************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


古典的な有名ファンタジーの童話を、ティム・バートン監督があらためて映画化した「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年)がビリオンダラー・ヒットになったことから、その後に続け!!とばかりに、「オズの魔法使い」のリメイクやらプリクエールやらの企画が氾濫し始めたのと同様に、ジェームス・マシュー・バリー原作の「ピーター・パン」を新解釈した映画化の企画も、ピーター・パンとフック船長は本当は兄弟だった…!!という、お粗末なほどベタな発想の「パン」を、ソニー・ピクチャーズがチャニング・テイタム主演で臆面もなく進め、世間から嘲笑されているほか、ディズニーも「ピーター・パンとスターキャッチャーズ」というプロジェクトを進めるなど、複数の企画が競合していますが、この「パン」は、同じ「ピーター・パン」を題材にしながら、まったく一線を画した作品として、ライバル映画に見なされることはなさそうです…!!





映画サイト ScreenDaily のライター、ジェレミー・ケイが伝えてくれたニュースによれば、アーロン・エックハート主演のスパイ・スリラー映画「ジ・エクスパトリエイト」を現在、ベルギーで撮影中のプロダクション、エセンシャル・エンタテインメントが、引き続きアーロン・エックハートを主演に迎えて製作するアクション・スリラー「パン」の共演者として、片腕サーファーの奇跡の感動実話の映画化「ソウル・サーファー」が全米でスマッシュヒットになった、大人気のアナソフィア・ロブちゃんと、先月4月から HBO で放送が始まったテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」が評判のショーン・ビーン(「ロード・オブ・ザ・リング」2001年)が決定した…!!とのことです。

「ピーター・パン」が題材の下敷きと言っても、まったくファンタジーではない、ダークな現実世界を舞台とする「パン」は、無名の新人脚本家ベンジャミン・マギッドのオリジナル・シナリオを映画化するもので、この企画はそもそもは…、現在ではワーナー・ブラザースに吸収されて、同社の一部となったニュー・ライン・シネマが2006年ごろに、ギレルモ・デル・トロ監督のメガホンで実現を目指していたプロジェクトです。
それが5年間のうちに巡りめぐって、エセンシャル・エンタテインメントに流れ着き、ギレルモ・デル・トロ監督に代わって、アニメーターのベン・ヒボンがメガホンを託され、映画監督デビューを果たすのですが、先々月3月に「サッカーパンチ」のアニメ版予告編を紹介した際にも記したように、ベン・ヒボンはモード学園のCMを作っていた人ですね。

カンヌ国際映画祭の時期となると、営業告知が目立ってしまいますが、本日5月11日(水)から開催の同映画祭で、配給権などのプリセールスが展開されるので、バイヤーの方は要検討の「パン」は、今秋10月に東ヨーロッパでクランクインの予定だそうで、公開は来年2012年中を目指しているようです。


で、さて、肝心の「パン」のお話の内容ですが、アーロン・エックハートの演じる主人公はピーター・パンではなく、宿敵のフックの方を名乗っており、その役どころは現実が舞台ですから、もちろん海賊の船長ではなくて、誘拐犯のピーター・パンを追うことにとり憑かれ、自分を消耗させている元刑事だそうです。アナソフィア・ロブちゃんの演じるウェンディは、ピーター・パンに誘拐されながら、生きて戻ることが出来た唯一の生還者の少女で、事件のショックからか?!、こころの病院に入っていたものの、アーロン・エックハートのピーター・パン追跡に協力し、捜査に加わることになるようです。ショーン・ビーンのキャラクターはスミーで…と言えば、「ピーター・パン」に詳しい方はすぐ察しがつくように、スミーはフックの右腕の部下ですから、ショーン・ビーンは現役の刑事として、フックの捜査に理解を示してくれる、警察内部でただ一人の協力者となってくれるそうです。

…と、以上のように、本作の役の設定を書き並べれば、単に「ピーター・パン」の登場人物の名前を拝借してるだけで、そのネーミングさえ取り除いてしまえば、ごく当たり前の誘拐をテーマにしたスリラー映画のようにしか聞こえませんから、いったい、この物語のどこが「ピーター・パン」なのか?!という関連性の落とし所となる、ひねりの部分が注目されることになりますね。
現実を舞台としたダークな誘拐スリラーの犯罪劇と、それとかけ離れたファンタジーの「ピーター・パン」の世界とを、1本の映画の中で両立させるというのは、スペイン内戦とファンタジーの王国をミックスした「パンズ・ラビリンス」(2006年)や、やはり、スペイン内戦とゴースト・ストーリーをかけ合わせた「デビルズ・バックボーン」(2001年)を成立させてきたギレルモ・デル・トロ監督なら、確かに巧みにまとめられそうな感じですが、果たして、アニメーターのベン・ヒボンが初メガホンで、その難しい課題に取り組み、力量を発揮できるのか?!、手腕に期待しておきましょう!!


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