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年末になって、ちょっと息切れし、先週はお休みしてしまった興行レポートですが、いよいよ今回が今年2010年における最終回です!!、本来ならば、いつものように新作映画をみな紹介したいところですが、先般のような多忙の都合からも、お伝えする価値のあまりない「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズの第3弾「リトル・フォッカーズ」と、ジャック・ブラック主演の「ガリバー旅行記」のような、ぬるい映画は割愛し、ボックスオフィス・ハイライトといった格好で、コーエン兄弟監督の最新作「トゥルー・グリット」の興行成績だけ、チェックさせていただきます。
新年からはまた調子を整えて、出来るだけ、もとのペースに戻したいと思っているので、ご理解ください。

で、今年の全米クリスマス興行の総体的な結果ですが、「アバター」や、「シャーロック・ホームズ」、そして、シマリス3兄弟の「アルビン2」といった作品が粒ぞろいだった前年2009年との比較で、なんとマイナス約44%と大きく売り下げてしまいました…!!
クリスマスはホリディと言っても、家族で自宅と過ごしたり、友人らとパーティーを開くなど、主に人の集いで楽しまれる年中行事であることから、映画館の客足はもとより、そう振るわないタイミングなのですが、今年は頼みの綱の「トロン・レガシー」が様々な意味で期待を下回ってしまったことからも、とりわけ不調となってしまったようです。
しかし、映画の中身がスカスカで不人気とは言え、映画自体の製作費に約1億7,000万ドルが費やされ、それに宣伝マーケティングの費用が約1億5,000万ドルも上積みされた総コスト=約3億2,000万ドルの超大作である「トロン・レガシー」が、わずか公開2週めにして、お手ごろな製作費の約3,800万ドルで作られたコーエン兄弟監督の映画に出し抜かれるとまでは、誰も思っていませんでした…!!





本作について書かれたレビュー40件のうち、絶賛が38件で、まぁまぁが1件、ダメと評する偏屈な意見は、たったのひとつだったことから、レビューのとりまとめサイト metacritic では総合で80ポイントの高い評価がつけられ、映画の格付けサイト RottenTomatoes でも驚くべきことに94%もの高い支持率を集め、完璧に新鮮映画に認定されてるのにもかかわらず、ソニー・ピクチャーズに買収されたゴールデン・グローブ賞は完全に無視をしてくれた、すでに名作映画と呼んで差し支えのない「トゥルー・グリット」を、製作・配給のパラマウント映画が全米3,047館の約3,900スクリーンで拡大公開したオープニング成績は約2,560万ドルで、今朝、お伝えしたBEST10ランキングのように、初登場第2位を飾ることができました…!!


トゥルー・グリットテレビスポット




この「トゥルー・グリット」が記録したオープニング成績=約2,560万ドルというのは、記事のタイトルの見出しでも記したように、コーエン兄弟監督らにとっては、ブラッド・ピットや、ジョージ・クルーニーといったスターを配した全米公開映画の前作「バーン・アフター・リーディング」のオープニング成績=約1,912万ドル(2,651館)を大きく上まわった自己ベスト更新となるもので、アベレージで比較しても、1館あたりで約7,215ドルを売り上げていたブラック・コメディ映画を、リメイク西部劇は約8,402ドルを集めたことで、キッチリと勝っています。
よって、以下のような前作の興行成績(↓)を凌駕して、「トゥルー・グリット」がコーエン兄弟監督の最大ヒット作になるであろうことは、もはや確定したも同然で、映画の内容の高評価の波及を踏まえると、国内だけで1億ドルの大台を狙える可能性もあり得るのかもしれません。

        「バーン・アフター・リーディング」(2008年9月12日公開/製作費3,700万ドル)
          国内6,035万ドル+海外1億336万ドル=約1億6,372万ドル


また、ゴールデン・グローブ賞とは裏腹に、次回の第83回アカデミー賞に大きく絡むことが予想されている「トゥルー・グリット」にとっては、同じ全米公開映画という枠組みで最大のライバルとなるソニー・ピクチャーズ作品「ソーシャル・ネットワーク」のオープニング成績=約2,244万ドルを上まわった…!!というのも、今後の映画賞レースの展開においては、大変に有利な材料となりそうです。なお、単館で比較しても、2,771館の公開で約8,100ドルのアベレージだったデヴィッド・フィンチャー監督作品を、コーエン兄弟監督らの方がしのいでいることになります。



ジェフ・ブリッジスのコグバーンとは、そもそも仲のよくないマット・デイモンのラブーフが、窮地を救ってはくれたものの、あわや自分を撃ち殺しかけたコグバーンの射撃の腕前に疑問を述べると…!!




配給のパラマウント映画によれば、クリスマスのウィークエンドに、「トゥルー・グリット」を観た観客の約65%が男性で、全体の約7割が25歳以上のアダルト層だったそうですから、やはり、主に大人の観客が渋いリメイク版「勇気ある追跡」を支持していたことになります。そうすると冒頭にも記したように、クリスマスで、特に子どものいる家族は自宅でサンタさんの到着を待つなどしていた事情を踏まえると、「トロン・レガシー」の動員が落ち込んだのとは反対に、「トゥルー・グリット」が折りよく人気を集めたのも当然といった見方をされる節もありそうです。
しかしながら、パラマウント映画の副代表のロブ・ムーア氏は、伝説的な西部劇スターのジョン・ウェインなんて知らず、オリジナル映画が公開された1969年には生まれてなかった世代が3割いたことを評価し、若い映画ファンに人気の高いコーエン兄弟監督の作品を支持する年齢層は、今後さらに幅広くなっていくだろうと期待しているようです。




2010年公開映画の最後の名作となるコーエン兄弟監督の傑作西部劇「トゥルー・グリット」は、厳密には、ジョン・ウェインが悲願のアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した、名匠ヘンリー・ハサウェイ監督作品のリメイクではなく、同映画の原作であるチャールズ・ポーティスの小説に忠実に寄りそった再映画化となる作品ですが、いずれにしろラストで泣けることに変わりはありません。その他の詳細については、下記の関連記事を参照してください。

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