クリス・ノーラン監督の「バットマン」シリーズが完結編にして、これまで主な撮影地としてきた、同監督の地元シカゴを離れることが公式に報じられました…！！




ペンシルベニア州ピッツバーグのローカル・ニュースを主に伝えるピッツバーグ・ポスト・ガゼットのバーバラ・ヴァンチェリ記者のレポートによれば、ワーナー・ブラザース製作・配給の大ヒット・シリーズ最新作「バットマン/ザ・ダークナイト・ライズス」の主な撮影が地元ピッツバーグで行われることが公式になった…！！とのことで、以下のようなクリス・ノーラン監督のコメントを伝えています。

“ピッツバーグは美しい都市のひとつです。わたしは映画の撮影のために探し求めていたものをすべて、ここで見つけることができました。わたしは、わたしたちの「バットマン」シリーズの完結編と共に、この夏をピッツバーグで過ごせることに大変、ワクワクしています。”

また、地元に映画撮影を誘致し、そのロケをコーディネイトする行政機関である、いわゆる“フィルム・オフィス”の責任者のドーン・キーザーさんによれば…、

“ワーナー・ブラザースは、ダウンタウンとその周辺で、おおむね4週間から6週間の撮影を行うことを予定しています。彼らはまだ厳密にロケ地を特定してはいませんが、ピッツバーグの中心部に現存する旧式のゴージャスな建物を含め、多様な建造物の見られる景観をとても気に入ってくれたようです”

…とのことで、クリス・ノーラン監督が「バットマン」シリーズの撮影地をどうして、シカゴからピッツバーグに変えてしまったのか？！は伝えられていませんが、ぼくはシカゴの雰囲気しかわからないので、ピッツバーグに実際に行ったことがある COLLIDER の映画ジャーナリスト、マット・ゴールドバーグの見解を引用すると、シカゴとピッツバーグの景色を見誤ることはない…だそうで、そのマットも記していますが、この撮影地の変更にともない考えられるのは…、

まず第1に、映画の舞台が架空の都市ゴッサム・シティであることから、それをシカゴで見立てようが、ピッツバーグに設定しようが、それなりの都市であれば、別にこだわらない…とクリス・ノーラン監督が考えているのではないか？！ということです。この第1の憶測については、バットマンが登場するのは主に夜であり、「バットマン」シリーズはナイト・シーンが多いので、背景の景観はあまり重要ではない…という見方を補足することができます。

そして、第2に導き出されるのは、シカゴで撮影しない＝完結編「ダークナイト・ライズス」の物語の舞台は、もうゴッサム・シティではない…というストレートな憶測です。前作となる「ダークナイト」(2008年)をご覧になった方はおわかりになるかと思いますが、あのような結末の事態を迎えてしまった場合、当時者のバットマン＝ブルース・ウェインの身に立場をおいて現実的に考えれば、ひとまず街を離れて、よそへ行こう…となるのは当たり前かもしれません。

最後に第3の考え方として、前述のピッツバーグ・フィルム・オフィスのドーン・キーザーさんは、“映画撮影に対して税金の一部を控除し、優遇する減税プログラムの直接的な成果である…”といった風に、記事の中でコメントしているので、そうした経済的な事情からロケ地を変更した可能性も窺えます。しかしながら、必ず大当たりする…といって差し支えない「ザ・ダークナイト・ライズス」が、その他のヒットの可能性が未知数の作品のように、それほど節約につとめなければならないか…？！は少し疑問で、むしろ、シリーズの内容の一貫性のクォリティの方を重視するように思えますから、ドーン・キーザーさんのコメントは、さらに他の映画も誘致したい…というアピールの売り文句にしか過ぎないと理解することもできるでしょう。

果たして、ピッツバーグへの撮影地の変更が物語の内容に関係しているのか、どうか？！、クリス・ノーラン監督が地元のシカゴを離れた真意が、いずれ明らかになるのを楽しみにしておきましょう…！！

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