************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


アリスがなんと、ついにバットマンを倒してしまいました…ッ!!




先にあげたランキングでご覧になられたように、ティム・バートン監督が実写とCGのハイブリッドで完成したディズニー映画「アリス・イン・ワンダーランド」が、初公開から3週連続の週末興行成績の第1位を達成し、その3D映画料金の恩恵をこうむって、これまで同監督の最高ヒット作だったマイケル・キートン主演の「バットマン」(1989年6月公開)の国内成績=約2億5,118万ドルを上回る約2億6,580万ドルにまでトータルの数字を積み上げ、ティム・バートン監督史上最大ヒット作となりました…!!
この「アリス・イン・ワンダーランド」が集めに集めた約2億6,580万ドルというのは、これまでザック・スナイダー監督の「300」(2007年)が保持してきた3月公開映画史上最高ヒット作の記録=約2億1,061万ドルを大きく更新し、3月の新春王座をスパルタのキングから紅白の女王たちが完全に奪ってしまっています…!!
この週末の全米映画興行は、先週末の前回(3月12日~14日)より、さらに約15%の実績を落としていますが、それでもアリスの孤軍奮闘?!により、昨2009年の同時期と比較すると、全体で約20%の売上げをアップし、引き続き、ハリウッドの映画ビジネスは大不況の中で成長産業としての勢いを見せつけています。

さて、2億5,000万ドル台の高い高いと2回書いてみるハードルを超えた「アリス・イン・ワンダーランド」ですが、昨2009年夏のメガ・ヒット作品である新生「スター・トレック」(2009年5月公開)=国内成績/約2億5,773万ドルが、そのハードルをワープするまでに約60日間かかり、大ヒット・コミックヒーロー映画「アイアンマン」(2008年5月公開)=国内成績/約3億1,841万ドルが、やはり、その高い壁を飛び越えるまでに、24日間もトニー・スタークが飛行したことを考えると、アリスが16日間で、2億5,000万ドル台を突破したのは、まさに驚異的と言えるかもしれません。
しかし、実はヴァンパイアの青春メロドラマ「トワイライト・サーガ/ニュームーン」(2009年11月公開)も同じ16日間で2億5,153万ドルを売り上げています。また、ぼくがここで真の大ヒット作と書くと、過敏に反応する人がいるようですが、まさに真の大ヒット作の「バットマン/ダークナイト」は、「アリス・イン・ワンダーランド」の半分のたった8日間で2億5,000万ドル台を跳躍しました…ッ!!

こうした白塗りの吸血鬼や、コウモリ男という、根強いファンに支えられた真の大ヒット作と比較すると、これまでにも述べてきたように、最大で鑑賞料金が2倍強の格差がある3D映画のヒットは、その興行成績の数字だけをもってして、人気映画と即座に鵜呑みにすることは、やっぱり、できないかもしれません…。
もし仮りに新作の「グレッグのダメ日記」や、「バウンティ・ハンター」が3D映画だったなら、特に絶賛されているわけでもない「アリス・イン・ワンダーランド」の3週連続第1位はなかっただろう…といった見方が、映画ジャーナリストや、興行アナリストらからも示されています。
よって、「アリス・イン・ワンダーランド」の3週連続第1位の快記録も諸手をあげて評価するのではなく、3D映画は別のもの…として、ひとまず、前述のような過去の2D映画の記録とは切り離して考えておく方が無難かもしれません。

ところで、「バットマン/ダークナイト」が真の大ヒット作で、最後の大ヒット作…と書くと、過敏に反応する読者の方に対し、そのご意見をキチンと伺わせてもらおうと、メールをくださいと呼びかけてみましたが、反応はありませんでした。
先のように、3D映画の料金格差のややこしさを踏まえると、真の大ヒット作の人気映画と言えば、「バットマン/ダークナイト」…、あるいは「トワイライト」や、「ハリー・ポッター」でもいいのかもしれませんが…、に立ち返ってしまうのか…というのは、ぼく個人の見解ではなく、「アバター」のグングン数字が急上昇した爆発的な大ヒットのビックリが落ち着いて、3D映画の興行成績の数字のからくりが段々と理解されはじめるにつれ、記録の上では一旦、否定された格好の過去のヒット映画を再評価する兆しがあるということです。
過去の映画と現在の映画の興行成績は、通貨のインフレ率の解釈もあり、ただでさえ一概に比較はできないのですが、映画の上映形態が多様化し、3D料金/IMAXシアター料金といった格差が大きく混在してきたことで、より分析が困難になってしまいました…。
よって、主に2D映画館で上映された「バットマン/ダークナイト」が、現時点で明らかに大ヒット作だった…ッ!!と言い切りやすいことから、“最後の大ヒット作”といった表現で語られているわけです。

