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二日酔い映画の「ハングオーバー」(2009年)で、R指定の大人向けコメディ映画として、全米映画興行史上最大のヒット=約2億7,732万ドルを記録したトッド・フィリップス監督が、同映画の成功で一躍、コメディアンの頂点に登りつめたザック・ガリフィアナキスと、「アイアンマン」シリーズの大スター、ロバート・ダウニー・Jrのコンビを主演に迎え、大きな期待を集めたのにもかかわらず、その「ハングオーバー」と「アイアンマン」を主に支持した世代であるはずの20代からは、試写会で一切、笑いが聞かれなかったことで有名な失敗作の「デュー・デート」を、製作・配給のワーナー・ブラザースが全米3,355館の約4,700スクリーンで封切った結果のオープニング成績は約3,350万ドルで、製作費の約6,500万ドルに見合った好調な出足を見せましたが、二日酔いでなかったせいか?!、さすがに「ハングオーバー」(2009年6月公開/製作費3,500万ドル)のオープニング成績=約4,497万ドル(3,269館)には遠くおよびませんでした…!!







冒頭のように、コメディ映画としては、ほとんど笑えない…といった酷評で、映画の格付けサイトの RottenTomatoes においても、39%の低い支持率で、腐敗映画に指定されている本作の物語は、仕事でアトランタに来ているロバート・ダウニー・Jrの演じる主人公のエリート建築家ピーターが、「キスキス,バンバン」(2005年)の共演者であり、あまり、このふたりが夫婦には見えないのだけれど、一応、妻役のミシェル・モナハン(↓)の出産に立ち会うため、急いでロサンゼルスに戻ろうと飛び乗った飛行機から降ろされてしまうハメになり、その機内にサイフを置いてきてしまったことから、仕方なく自分とはミスマッチな、いい歳こいて役者志望のザック・ガリフィアナキスの変人イーサンと一緒に珍道中をすることに…といった内容です。

そうしたプロットの基礎は、スティーヴ・マーティンのエリート・ビジネスマンが、旅から旅へと全米を渡り歩く、しがないセールスマンのジョン・キャンディと一緒に旅をするハメになってしまう、ジョン・ヒューズ監督のコメディ映画の名作「大災難P.T.A.」(1987年)とまったく同じで、早い話が同映画のリメイクのようにも思えるのですが、その傑作に比べて、「デュー・デート」が不毛で大失敗してしまった原因としては、多くの映画ジャーナリストが、ボケとして笑いを司る役割の人物像の設定に問題があったことを指摘しています。




大災難P.T.A.予告編



「大災難P.T.A.」で、ジョン・キャンディが演じた肥満のセールスマンのキャラクターは、本人には悪気はないけれど、いささか無神経なことから、気がつくと周囲にウザイと嫌われ、孤立してしまう田舎者…といった設定で、あぁ、こういう人って、どこの会社や、学校のクラスにでもいるよね…といった、ジョン・ヒューズ監督ならではのリアリティがあって、最終的にはキャラクターに同情を誘い、人間関係がミスマッチに陥る原因には偏見が大きく関係しているのでは…?!という映画のテーマが見事に表現されていたのですが、それに対して、「デュー・デート」のザック・ガリフィアナキスは、こんな人は絶対にいないと断言できる、ただ笑いをとるためにのみ創作された奇人変人であるように観えることが、むしろ、映画をシラケさせ、誰も笑わない結果に陥ってしまった…と評されています。


よって、この「デュー・デート」では、敬愛していた父親を失ったばかり…という設定のザック・ガリフィアナキスと、それとは反対に父親とは疎遠だったロバート・ダウニー・Jrのピーターが、今や、自分自身が間もなく、父親の立場になろうとしている…といった状況を対比させることで、笑いの末に感動的なテーマに結びつけるはずが、人物像にリアリティがないため、そうした設定の効果も存分に活かしきれていない…というのは、容易に察しがつきますね。




また、特に後半で本作が、ロバート・ダウニー・Jrにザック・ガリフィアナキスという、共に優れたパフォーマーの演技力に頼って、感情的に盛り上げることよりは、そうした名優でなくてもできるアクション・コメディに近いような展開を観せてしまうのも、その場限りの見た目のおもしろさに走った、役者の無駄遣い…と、あまり好評価はされていません。


ロバート・ダウニー・Jrとザック・ガリフィアナキスのファンでもない限り、わざわざ映画館で、お金を払って観るものでもない…と、レビューで概ね、Cクラスに置かれている「デュー・デート」の共演者は…、
あんな映画に出るんじゃなかった…と、主演したことを大変、後悔している「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(1994年)で、ロバート・ダウニー・Jrと共演した間柄のジュリエット“アイアン・メイビン”ルイス。彼女は、トッド・フィリップス監督が人気刑事ドラマをリメイクした「スタスキー&ハッチ」(2004年)にも出演していましたね。
そして、「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(2008年)で、ロバート・ダウニー・Jrによく似た黒人の俳優カークと共演していたダニー・マクブライド。また、ホームレスで「路上のソリスト」(2009年)をしていたところを、ロバート・ダウニー・Jrの新聞記者に助けてもらった毒舌タレントのジェイミー・フォックスなど、過去にRDJと接点のある顔ぶれが大勢そろっています。




なお、この「デュー・デート」と同じように、凸凹コンビのバディ・ムービーとしては、本作と同日に公開され、初登場第1位を奪取したドリームワークス・アニメ「メガマインド」で、声の主演を果たしているウィル・フェレルがボケとして、ツッコミのマーク・ウォールバーグと共演した刑事コメディ「ジ・アザー・ガイズ」(2010年8月6日公開/製作費1億ドル)が最近作となりますが、これまでに国内で約1億1,875万ドルを稼いで大成功の同映画のオープニング成績は約3,554万ドル(3,651館)でしたから、その数字の比較では、「デュー・デート」の方が劣ってしまいますが、封切りの週末の1館あたりの平均売り上げで比べると、「ジ・アザー・ガイズ」の約9,735ドルよりも多い、約9,985ドルを稼いだ「デュー・デート」の方が勝っていることになります。
また、さらに似たタイプの映画として…、「デュー・デート」と同日に公開され、初登場第1位を奪取したドリームワークス・アニメ「メガマインド」で、声の準主演を果たしている…などと、冗談でくり返すことが可能なジョナ・ヒルが、ラッセル・ブランドと共演し、凸凹コンビがタイム・リミットを抱えて珍道中をくり広げる設定も同じのバディ・ムービー「ゲット・ヒム・トゥ・ザ・グリーク」(2010年6月公開/製作費4,000万ドル)のオープニング成績は約1,757万ドル(2,697館)だったので、これまでに国内で約6,097万ドルを売り上げた同映画より、「デュー・デート」の方が人気を集めていることは、詳細に比べてみるまでもありません。
なので、アイアンマン兼シャーロック・ホームズのロバート・ダウニー・Jrとしては、この最新作の「デュー・デート」が「メガマインド」に負けて、初登場第2位だったものの、そのアニメの声優らに対しては、生身の勝負なら負けない…!!と、スターの面目をたもって言い返すことができますね…!!










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