************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


まずは…、先にご覧いただいた週末興行ランキングのBEST10で、おわかりのように、この週末は新作映画が一気に5本も登場しました!!、しかし、稼ぎ時のサマーシーズンも間もなく終わりとなる、この時期に駆け込みで封切られる、それらの映画は、新生活がスタートする9月までの短い興行寿命を、あらかじめ見越した作品であることから、いずれも大した映画ではありません。なので、今週はそれぞれ手短にパッパッとまとめていくことにします。
と、そんな訳で、新作映画が束になって公開されたのにも関わらず、この週末の全米映画興行は、先週の前回(13日~15日)と比較して、全体で約18%の売り上げ減です。
2週連続の首位をキープしたシルベスター・スタローン隊長の率いる特攻チーム「エクスペンダブルズ」は、先週の初公開からの数字のマイナスがおよそ53%で、比較にあげた「イングロリアス・バスターズ」(2009年)の2週めの下降率=約49%よりも少しだけ大きい数字となっています。クエンティン・タランティーノ監督の戦争ファンタジーが、クライマックスで歴史を書き変えたサプライズのような口コミを誘う要素が、「エクスペンダブルズ」には欠けていることからも、そうした数字の差は今後、さらに開いていく可能性がありますが、それを補うためか?!、スタローンはチョイ役の友情出演を果たしてくれたブルース・ウィリスが、続編では悪役として登場し、特攻チームが不死身の男を追うことになる…!!と、期待を持たせるようなことを語っています…!!



パロディ映画ばかりを作っているジェイソン・フリードバーグとアーロン・セルツァーが、そもそもバカ映画の「トワイライト・サーガ」シリーズをネタにした「ヴァンパイア・サック」を、先週の水曜日(18日)に封切った20世紀FOXが、3,233館で集めた週末の興行成績は約1,220万ドルで初登場第2位を飾り、公開から5日間のトータルで約1,856万ドルを売り上げました。

その数字を、鉄板英雄コンビの前作となる2年前の夏に封切られた「ディザスター・ムービー」(2008年8月29日公開)と比較してみると、同映画のオープニング成績は約583万ドル(2,642館)で初登場第7位でしたから、まっとうな映画ファンの誰もがコケにしてほしいと願っていた「トワイライト・サーガ」をコキおろすことで、コンビは失敗を挽回し、すでに前作の最終的な国内での興行成績=約1,419万ドルを超えています。

しかしながら、さらに前作となる「ミート・ザ・スパルタン」(2008年1月公開)と比較してみると、同映画のオープニング成績は約1,850万ドル(2,605館)で、国内だけで約3,823万ドルを売り上げていましたし、「鉄板英雄伝説」(2007年7月公開)のオープニング成績も、ほぼ同額の約1,861万ドル(2,801館)で、国内成績は3,973万ドルだったので、以前ほどの人気の勢いを取り戻せてはいません。

製作費が約2,000万ドルの「鉄板英雄伝説」は全世界で約8,686万ドルを売りあげ、興行だけで充分に黒字があがっているはすですが、それに近い8,464万ドルを稼いだ「ミート・ザ・スパルタン」は、勢いに乗って製作費を約3,000万ドルにアップしていたため、「鉄板英雄伝説」ほどの成功とはならず、「ディザスター・ムービー」では、その反省を踏まえて、映画の規模が再び、製作費=約2,000万ドルの元に戻されましたが、トータルの売り上げは約3,481万ドルで、ついに映画館での興行では赤字に落ち込んでいます…。
そうした過去の実績を踏まえると、やはり、製作費が2,000万ドル相当の「ヴァンパイア・サック」は、オープニング成績からして、大きな飛躍は期待できないものの、そこそこの結果を収めて、ジェイソン・フリードバーグとアーロン・セルツァーのふたりが、次のネタ探しを開始することは間違いなさそうです。


この「ヴァンパイア・サック」の映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は、まさにサイテー映画シリーズにふさわしい、たったの3%です。
なお、配給の20世紀FOXの調べによれば、本作のオープニング興行の観客の約72%が21歳以下の少年層だったそうですから、そういった世代が、エドガー・ライト監督のロックンロール・ロマンチック・アクション・コメディ映画の大傑作「スコット・ピルグリムVS.ザ・ワールド」よりも、こんな映画を支持するなんて、おまえらはみんな若いのにセンスがない…!!と罵って、映画の将来を憂いたくなってしまった方もおられるのでは…?!


「トワイライト」のイヌ人間=テイラー・ロートナーとウルフ・パックのみなさんはやっぱり、自分たち同士で愛しあっているので、ゲイ賛歌の代表曲であるウェザー・ガールズの“It's Raining Men”にあわせて踊ってしまう、ヴァンパイア・サック」のくだらないミュージカル・シーン!!






テレビ・シリーズ「アントラージュ」で、セミ・レギュラーをつとめていたほか、「ワイルド・スピード3」(2006年)では主人公のルーカス・ブラックの親友を演じるなど、俳優としても活躍しているラッパーのバウ・ワウが主演するコメディ映画「ロッテリー・チケット」を、ワーナー・ブラザースが1,973館の約2,200スクリーンで封切ったオープニング成績は約1,112万ドルで、初登場第4位に着けました…!!