しかし、「バットマン」シリーズや、あるいは、「トワイライト」、「ハリポタ」、または「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどのように、幅広く熱狂的に支持される映画は、そうそう生み出されるものではありませんから、映画スタジオが容易に集金する手段として、これからさらに3D映画に依存していくのは当然で、ラスベガスで先週、行われた映画業界見本市のショーウエストで、ワーナー・ブラザースは今後、大作の勝負映画はみな3Dにする…といった旨の発表を行いました。
3D映画が悪いわけではありませんが、ふだんからメガネをかけている方は、話題の映画は当分、二重メガネで観なければならないのか…と、ちょっとため息をついてしまうかも?!
ま、いずれにしろ、3D映画の大ヒットの記録、あるいはそれにもとづく宣伝などは冷静に受け止め、あぁ、そんなに人気がある映画なのか…ッ!!と、すぐに早トチリするのではなく、映画館でお金を払って観るか?!、観まいか?!、今一度、映画ファンの方々は、その作品を自分が本当に観たいと思うか?!を吟味し、貴重なお金の使い道の選択を考えてもらえればと思いますし、この興行レポートはそのためのヒントのひとつとして書き続けています。
なお、このCIAでは、読者の方も自分の考えや、レビューなどを記事にして発表できるゲストブロガーという制度を設けているのですから、自分はこうだと思う!!という方は、キチンとした文章にまとめて投稿することをお勧めします。
コメント欄にただ侮蔑のような言葉を書き殴っていくのは、子どもがよその家の呼び鈴を鳴らして逃げるピンポン・ダッシュのようなもので、バカげているでしょう。

アリス・イン・VFXワンダーランド!!






今週第7位に、全米騒然の大ドンデン返しが観客の度肝を抜いたサイコ・スリラーの超傑作「シャッターアイランド」(4月9日公開)をランキングさせている名匠マーティン・スコッセシ監督が、次回作として準備している「インベンション・オブ・ヒューゴ・カブレ」の主演女優にも抜擢され、まさに世界は彼女を中心に回り始めたかのような「キック・アス」(4月16日全米公開)の殺し屋ロリータ、クロエ・モレッツちゃんと、昨2009年に公開された全米公開映画のBEST1にあげる映画ジャーナリストも少なくないコン・ムービー「ブラザーズ・ブルーム」で、エイドリアン・ブロディの子ども時代を演じていたザカリー・ゴードン君が共演しているガキ映画の「グレッグのダメ日記」が、昨日の初日レポートでお伝えした予想よりも少し低いながら、オープニング成績=約2,180万ドルを売上げ、第2位で初登場を飾りました…ッ!!
「ホテル・バディーズ/ワンちゃん救出大作戦」(2009年)のトール・フロイデンタール監督が、ジェフ・キニーの児童書のベストセラーを映画化した本作は、ジェニファー・アニストンとジェラルド・バトラーの2大スターが共演し、初登場第1位でもおかしくない「バウンティ・ハンター」を思いがけず、打ち負かしてしまったわけですが、ファンタジー・アドベンチャー的な要素を一切含まない現実の子どもの日常生活をテーマにした実写のガキ映画としては、かつてないヒットの出足…ッ!!と、その成功を高く評価されています。
内容的には、ダメ日記だけに子どもらしい?!自己中心的な様などが、親の視点から観れば、眉をひそめたくなる部分もあるようですが、ティム・バートン監督の奇妙な作風や、戦うアリスをよいとは思わず、ディズニー映画ながら「アリス・イン・ワンダーランド」を敬遠して、子どもには観せたくない親たちもいるようなので、そうした親子連れがこちらの作品に流れてしまったのかもしれませんね。
ウルトラ・ローティーン・アイドルのクロエ・モレッツちゃんは、前述のマーティン・スコッセシ監督がやはり児童書を映画化し、同監督にとって初のファミリー映画になるかもしれない「インベンション・オブ・ヒューゴ・カブレ」に向けて、これで実績ができたことになりました…!!


ガキの世界ならではのエンガチョの場面…!!





小学校警備隊?!に志願するグレッグと、ダメ友のローリー…!!






