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リドリー・スコット-エイリアン

かわいい娘が惚れている恋人を1人前の映画監督にしてやろうとしたリドリー・スコット監督ですが、そんな親バカ?!が通用するほど、ハリウッドは甘いところではなかったようです…?!


今年5月にスクープで明らかになった、リドリー・スコット監督が自らの代表作であるSF映画の金字塔「エイリアン」(1979年)のリメイクに近いプリクエール(前日譚)の新作を、弟のトニー・スコット監督と共に製作総指揮をつとめ、リドリー・スコット監督の娘ジョーダンさんの恋人のCMディレクター、カール・リンシュにメガホンをとらせて映画監督デビューさせ、スコット家の跡継ぎ育成?!に乗り出したプランについて、その「新・エイリアン」を製作する20世紀FOXが難色を示し、あくまでもリドリー・スコット監督に自分でメガホンをとることを要求した…という、エンタテインメント・ウィークリーがスッパ抜いたトラブルを、6月初めにお伝えしました
その暗礁に乗り上げてしまった「新・エイリアン」の続報として、最近はあまりデマカセ?!を飛ばしていない様子の Variety が伝えたところによれば、リドリー・スコット監督は20世紀FOXのリクエストに応じて、「新・エイリアン」の監督に就任しただけでなく、脚本を新人のジョン・スパイツ(Jon Spaihts=スパイツという読み方が正しいのか?!、ちょっと微妙です…)が担当することに決定したそうです。
リドリー・スコット監督が新しい「エイリアン」を作る…ッ!!というニュースは、本来ならばバンザイ三唱したいところですが、早ければ今年中にも撮影がスタートするかもしれない、その「新・エイリアン」は前述のようにオリジナル映画に近い内容の作品として、「エイリアン」シリーズのやり直しを意図したもの…と言われているだけに、リドリー・スコット監督ほどの巨匠が、そもそもは拒んでいたセルフ・リメイクに近い仕事を引き受けたのは、スンナリとは納得できず、そこに至った裏側の事情には疑問の目を差し向けたくなります…。
リドリー・スコット監督は1作ごとに新しいスタイルを模索する革新的なヴィジュアリストとして、映画ファンからの厚い支持だけでなく、同業者からも尊敬を集めている真の映画作家ですが、実のところ、2001年の「ハンニバル」(全世界で約5億8,000万ドルの興行収入をあげたリドリー・スコット史上最大ヒット作)以来、過去8年間に作った6本の映画がいずれもコケるか、ロクに黒字の出ない元手回収程度の売り上げにとどまるなど、名声と裏腹にビジネス的には信頼できる監督とは、とっくに言い難い立場に陥っています…。なので、もしかすると、リドリー・スコット監督の腹の内としては、そうした“当らないダメ監督”という不名誉な陰口を、大ヒット確実の伝家の宝刀である「エイリアン」の作り直しで一気に払拭し、キャリアの延命を計りたい…ということなのかもしれませんが、それにしても、何を作っても映画が売れなくなったから、過去の自分の代表作を引っ張り出す…というのは安直な手口で、クリエイティヴなリドリー・スコット監督らしくありません…。
それにまた、仮りにリドリー・スコット監督が、かつての若い新進の自分と勝負するつもりで、オリジナルの「エイリアン」に匹敵する「新・エイリアン」を作ったところで、それは当たり前に過ぎず、新鮮味には欠けてしまいそうな感じもします…。
20世紀FOXとしては、“「エイリアン」と言えば、リドリー・スコットだろーがッ!!”と、シリーズを亜流の「エイリアンVSプレデター」に導いてしまった反省をふまえ、今さらながら王道に則ったこだわりで映画ファンの期待に応えてくれようとしてるのかもしれませんが、まっとうな映画ファンの多くは、新しい「エイリアン」シリーズをスタートするのであれば、未知の若い才能がリドリー・スコット監督の作りあげた世界観に挑んだ完全にゼロから新しい「エイリアン」を観てみたいのではないでしょうか…?!、そういう視点からすれば、リドリー・スコット監督が娘の恋人といった身内びいきを抜きにしても有能なCMディレクターのカール・リンシュに「エイリアン」を撮らせてみよう…!!としたのは正解で、そうした実験的アプローチの方がリドリー・スコット監督らしいように思われます…。「バットマン/ダークナイト」(2008年)や、「ウォッチメン」(2009年)などで、映画革命に挑み続けるワーナー・ブラザースであれば、リドリー・スコット監督の当初のプラン通り、カール・リンシュ監督の可能性を選んで、賭けてみたのでは…?!

