マーベルが今夏、全米公開する注目のコミックヒーロー映画「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」で、ロバート・ダウニー・Jrのお父さんを演じている…と言われて、ハワード・スタークのことか…と、ピンとこない人もいるはずなので、大ヒット・ミュージカル映画「マンマ・ミーア」(2008年)で、ヒロインのアマンダ・セーフリードと結婚していた野郎だ…！！と言いかえることにするドミニク・クーパーが、ひとり二役で主演した最新作「ザ・デビルズ・ダブル」の予告編を、配給のライオンズゲートがリリースしたので、興味深く、ご覧ください…！！








今年2011年はじめに開催されたサンダンス・フィルム・フェスティバルで注目を集めた話題作の「ザ・デビルズ・ダブル」は、2001年のショッキングな911事件後、時のブッシュ政権が大量破壊兵器のありかを求めて侵攻し、悪の枢軸国と名指ししたイラクの指導者サダム・フセインのいかれた長男ウダイの身代わりの影武者にされてしまった実在の人物ラティフ・ヤヒヤの同名手記を映画化したものです。
こうした史実の映画化の常として、ウダイが親族を相手に銃を乱射する凶行の事件を起こしたり、暗殺未遂に遭い、死にかけ、イラク開戦にいたっては、機に乗じて、父サダムの政権を転覆し、自分が国家指導者になろうと計画するも、結局それは果たせず、2003年に米軍の空爆で、ウダイは亡くなってしまう…という、およその展開や、その後、米軍に捕らえられた父サダムも、2006年に死刑に処される…といった登場人物の末路が、すでにわかっているネタバレ済みなわけですが、独裁者の息子がいったい、どのような、やりたい放題の生活を送っていたのか？！など、当時のフセイン政権の裏側をのぞき見られる点で、本作は大変に興味深い作品となっています。


また、父が成功したビジネスマンで裕福だったことから、上流階級向けの学校に入学することができ、そこで15歳にして、ウダイと出会ってしまったがために、人生を翻弄されることになったラティフ・ヤヒヤと、人権などお構いなしに、他人を自分の身代わりにした傲慢なウダイの両者を、ドミニク・クーパーがどのように演じわけているのか？！を観る点において、本作は映画的にも興味深い作品だと言うことができます。


この「ザ・デビルズ・ダブル」のメガホンをとったのは、「007/ダイ・アナザー・デイ」(2002年)や、フィリップ・K・ディックの原作を、ニック・ケイジ主演で、くだらない映画にした「ネクスト」(2007年)などのリー・タマホリですが、デビュー作の「ワンス・ウォリアーズ」(1994年)は、優れた作品だった人なので、この意欲作には期待をしたいですね。脚本を執筆したのは、名優の故デニス・ホッパーがフランク・シナトラを演じた「ザ・ナイト・ウイ・コールド・イット・ア・デイ」(2003年)のマイケル・トーマス。旧角川映画のハリウッド作品「ルビー・カイロ」(1992年)のシナリオ・ライターです。
これまでのイラク戦争を題材とした映画とは、ちょっと違った視点から楽しめそうな、バクダットが舞台の「ザ・デビルズ・ダブル」は、今夏7月29日から北米で限定公開で封切られます。



Summoned from the frontline to Saddam Hussein’s palace, Iraqi army lieutenant Latif Yahia is thrust into the highest echelons of the “royal family” when he’s ordered to become the ‘fiday’ — or body double — to Saddam’s son, the notorious “Black Prince” Uday Hussein, a reckless, sadistic party-boy with a rabid hunger for sex and brutality. With his and his family’s lives at stake, Latif must surrender his former self forever as he learns to walk, talk and act like Uday. But nothing could have prepared him for the horror of the Black Prince’s psychotic, drug-addled life of fast cars, easy women and impulsive violence. With one wrong move costing him his life, Latif forges an intimate bond with Sarrab, Uday’s seductive mistress who’s haunted by her own secrets. But as war looms with Kuwait and Uday’s depraved gangster regime threatens to destroy them all, Latif realizes that escape from the devil’s den will only come at the highest possible cost.


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