昨2009年に全米公開されたSFモッキュメンタリー「ディストリクト9」や、超低予算自主製作ホラー「パラノーマル・アクティビティ」といった、最近の大ヒット作がけして、よく知られた映画スターの主演作ではないことや、どこの誰かは知らないけれど、彼の映画はみんなが知っている…などと冗談半分に語られる「アバター」の無名俳優?!で、便利な生身のアクション・フィギュア?!などと皮肉られているサム・ワーシントンなんかを例にあげ、観客はもはや、誰が出ているか?!ではなく、どういう内容か?!で映画を選択する中身重視の時代に入った…といった主旨で、“高額な出演料を要するAクラスの映画スターは絶滅危惧種だ…!!”といった結論を述べた記事が…、う~ん…、ニューヨーク・タイムズだったかに最近、掲載されていたと思います。
まさに、その記事が言わんとしたことを裏付けるように、総合的には全米№1女優と呼んでも過言ではないジェニファー・アニストンと、ジェラルド・バトラーの2大スターが共演したアクション・ラブコメディのソニー・ピクチャーズ作品「バウンティ・ハンター」が、ガキの自己中心的すぎる行動を、大人が観ても意外におもしろかったお子さま映画に足元をすくわれ、予定してた初登場第2位ではなく、黒星発進とも言えそうな第3位からのスタートとなってしまいました…。
先に記したニューヨーク・タイムズ?!の記事を裏読みすると、映画の作り手らの個性的なビジョンが問われるジャンル系映画や、物語のテーマが焦点となるドラマ映画では、主に出演するスターではなく、企画のアイディアが決め手となりつつあるわけですから、絶滅危惧種の映画スター?!が、その本領を発揮して?!、芸能人大好きの大衆を映画館に引き寄せられるジャンルは、もう、こうした軽いラブコメしか残っていないのかもしれません。
その唯一、残されたジャンル?!すら、このように楽観視できず、見向きされない傾向が窺え始めたのならば、お手軽な映画にばかり出続けているジェラルド・バトラーは今後、どうすればいいのでしょうか…?!
また、この「バウンティ・ハンター」が、前述のようにガキの冒険でも何でもないSFXなしの日常を描いた映画に負けてしまった…というのは、この後に続き、6月4日から全米公開される、アシュトン・カッチャーとキャサリン・ハイグルが共演した、似たようなタイプのロマンチック・アクション・コメディ映画のライオンズゲート作品「キラーズ」や、トム・クルーズとキャメロン・ディアスの遅すぎる再共演作の20世紀FOX映画「ナイト&デイ」(6月25日全米公開)の興行価値のヒットの可能性に疑問の影を落としてしまっています…。




ユニバーサル映画が公開した近未来SFスリラーのハードR映画「レポ・メン」は、ほぼ予想通りのオープニング成績=約615万ドルで、初登場第4位という、ダメダメなスタートを切っています。
本作はR指定映画として、視聴制限があるため、ほかの新作映画に比べて、条件的に不利なのですが…、まぁ、この「レポ・メン」は、そもそものタイトルの「レポゼッション・マンボ」として、最初にCIAで紹介したのは、2年以上前の2007年末でした…。それから実際に完成した映画のデキが芳しくなく、長らくオクラ入りになっていたのを、まっとうな映画ファンはみんな知っていますし、ましてや、こうしたジャンル映画のマニアはより事情通ですから、ひとまず、映画館にまで足を運ぶのを見合わせられてしまうのは当然かもしれません。
よって、ジャンル映画マニアがひいたジャンル映画の興行がコケるのはやむを得ないとして、今後、DVD/BDの二次市場で、どれだけ挽回できるのか?!が鍵となりそうです。しかし、この映画の失敗も、観客がもはや、ジュード・ロウといった人気スターの名前に釣られては、映画を観ない傾向を表しているのかもしれません…。






