア上映のイベント入場を待つファンの人たちが3日前の月曜日早朝からテントを張り、トワイライト村(↓動画)ができてしまった大ヒット青春三角関係シリーズの最新作「トワイライト・サーガ/エクリプス」を、サミット・エンタテインメントが水曜日の6月30日から全米4,000館以上で、超々拡大公開…!!
オンラインで映画のチケットを販売する Fandango と、MovieTickets.com の両方で連日、その日の売り上げの約50%を占め、2週連続週第1位の「トイ・ストーリー3」や、サプライズ・ヒットの人気映画「カラテ・キッド」も寄せつけない、今年2010年公開映画の前売りセールス第1位のシリーズ第3章「エクリプス」が、爆発的な観客動員を記録するのは必至で、独立記念日をからめた週末のオープニング成績として現在第1位の「スパイダーマン2」(2004年6月30日公開)の記録=約8,815万ドル(4,152館)の更新が大いに期待されます。
また、水曜日が初日の映画としては、「トランスフォーマー2/リベンジ・オブ・ザ・フォールン」が、昨2009年6月24日に記録した約6,201万ドルが最高額ですが、「トワイライト」は、そのオートボットたちの大記録も書き変えてしまうことになるんでしょうか…?!
なお、Fandango の調べによれば、「トワイライト・サーガ/エクリプス」の前売り券を買っている人の年齢層は…、
24歳以下…33%
25歳~34歳…34%
35歳~49歳…27%
…とのことで、ちまたでは「トワイライト」はティーンの間のブームと思われがちですが、実は幅広い世代が支持していることにより、大ヒットが実現されていることが、よくわかります。
片方の腕を出したミニスカートのエリー・サーブで、プレミア上映に現われたベラ・スワンAKAクリステン・スチュワートの後ろは ↓ こうなっています…!!、クリックで拡大し、舐めるように眺めてください…!!
上 ↑ は女優のダコタ・ファニングで、下 ↓ は素のダコタ・ファニング…!!、ファンの方は、どっちのダコタ・ファニングがお好みでしょう…?!、ちなみに、ダコタ・ファニングのドレスも、エリー・サーブです!!
ロサンゼルス・タイムズの取材によれば、映画を作る費用だけに約1億5,000万ドルが費やされ、さらに宣伝マーケティングの費用として、約1億3,000万ドルが投入されたことから、すべて合わせた総製作費が巨額の約2億8,000万ドルにものぼる、人気アニメの実写3D映画化「ザ・ラスト・エアベンダー/伝説の少年アン」を、パラマウント映画が、「トワイライト・サーガ/エクリプス」の封切られた翌日7月1日の木曜日に、全米3,000館規模の拡大公開でリリースします!!
前作のホラー・コメディ「ハプニング」(2008年)で、国内において約6,450万ドルしか稼げなかった現代のエド・ウッドのM・ナイト・シャマラン監督に、パラマウント映画はそんな莫大なお金を託して大丈夫なのか…?!と心配してしまいそうですが、そのバカ映画「ハプニング」にしても、製作費の約4,800万ドルに対して、全世界では1億6,340万ドルを売り上げるなど、シャマラン監督の知名度が国際的に定着しているのに加え、オリジナルのニコロデオンのアニメ「アバター/伝説の少年アン」の人気が周知しており、フィギュアなどおもちゃの関連商品の売り上げが見込める点、また、トリロジーの第1作めとして、後に続く開発費も含まれているに違いないことなどから、パラマウント映画の親会社のバイアコムは、巨額投資が最終的にはペイすると見込んでいるようです。
先に公開された「カラテ・キッド」が思いがけず大ヒットして、再びマーシャルアーツ映画が注目され、同映画と同じように少年が闘う「ザ・ラスト・エアベンダー」には有利な追い風が吹いているわけですが、下手すれば年間最大ヒット作になりかねない「トワイライト・サーガ/エクリプス」とのバッティングはきびしく、ヴァンパイアと狼男の決戦にどこまで抵抗できるか?!、伝説の少年の健闘が期待されます。
それでは、M・ナイト・シャマラン監督が、これまでの数々の汚名をぬぐいされそうな好評価の気配が濃厚の最新作「ザ・ラスト・エアベンダー」から、ニコラ・ペルツが演じる戦うヒロインの少女カタラと、「スラムドッグ・ミリオネア」(2008年)のデヴ・パテルの火の国の王子ズーコによるファイアーVSウォーターのバトル・シーンをチラッと、ご覧ください…!!、ともするとバカバカしい対決のシーンが、そう観えないあたりに、シャマラン監督は自己陶酔でも、やっぱり、映画を作ること自体は上手だ…という才能がうかがえます。次回のランキングもお楽しみに…!!
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