昨日も書きましたが、CIAの興行記事はまちがっていると思う人、悪いことは言いません！！、今すぐ、ほかの映画サイトに行きましょう…！！

いきなりですが、まずは下 ↓ の興行データを見てください。日付けのあとの数字はオープニング成績で、(　)内の上映館数のあとの数字は1館あたりの平均売り上げです。

2006年3月31日公開　6,803万ドル　「アイスエイジ2」(3,964館－17,162ドル)
2009年3月27日公開　5,932万ドル　「モンスターVSエイリアン」(4,104館－14,454ドル)
2002年3月15日公開　4,631万ドル　「アイスエイジ」(3,316館－13,966ドル)
2008年3月14日公開　4,501万ドル　「ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ」(3,954館－11,384ドル)

つまり、以上は、3月に決まって全米公開される春アニメの過去の大ヒット作の結果なわけですが、先週末3月26日に全米公開されたパラマウント/ドリームワークス・アニメ最新作の3D/CGアニメ「ヒックとドラゴン」の数字は、先のランキング表でもご覧いただいたように…、

2010年3月36日公開　4,330万ドル　「ヒックとドラゴン」(4,055館－10,678ドル)

…だったので、昨日の初日レポートでお伝えしたように、本作はチケット代を値上げしたのにもかかわらず、過去の同時期に公開された春アニメの中で、最も低調なスタートを切ってしまったことになります…。
そのおかげで、この週末の全米映画興行は、「モンスターVSエイリアン」が特大ヒットのデビューを飾った前年同時期から、全体で2割近くも実績を落としてしまっています…。

製作・配給のパラマウント映画の調べでは、この「ヒックとドラゴン」のオープニング成績＝4,330万ドルのうち、約12％がIMAXシアターからもたらされたもので、68％が3Dシアターでの売上げだったそうですから、計80％がフツーのチケットよりも高い特別鑑賞料金だったことになります。
それでは「ヒックとドラゴン」のオープニング成績の全体から、まず今回、新たに値上げされたチケット代の追加金額を差し引いてみて、その結果の数字の80％から、さらに3D料金の2～3割を差し引く…といった計算を行ったら、どうなるのでしょう…？！
3D映画ではなかった「アイスエイジ」2作品や、「ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ」に、公開館数で勝りながら、成績ではすでに負けている「ヒックとドラゴン」が、オープニング成績で4,000万ドル代にまでは到達できない…、悪いんだけどね、ヒック、あんたは、そんなに大勢が観ちゃいない、平凡なヒット作に過ぎないんだよ…という見方が成り立ってこないでしょうか…？！
ところが、アレアレ…？！、いつものように映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率を比較してみると…、

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ヒックとドラゴン」…97％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「アイスエイジ」…78％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ」…78％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「モンスターVSエイリアン」…72％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「アイスエイジ2」…57％


ヒック、あんたは過去のどんなアニメよりも傑作なんだよ…ッ！！という風に、評価はひとまず、完璧に逆転してしまいます…。「ヒックとドラゴン」について、103件書かれたレビューのうち、100件が絶賛のプラス評価で、残りのわずかに3件だけがマイナス評価を与えています。
だったら、みんな、もっと「ヒックとドラゴン」を観に行けばいいんじゃないでしょうか…？！、なのに、なぜ、過去の春アニメよりも、お客さんは引いてしまっているのか…？！、そんなに今週第5位のガキ映画「グレッグのダメ日記」の方を、子どもたちは観たがったのか…？！、それにしては、同映画は先週の初公開から約55％も数字を落としてしまっています…。


「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ監督は先ごろ、3D映画ブームについて、2D映画を3Dに変える映像の加工コストが、1分間あたりに約12～15万ドル必要なことを指摘し、3D映画って、ほんまに儲かるんけ…？！という疑問を表明しました。
爆発大将に対しては、例え、1分間に15万ドルの追加の3Dコストを費やしても、あんたのシリーズ最新作「トランスフォーマー3」は確実にペイするで…ッ！！と言ってあげられるでしょう。
でも、その「トランスフォーマー3」が今後、必要とするかもしれない約3,000万ドルそこそこの3Dコストは、フツーの映画にとってはオープニング成績に匹敵する金額で、とても大きな数字のはずです。
2Dで観たら、おもしろかったリメイク版「タイタンの戦い」(4月23日公開)が、3D化されたおかげで、無惨な作品に生まれ変わり、3D映画であることを理由にコケる可能性を、複数の映画ジャーナリストが問題提起し、懸念しています。
「バットマン/ダークナイト」(2008年)の天才クリストファー・ノーラン監督は、“3D映像は今だ実験過程にあり、本当に実用化できる段階にまで到っていない…”という慎重な見解を述べました。

とても優秀なヒックのドラゴンはなぜ、空高く飛べないのか？！、3D映画ブームと、それに伴う映画鑑賞料金値上げの影響について、やはり一度、真剣に見直してみる必要があるのかもしれません…。
それではバイキングのみなさんのウインター・オリンピックのショートアニメをお楽しみください…！！














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