プレスリリースで声明を発表したサミット・エンタテインメントの製作部門代表エリク・ファイグ氏は、シリーズ最終章を映画化する監督に求められる資質として、“優雅な上品さ”と“知性”をあげていますが、実際に求められているのは、“エロ”と“グロ”です…！！


見出しのタイトルで、あえて、監督デビュー作を選び、“「地獄のシスター」(1987年)の…”と書いてみたように、かつてはホラー映画の「キャンディマン2」(1995年)を作ったり、カルト映画の「ゴッド・アンド・モンスター」(1998年)を発表したキャリアを踏まえれば、けして間違いではないものの、脚本を担当した「シカゴ」(2002年)や、監督としての名声を決定的にした「ドリームガールズ」(2006年)といった、近年のミュージカル志向からすると、今ひとつ、どうして、この人なのか…？！がピンとこないビル・コンドンが、「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン」(The Twilight Saga: Breaking Dawn)の監督に正式決定した…！！と、アメリカでは今日となる4月28日付けで、同シリーズを製作するサミット・エンタテインメントがプレスリリースを発行しました…！！

自分を吸血鬼だと信じ込んでいる白塗りピエロと女子高生、そして、狼男の三角関係を描くメロドラマ・シリーズの最終章の原作は、ネタバレになるので、あらすじは書きませんが、冷静に内容をとらえると、“エロ”、“グロ”、“ペド”の変態小説であることから、デヴィッド・クローネンバーグ監督や、あるいは、三池崇史監督のような適任者の逸材がメガホンをとることが、ジャンル映画のマニアからは望まれていました。
しかし、冒頭に記したように、プロデューサーのエリク・ファイグは、“エロ”や、“グロ”とは正反対の“優雅”、“知性”を「ブレイキング・ドーン」に求めているようなので、結局、最後の最後まで、「トワイライト」シリーズはカン違いのまま、ジャンル映画マニアの期待をとことん裏切ってくれることになりそうですね…！！
なお、前後編の2部作になると考えられている「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン」ですが、エンタテインメント・ウィークリーが調べた最新情報によれば、白塗りメイクで主人公の道化師を演じているロブ・パティンソンや、クリステン・スチュワートら主要キャストが、そのシリーズ第5作めとなる後編の出演契約を済ませていない…とのことで、サミット・エンタテインメントが「ブレイキング・ドーン」を2部作にするには、シリーズの大ヒットにともない値上がり続ける主演俳優らに、追加で映画1本分の出演料を別に支払わなければならないので、果たして、それが得策か…？！、ギャラ交渉の進展次第によっては、「ブレイキング・ドーン」は前後編ではなく、1本の映画にまとまってしまうかもしれないそうです。


…と、早々とシリーズ完結の話題で盛り上がってしまっている「トワイライト」ですが、シリーズ第3弾「トワイライト・サーガ/エクリプス(又はイクリプス)」(The Twilight Saga: Eclipse)は、今夏のサマームービーとして、6月30日から全米公開で、まだ終わってはいません…！！
下 ↓ は、ダコタ・ファニングが先週末に、オプラ・ウィンフリー・ショーでプレミア公開してくれた、その「エクリプス」の最新版予告編です…！！



このちょっと、ピエロと女子高生の恋愛メロドラマらしからぬ、吸血鬼と人狼が軍団対決で雌雄を決するアクション映画志向の「エクリプス」の仕上がりに不満のサミットが、メガホンをとったデヴィッド・スレイド監督ではなく、前作「ニュームーン」(2009年)のクリス・ワイツ監督か、そもそもシリーズを立ち上げたキャサリン・ハードウィック監督を呼んで、撮り直しをさせるのではないか…？！といったウワサがありましたが、どうやら、それは単によくある追加撮影で、デヴィッド・スレイド監督が自分で行い、サミットとの間に大きな軋轢はなかったようです。
「トワイライト」がとにかく大キライのデヴィッド・スレイド監督が、サミットと大ゲンカして恋愛メロドラマを破壊し、ダークなホラー映画に作り変える内部テロ？！を期待していたジャンル映画マニアの方は肩透かしを食らってしまいましたね…！！

≪関連記事≫
「トワイライト・サーガ」の最終章「ブレイキング・ドーン」の監督は、「ミルク」のガス・ヴァン・サント！！、もしくは、ソフィア・コッポラかも？！、いや、あるいはビル・コンドン？！(10.3.17)



【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと！！