例えば、思うような仕事に就くことができずに仕方なく、特にしたくもない時給のアルバイトで毎日をガマンしているフリーターのような人は、ともすると、自分の人生の時間を切り売りしてるみたいな気持ちになってしまうかもしれませんが、そういう、もどかしさが映画のテーマには盛り込まれていそうです…。
イーサン・ホークとジュード・ロウが共演したSF版「太陽がいっぱい」とでも言った傑作「ガタカ」(1997年)で、映画監督デビューを飾り、ジム・キャリーのお笑い一辺倒ではない映画の代表作「トゥルーマン・ショー」(1998年)のシナリオを執筆したことで、目の肥えた映画ファンから動向が注目されている才人アンドリュー・ニコル監督の最新作となる近未来SFスリラー映画「イン・タイム」が、先週行われたサンディエゴ・コミック・コンで、約4分間もある盛り沢山な予告編を初公開し、それの紹介も追いつかないうちに、配給の20世紀FOXが新しい予告編をリリースしました!!、と言っても、わずか1週間ほどの間隔で、予告編をリニューアルするのは、いくら何でもせっかちなので、どういうことだろう…?!と思っていた矢先、新しい予告編はどうやら、それをリリースしたゴシップサイトの Access Hollywood が解禁のタイミングを誤まって公開したものらしく、同サイトは動画をテイクダウンしてしまいましたが、映画サイトの WorstPreviews が保存しておいてくれたので、第1弾のコミコン版予告編と、フライングで登場した第2弾の予告編をあわせて、ご覧ください…!!
「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)で俳優としての力量が初めて認められた歌手のジャスティン・ティンバーレイクと、エロカワ女優のアマンダ・セーフリードのカップルを主演に起用し、アンドリュー・ニコル監督が自作のシナリオを映画化した「イン・タイム」は、まさに時は金なりといった、時間がお金の代わりを果たすことになった近未来の時間格差社会を背景としたSFスリラー映画です…!!
具体的なあらすじとしては…、21世紀の終わり、人口の夥しい増加を食い止めるため、老化のメカニズムの遺伝子を操作した人類は、すべての人の肉体年齢を25歳で止め、それより年長には外見が老け衰えることはないという美点をもたらす代わり、ひとまず無償で与えられる猶予の1年より先の26歳以後は、せっせと寿命の時間を購入して、生きていかなければならない、時を通貨としてやり取りする制度を作り上げてしまった…。そのため富裕層に属する金持ちは資産にまかせて、容易に永遠に若い姿で生きられる不死身を手にするのとは裏腹に、庶民はあくせく働いて、まさに厳密に言葉どおりのその日暮らしを強いられてしまうことに…。
そうした不公平の時間格差社会で、死に直結する時の貧困にあえぐ層に属するジャスティン・ティンバーレイクの主人公ウィルは、1世紀以上もの寿命を持ちながら、あえて自殺することを選んだ男から、運よく時間を譲り受けるが、そのあり余る余生を、時間切れの母に与えることがかなわず、死を看取ったことを転機に、世の中を変えたいという思いに駆られ、権力者の富裕層の世界に足を踏み入れる。しかし、時間の富を目当てに殺人を行ったというカン違いの濡れ衣を着せられたウィルは、時間社会を管理する警察組織のタイムキーパーズから追われる身となり、とっさに人質に選んだ金持ちの娘シルヴィアと逃亡するハメに…!!
…といった、ドラエもんの時間貯金箱からインスパイアされた?!ようなストーリーですが、持てる者と持てない者との格差といった現実を反映したSFの設定の中で、生きる本当の意味は何なのか?!といったテーマが問われていそうなあたりは、「ガタカ」に通じているだけに、アンドリュー・ニコル監督のファンの方にとっては待望の最新作といった「イン・タイム」ですが、しかし、各予告編は観ようによっては、よくあるパターンの追いつ追われつのチェイスものアクション・スリラーといった娯楽作の次元に甘んじ、「ガタカ」ほどの深い感銘を備えたスタイリッシュな作品ではないかもしれない雰囲気もあるので、過剰に期待するのは、もう少し先送りして、様子を見たほうがよいのかも…?!
4番めの男のアレックス・ライダーに迫られ、危機一髪のところを助けてくれたジャスティン・ティンバーレイクに自分の持つ時間を相続させるという、「ガタカ」で言えば、ジュード・ロウのような役回り?!のヘンリーは、「テキサス・チェーンソー ビギニング」(2006年)に出演していたマット・ボマーですが(↑)、テレビシリーズ「WHITE COLLAR: 天才詐欺師は捜査官」の主人公の人ですよと言うほうがわかりやすいのかもしれませんね。
そのヘンリーからもらった100年以上もの寿命を届けるのが間に合わず、亡くなってしまう主人公ウィルのお母さんレイチェルは、全米で今週末から「カウボーイズ&エイリアンズ」が封切られたオリヴィア・ワイルドさん。
そして、ジャスティン・ティンバーレイクとアマンダ・セーフリードのカップルを追う、ストイックなタイムキーパーは、「インセプション」(2010年)のキリアン・マーフィーです!!(↓)
アンドリュー・ニコル監督がどういったメッセージを発してくれているのか?!、結末が楽しみな最新作「イン・タイム」は、今秋10月28日から全米公開!!、なお、アンドリュー・ニコル監督の次回作は、「トワイライト・サーガ」の原作者ステファニー・メイヤーの同名ベストセラー小説を、天才美少女のシアーシャ・ローナンちゃんを主演に迎えて映画する、やはり、SFジャンルの「ザ・ホスト」です!!
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