このBEST3に入れなかった結果は、少し心もとない印象を与えていますが、しかし、実際のところ、1館あたりの平均売り上げを見ると、約5,639ドルを稼いでいる「ロッテリー・チケット」は、第2位の「ヴァンパイア・サック」=約3,774ドルどころか、2週連続第1位の「エクスペンダブルズ」=約5,046ドルをすら超えていて、2,000館を切った公開館数の少なさに泣いた…というのが、初登場第4位の理由と説明することができそうです。
なので、仮りに3,000館に近い規模の拡大公開で、ワーナー・ブラザースが「ロッテリー・チケット」を封切っていたなら、この週末に封切られた新作の中で、文句なく№1のヒット映画になっていたのかもしれませんが、この映画の観客の約9割が黒人層だったことを踏まえると、そもそも狭い市場に向けた作品なので、公開規模が手堅く、控えめにされたのは、致し方ありません。

そんな「ロッテリー・チケット」のお話の内容は、宝クジで3億7,000万ドル=約317億3,242万円を引き当てるラッキーに見舞われたバウ・ワウが、早速、換金に出向くものの、独立記念日のロング・ウイークエンドのお休みで果たせず、自分の手元に当たりクジを置くことになったアブナイ週末の3日間の間に起こる騒動が描かれることになります…と、早い話が、幸運の分け前に預かろうと、いろんな人が言い寄ってきたり、力づくで当たりクジを奪おうとするような輩が現われる…!!ということですね。

そのように先が読める本作の映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は32%で、テーマの志には価値があるものの、陳腐なユーモアと紋切り型の展開で、まったく新鮮さに欠ける作品…と酷評されています。
監督は、ミュージック・ビデオのディレクターで活躍してきたエリク・ホワイトで、自ら考えたオリジナルの陳腐なユーモアと紋切り型の展開で、まったく新鮮さに欠ける、先の読めるストーリーで映画監督デビューを果たしました。

共演者として、「パーシー・ジャクソンとオリンピアンズ」(2010年)でも、主役のローガン・ラーマンの相棒をつとめていたアルパ・チーノ(↓)が、バウ・ワウの相棒を演じているほか、スポーツ感動映画の「ザ・ロング・ショッツ」(2008年)など、近年の出演作は自らプロデュースを手がけているアイス・キューブ(→)が、本作の製作をつとめて、カメラの前にも立っています。

映画の物語のように、大当たりとはならなかった「ロッテリー・チケット」ですが、製作費は約2,000万ドルの低予算なので、アイス・キューブは、そう多額ではないものの、いくらばかりかの黒字のお小遣いを、ポケットに入れることはできそうです。
真ん中の女性は、リメイク版「フェーム」(2009年)に出演していた、3LWのナトゥーリ・ノートン(↓)ですね。



ロッテリー・チケット予告編






次回作は、寺沢武一の人気コミック「コブラ」を映画化する…!!という、ジャンル系ファンの注目を容易に集められそうな話題づくりの甲斐もなく、アレクサンドル・アジャ監督の「ピラニア 3D」が、2,470館の約2,600スクリーンで釣り上げられたオープニング成績は、たったの約1,003万ドルで初登場第6位の振るわないスタートとなり、「キャッツ&ドッグス/リベンジ・オブ・キティ・ガロア」(今週第15位)のオープニング成績=約1,227万ドルを下回ったことで、近年の3D映画としては、ワースト記録を更新する最低のデビューとなってしまいました…。

しかしながら、本作の製作費もまた、夏物最終処分映画として?!控えめに抑えた約2,400万ドルであるのに加え、この手のホラー系ジャンル映画はDVDレンタルの市場では強力なタイトルであるため、製作・配給のワインスタインが大きな損をすることは、まず、なさそうです。
なお、本作のオリジナル映画となる、ジョー・ダンテ監督の「ピラニア」(1978年)も、その後、同監督がスピルバーグ・ファミリーに加わるキッカケとなった作品だけに、意外に優れた出来栄えでしたが、アレクサンドル・アジャ監督のリメイク映画も、映画の格付けサイト RottenTomatoes で、80%の支持を集めるなど、驚きの高評価が下されています。ただし、CGのピラニアが 3D で襲ってくるだけ…と、冷めた手厳しいレビューも見られるので、好き嫌いはわかれる…と思っておいた方がよいのかもしれません。





「ピラニア 3D」の主演女優として、シェリフのジュリーを演じているのは…、「ベスト・キッド」(1984年)のヒロインや、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズなどで人気を博し、ニック・ケイジと共演した、シリアスな「リービング・ラスベガス」(1995年)では、アカデミー賞の最優秀主演女優賞にノミネートを果たすまでしたものの、やはり、歳を重ねるにつれ、女優がハリウッドの第一線でスポットライトを浴び続けるのは困難であることから、フツーの看護婦として、地道に病院で働くことにした、80年代の元アイドル、エリザベス・シューの役を、傑作コメディ映画「ハムレット2」(2008年)で演じていたエリザベス・シュー!!(↑)、マーティ・マクフライの恋人も、今や46歳になりましたが、現実には引退などせず、もう一花、咲かせてほしいですね…!!

で、そのエリザベス・シューがヒロインを演じた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのドクこと、クリストファー・ロイド(↓)が共演してるというのが、心憎いばかりか、オリジナル映画の「ピラニア」の、さらにその元ネタ映画となる「ジョーズ」(1975年)のリチャード・ドレイファスまで出演しているので、どうやら、キャスティングに関して、アレクサンドル・アジャ監督はオリジナル映画が作られた70年代から80年代にかけて、かなりオマージュを捧げています…!!



「ピラニア 3D」が、残酷場面とは別に目を楽しませる売りものとしているセクシーな水着美女に鼻の下を伸ばしている、このスケベ野郎は(↑)、「スタンド・バイ・ミー」(1986年)のジェリー・オコンネルなので、やっぱり、過去の映画へのオマージュが窺がえますね…!!



お魚を持って、うれしそうなアレクサンドル・アジャ監督…!!



ピラニア 3D予告編





すみません…、ちょっと時間がないので、第7位と第8位はひとまず、予告編だけ観ておいてください…。
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第7位ナニー・マクフィー・リターンズ予告編





第8位ザ・スウィッチ予告編





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