ディズニーが長編アニメ映画50本めの記念作「塔の上のラプンツェル」をもって、おとぎ話が題材のプリンセス・アニメの製作終了を発表!!、ディズニーの伝統にピリオドを打った!!
by
Billy
2010年11月23日火曜日
ディズニー・アニメーションとピクサーの両方の社長を兼任するエド・キャットムル氏と、やはり、両社にまたがって、アニメ映画の質と内容を吟味しているチーフ・クリエイティヴ・オフィサーのジョン・ラセターがそろって発表しました!!
ロサンゼルス・タイムズがアメリカでは昨日となる11月21日(日)付けの記事で伝えたニュースによれば、冒頭に記したエド・キャットムル氏と、ピクサー・アニメの顔であり、「トイ・ストーリー」(1995年)や、「カーズ」(2006年)といった人気アニメの監督として知られるジョン・ラセターの両者が、これまでディズニー・アニメの看板として愛されてきた、いわゆる伝統の“お姫さまアニメ”の製作を、アメリカで明後日24日(水)に公開する最新作の「塔の上のラプンツェル」(2011年3月12日公開)をもって最後とし、以後は同様のタイプの作品を製作しないことに決めたのを発表しました。
ディズニーが、まさに夢と魔法の王国として成功する所以となった、同社の礎の基礎を築いたプリンセス・アニメの製作終了が決定した経緯としては、「塔の上のラプンツェル」のひとつ前の作品である「プリンセスと魔法のキス」が興行的に不入りで失敗だったことに加え、アニメに限らずディズニー作品全体を俯瞰してみた場合、今日において人気を集めているのは、前述のジョン・ラセターが発表したピクサー・アニメの「トイ・ストーリー」シリーズであったり、ジョニー・デップが主演する「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなど、男性の支持も充分に得られている作品ばかりであることから、ディズニー=女の子のファンタジーの世界といった認識はすでに過去のものとして、もはや、お姫さまと白馬にまたがった王子とが結ばれる、ひたすらロマンチックに終始する作品が、観客をうっとりと魅了する時代は終わった…との判断を下すにいたったそうです。
「プリンセスと魔法のキス」(2009年11月25日全米公開/製作費1億500万ドル)
オープニング成績/2,420万ドル(3,434館) 国内1億440万ドル+海外1億6,264万ドル=2億6,704万ドル
(↑ 立派な興行成績で不入りで失敗とは思えないんですが…)
エド・キャットムル氏と、ジョン・ラセターは、お姫さまアニメの系譜として、すでに製作が着手されていた、アンデルセンの童話を題材とする「雪の女王」と、イギリスのおとぎ話「ジャックと豆の木」の長編アニメ映画化のプロジェクトをシャットダウンし、製作を中止してしまった…とのことで、これにより同社は、1937年に発表した世界初の長編アニメ映画「白雪姫」から始まり、「ふしぎの国のアリス」(1951年)、「眠れる森の美女」(1959年)、そして、近年の「リトル・マーメイド」(1989年)、「美女と野獣」(1991年)などで親しまれてきた同社の伝統に幕を降ろしてしまうことになったわけですが、ジョン・ラセター(→)は、このお姫さまアニメの時代の終焉にあたって、ひとまず、“いずれまた復活する日は来るかもしれない…”と述べ、そのためには、どの作品を観ても、結局は“そして、王子とお姫さまは幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし…”といった紋切り型のワンパターンに尽きるお姫さまアニメに、“斬新な切り口の物語り方を見い出してくれる新たな才能が出現するのを待つしかない…”と語っています。
ディズニーは昨2009年にマーベル・コミックスを吸収し、アイアンマンや、スパイダーマン、キャプテン・アメリカ、そして、X-MENシリーズといった人気のヒーローをすべて自社のキャラクターとし、すでに男性向けに市場を拡大する下地は充分にできているのに加え、スピルバーグ監督のドリームワークスを傘下に従えているなど、他社が追随しがたいコンテンツの供給源を確保しているので、今さら、おとぎ話や童話・民話に題材を求める必要もなくなった…といったことなのかもしれませんが、ディズニーの美しい絵柄と素敵な音楽によるお姫さまアニメを愛してきたファンの方にとっては、ディズニーがまるでディズニーでなくなってしまうかのような、この事実上、ピクサーが下したディズニー・アニメの終わりの決定は、かなり、さびしいものかもしれませんね…。
CIAリーダーのみなさんは、このディズニーの方針転換をどのように見られたでしょうか…?!
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