ティム・バートン監督の「アリス・イン・ワンダーランド」(2010年)が、実は1951年公開のディズニーの古典アニメ映画のその後…を描いた続篇だったことや、サム・ライミ監督の「オズ:ザ・グレート・アンド・パワフル」(2013年)の主人公が、ドロシーではなく、大魔法使いになる前のオズであったり、また、今夏の大ヒット作「マレフィセント」にしても、エルたん扮する “ 眠れる森の美女 ” ではなく、アンジェリーナ・ジョリーの悪い魔女が主人公だったことで、「シンデレラ」もまた、ガラスの靴のヒロインではなく、イジワルな継母や、その娘の性悪な姉妹、魔法使いのおばあさんといった脇役が、主人公にとって代わり、シンデレラは戦うヒロインとして、武器を手に戦闘に挑んだりするのでは…?!などと、ちょっと皮肉った先読みをせずにいられないような、これまでのディズニーの古典ファンタジー復活再生シリーズ?!のひねりを加えた新解釈に、今ひとつ、乗り切れなかったディズニー・ファンの人たちにとっては、あぁ、こういうディズニー映画が観たかった!!と納得の作品に窺える一方で、でも、これだったら、わざわざ実写化しなくても、オリジナルのアニメ映画(1950年)を観返しておけばよい…と、冷ややかな評価を下す人もいらっしゃるかも…?!
「プラダを着た悪魔」(2006年)の女流脚本家、アライン・ブロッシュ・マッケンナと、沈没映画の代名詞のような「ライラの冒険」(2007年)のクリス・ワイツ監督とが、もちろん、シャルル・ペロー作の同名童話を下敷きとして、共同で執筆した脚本を、コミックヒーロー映画「ソー」(2011年)のケネス・ブラナー監督が映画化した「シンデレラ」がリリースした全長版の予告編です…!!
テレビシリーズ「ダウントン・アビー」のリリー・ジェームズが、ガラスの靴のヒロインに大抜擢された新しい「シンデレラ」は、予告編でご覧のように、「ゲーム・オブ・スローンズ」のリチャード・マッデンが起用された王子様との出会いが、お城の舞踏会ではなく、その前にふたりはもう、森で出会っている…(↓ 写真)と変更され、王子様がひと目惚れをしたのは、魔法のドレスで着飾ったシンデレラではなく、どうやら、ふだんの素の彼女だったらしいことから、現実の世界に生きる観客にとって、より共感を持てそうな設定にした点が現代化の新解釈と見なされそうですが、それ以外はおおむね、ディズニーの古典アニメを、そのまま実写に置き換えたかのような作品に窺えます。
よって、冒頭のように、妙なひねり?!が加えられていないらしいことから、これぞ待ち望んでいた、まさにストレートにディズニーらしい王道の作品だ…!!として、大歓迎される方がいるであろう一方、特に目新しい点が観られないことについて、ケネス・ブラナー監督ではなく、そもそも最初にメガホンを託されたマーク・ロマネク監督(「わたしを離さないで」2010年)が作っていたら、どうだったんだろう…?!と、別の「シンデレラ」を想像せずにはいられない方も少なからず、いらっしゃるのではないか…?!と憶測するのですが…、さて、先に代表作にあげた「ソー」ではなく、「から騒ぎ」(1993年)や、「ハムレット」(1996年)といった、シェイクスピアの古典をスマートな現代映画に仕立て上げる名手としてのケネス・ブラナー監督が手がけた風に思える「シンデレラ」の雰囲気が窺えた全長版の予告編をご覧になって、CIAリーダーのみなさんは、どのような感想をお持ちになられたでしょう…?!
ケネス・ブラナー監督の新しい「シンデレラ」で、イジワルな継母を演じているのは、「ブルー・ジャスミン」(2013年)で、アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ、ほぼ全部?!の女優賞を総なめにしてしまったような無敵のケイト・ブランシェット!!、その実の娘の性悪な姉妹たちとして、シンデレラをいじめるのは「アンナ・カレーニナ」(2012年)のホリデイ・グレインジャーと、リリー・ジェームズと同じく、「ダウントン・アビー」から起用されたソフィー・マクシェラ。シンデレラにカボチャの馬車や、ガラスの靴を与える魔法使いのおばあさんは、「アリス・イン・ワンダーランド」にも出演してたヘレナ・ボナム=カーター。そして、「ソー」シリーズから、ステラン・スカルスガルドが参加しているほか、「キャプテン・アメリカ」シリーズのヘイリー・アトウェルも登場するなど、ディズニー・マーベルのコミックヒーロー映画のキャストも顔を観せてくれることになります…!!
ディズニーが、本来のディズニーらしく映画化したらしいことで、ディズニー・ファンタジーのマジックを堪能できそうな新しい「シンデレラ」は、来春2015年3月13日から全米公開です…!!
The story of “Cinderella” follows the fortunes of young Ella (Lily James) whose merchant father remarries following the death of her mother. Eager to support her loving father, Ella welcomes her new stepmother (Cate Blanchett) and her daughters Anastasia (Holliday Grainger) and Drisella (Sophie McShera) into the family home. But, when Ella’s father unexpectedly passes away, she finds herself at the mercy of a jealous and cruel new family. Finally relegated to nothing more than a servant girl covered in ashes, and spitefully renamed Cinderella, Ella could easily begin to lose hope. Yet, despite the cruelty inflicted upon her, Ella is determined to honor her mother’s dying words and to “have courage and be kind.” She will not give in to despair nor despise those who mistreat her. And then there is the dashing stranger she meets in the woods. Unaware that he is really a prince, not merely an apprentice at the Palace, Ella finally feels she has met a kindred soul. It appears her fortunes may be about to change when the Palace sends out an open invitation for all maidens to attend a ball, raising Ella’s hopes of once again encountering the charming Kit (Richard Madden). Alas, her stepmother forbids her to attend and callously rips apart her dress. But, as in all good fairy tales, help is at hand, and a kindly beggar woman (Helena Bonham-Carter) steps forward and – armed with a pumpkin and a few mice – changes Cinderella’s life forever.
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