エイリアン-リドリー・スコット-シガーニー・ウィーバー

とまぁ、何はさておき、「新・エイリアン」の監督がリドリー・スコット監督に決まった以上、あまりツベコベ言っていても仕方がないので、それよりも気になる新作の内容の方ですが、これは当然、一切、極秘にされています…。しかしながら、リドリー・スコット監督は過去のインタビューで、オリジナル映画の宇宙貨物船ノストロモ号の乗組員たちが、エイリアンに遭遇するキッカケとして惑星LV-426で発見したUFOに起こった惨事について関心がある…と述べ、そのUFOの宇宙人たちが一体、どこでエイリアンを発見したのか?!、あるいは、それとも、彼らがエイリアンを誕生させてしまったのか?!、エイリアンの起源の謎に迫りたい…と語っていました。それこそはまさしくオリジナル映画のプリクエールの前日譚な訳ですから、「新・エイリアン」では、そうした物語が描かれ、もしかすると地球人の人間は一切、出てこないのかもしれません…ッ?!、だとしたら、モーション・キャプチャを使った3-DのCGによる、いかにも流行の映画スタイルの作品に「新・エイリアン」は仕上がりそうな感じですが、果たして、脚本家のジョン・スパイツは、どのようなストーリーを隠し持っているのか…?!
リドリー・スコット監督から栄えある「新・エイリアン」の脚本を任されたジョン・スパイツは現在、キアヌ・リーヴスが主演する予定のSF「シャドー19」をワーナー・ブラザースで執筆しつつ、そのキアヌ・リーヴスから依頼されて、モーガン・クリークのプロジェクトとして進められている、やっぱり、SFモノの「パッセンジャーズ」も担当しながら、同時にディズニーでは「チルドレン・オブ・マース」を書き、さらにソニー・ピクチャーズのために「セント・ジョージ・アンド・ザ・ドラゴン」をリライトしている…といった、かなりの売れっ子です…!!、しかし、それらのいずれの脚本も完成しておらず、実際に映画になった作品はまだ1本もありません…。
ですから、ド新人ジョン・スパイツのストーリー・テラーとしての資質を判断することはできませんが、「シャドー19」は、ハリウッドの業界内で流通する優秀な脚本のカタログ“ブラック・リスト”に載せられていますし、何より、リドリー・スコット監督が彼の「新・エイリアン」のアイディアを聞いて納得したのですから、確かな才能を感じさせる片鱗を窺わせている人物なのでしょう。なお、20世紀FOXは、この「新・エイリアン」のほかに、ティムール・ベクマンベトフ監督が製作する「ザ・ダーケスト・アワー」という作品の脚本のリライトも、ジョン・スパイツに託しています。
しかし、同時に6本もの映画のシナリオを同時進行で進めるとは…、頭の中で物語や、登場人物がこんがらがったりしないんでしょうか…?!

エイリアン-リドリー・スコット-2

とりあえず、一歩前進した「新・エイリアン」ですが、この先は順調に歩むことができるのか?!、続報に乞うご期待ですね!!
それにしても、今回の件で映画ファンから熱い期待を寄せられた才能のカール・リンシュ監督のために、義理のパパのリドリー・スコット監督が別のプロジェクトを用意してあげてくれるといいのですが…ッ!!





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