先週の前回に公開された映画の中では、やはり、一番無難におもしろい映画として紹介した「シーズ・アウト・オブ・マイ・リーグ」だけが、その売上げのダウンを約39%という、どうにか許容範囲の中におさめ、上位ランキングの第5位に踏みとどまったものの、残りの2本のうち、「グリーン・ゾーン」は約58%、「リメンバー・ミー」は約59%と、大きく数字を落としています…。
戦争ファンタジーの「グリーン・ゾーン」は、アメリカ人のイラク戦争に対する後悔の念を、やわな理想の夢物語に置き変えた…といった批判的な見方が強まりつつあり、「リメンバー・ミー」は大ドンデン返し?!のオチのネタに使われた“現実の出来事”の当事者の一部から、不快の念を表した抗議の声があがってしまい、そうなると、とてもデリケートな領域の問題になってしまうので、まともな人は恐ろしくて、もう、この映画について触れたくありません…。
どちらの作品も果敢に社会問題を取り入れながら、それをうまく消化できなかったことで、結果的に観客を離れさせてしまったのだとしたら、屁タレ男のバカ恋愛映画に一蹴されてしまったのは、まさに皮肉ですね…。
「グリーン・ゾーン」は、この様子ではポール・グリーングラス監督の社会派エンタテインメントの前作「ユナイテッド93」(2006年)の低調な国内興行成績=約3,148万ドルにすら及ばないか、それと同等の成績に落ち着く可能性が懸念されています。低予算の約1,500万ドルでつくった同映画の7倍から、一説によれば10倍にも相当する1億ドル超の製作費を費やした「グリーン・ゾーン」は、まさに最悪の沈没映画になってしまいそうです…。
主演のマット・デイモンは、作品の内容の評価は別にして、昨2009年中に出演した前2作品=「インヴィクタス」(国内成績=約3,745万ドル)、「インフォーマント」(国内成績=約3,331万ドル)が共に奮わず、この「グリーン・ゾーン」もダメだったことで、3連続空振りの三振となっています…。マット・デイモンの最後のヒット作は、2007年夏に公開された「ボーン・アルティメイタム」(国内成績=約2億2,747万ドル)ですから、同映画のポール・グリーングラス監督とのコンビ作が沈没してしまったのは、本当に痛い結果と言えそうです…。



その他のランキングで目立った点としては、ロマン・ポランスキー監督の陳腐なサスペンス映画「ゴーストライター」が、公開館数を一気に595館増やして、先週の第15位から、売上げを約7割もアップさせ、BEST10一歩手前の第11位にまで浮上しています。
ダコタ・ファニングとクリステン・スチュワートの2大アイドルがダブル主演した青春音楽映画「ランナウェイズ」は、配給のアパリションが244館で限定公開したオープニング成績が約80万3,000ドルで、第18位での初登場となりました。
本作の概ね半ばする評価の賛否の賛は、やはり、若い観客層の支持で、否は映画に目の肥えた本格派層の不支持のようなので、興行的には、アイドル映画として、どこまで観客を動員できるか?!が、今後の拡大公開に向けてのプロモーションの焦点となりそうです。






さて、今週末の全米公開映画は…、第5位のバカ恋愛映画「シーズ・アウト・オブ・マイ・リーグ」の屁タレ男で、サム・ワーシントンとはちょっと違う意味で、無名俳優として有名な?!ジェイ・バルチェルが主人公の少年の声を担当し、小学生に敗れたジェラルド・バトラーと声優共演しているドリームワークス・アニメの最新作「ヒックとドラゴン」(8月7日公開)を、パラマウント映画が3,000館超で公開します!!
「アリス・イン・ワンダーランド」が、同じく3Dで襲ってくるドラゴンにふっ飛ばされるのはまちがいなさそうですが、先に疑問を投げかけたジェラルド・バトラーの今後は…、あッ、まだ、この手があったのか…ッ!!といった感じで、また自分はアクション俳優として肉体を酷使せず、楽をして声だけのヒット狙いで、ガキ映画にリベンジを果たしそうです…?!
そして、もう1本は、ウインターリゾートのスキー場のお風呂がタイムマシンだった…ッ?!という、ジョン・キューザック主演の奇天烈な発想のコメディ映画「ホット・タブ・タイムマシーン」を、明日あさってにも会社のよりどころとなる新しいスポンサーが決まるかもしれない倒産寸前のMGMがリリース!!
現代の2010年でサエない暮らしを送っている4人の悪友の野郎たちが、バブリーで景気のよかった華やかな1986年にタイムスリップし、人生をやり直そうとするのですが…。
この映画の監督は、大学に入れない劣等生の連中が、ならば自分たちで大学を作ってしまえ…ッ!!という、やはり、バカバカしい設定で、ジャスティン・ロングが主演したコメディ映画「トラブル・カレッジ/大学をつくろう!」(2006年)が、アホ映画のスキなおバカさんたちからは好評価されているスティーヴ・ピンクです。この「ホット・タブ・タイムマシーン」をはじめ、ジョン・キューザックが自分の主演作を製作するプロダクションのニュークライムを一緒に立ち上げた連れの親友で、名作「ハイ・フィデリティ」(2000年)をプロデュースした人ですね。
現在43歳のジョン・キューザックと、同世代のスティーヴ・ピンク監督ですが、自分たちが青春時代を過ごした80年代が恋しいんでしょうか…?!、しかし、ジョン・キューザックは1986年には、「スタンド・バイ・ミー」の中で死んでいたと思いますが…ッ!!(笑)、それでは、次回のランキングもお楽しみに…!!






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