夫婦役で共演したダニエル・クレイグとレイチェル・ワイズが先月6月22日に本当に結婚式を挙げ、現実に夫婦になってしまった!!というハッピーな話題とは裏腹に、映画そのものはすでに半ば失敗作として諦められているスリラー映画「ドリームハウス」のポスターみたいなものです!!、ポスターみたいなもの…って?!と、“みたいなもの” は余計なんじゃないですか?!と首をかしげられてしまいそうですが…、
ポスターを大きく拡大して、下部に羅列されたクレジットの文字をご覧になれば、実はまるで無関係な別の映画のクレジットが見た目の体裁をとり繕うため?!に、仮りに当てはめられているだけであることがわかります。なので、このポスターは、本作を配給するユニバーサル映画から公式にリリースされたものでないのは、ひとまず、まちがいありません。
それでは、さりとて、あながちニセモノにも見えない、このポスターの出どころは?!と言うと、ロシアの映画サイト Kinopoisk です。ロシアで来月8月4日から封切られる「ドリームハウス」は、全米では9月30日公開ですから、ポスターぐらいリリースされていても、おかしくないことになります。しかし、これまでのところ、ユニバーサル映画は本作をヒットに導くべく宣伝する素振りを一切、見せないことから、公開を間近に控え、業を煮やしたロシアの配給会社が、ユニバーサル映画からポスター・デザインの素のアートワークを取り寄せ、ハリウッド映画のポスターに見えるように、テキトーなクレジットをつけ足して、自国でリリースしてしまった…?!とでも、この「ドリームハウス」のおかしなポスターについては憶測して、解釈するしかないような気がします。
このように変テコなポスターが登場してしまうことからも、何かがおかしい?!と感じられる「ドリームハウス」のメガホンをとったのは、「マイ・レフトフット」(1989年)や、「イン・アメリカ」(2002年)といった作品で知られる名匠のジム・シェリダン監督です。しかし、昨2010年秋にキャストをみな呼び戻しての撮り直しが必要…と判断されてしまった本作は、折悪しく、主演のダニエル・クレイグがすでに、デヴィッド・フィンチャー監督のリメイク版「ミレニアム」の第1章「ドラゴン・タトゥーの女」(12月全米公開)の撮影に突入してしまっていたことから、撮り直しの撮影再開を待たされることになり、当初に予定してた今年2011年2月18日の封切りをキャンセルしなければならないハメとなってしまいました…。
そして、新しい全米公開日が前述の9月30日に設定されたわけですが、「ドリームハウス」を配給するユニバーサル映画は、今月7月末29日にも、やはり、ダニエル・クレイグ主演の「カウボーイズ&エイリアンズ」を封切ることになっています。ユニバーサル映画としては、まず「カウボーイズ&エイリアンズ」を公開し、その話題に便乗して、「ドリームハウス」のプロモーションを始めよう…ということなのかもしれませんが、いずれにしろ、ダニエル・クレイグほどのスターの映画を、わずか2ケ月のスパンで連続して封切る…というのは、フツーに考えれば、ちょっともったいない感じで、間隔を置いて、観客を待たせた方が有効な気がします。
そのユニバーサル映画の「ドリームハウス」の性急な封切り方と、撮り直しから公開延期に到った一連の経緯に加え、ユニバーサル映画が現時点で、映画の存在を世間に知らせる努力を一切していない事実を踏まえると、どうやら、本作は映画の内容にトラブルを抱え、単独の作品として大々的に封切っても、ヒットしそうにない…といった判断から、宣伝プロモーション費は徹底的に切り詰めるため、同じダニエル・クレイグ主演の話題作「カウボーイズ&エイリアンズ」と連続公開することで、その余勢のおこぼれにあずかろう…とでもいったことが自ずと窺えてしまうのではないでしょうか…?!
だったら、同じミステリー・スリラーつながりで、「ドラゴン・タトゥーの女」の尻馬に乗ることを目指した方がよかったのでは…?!と思いたくなる「ドリームハウス」の物語は、ダニエル・クレイグとレイチェル・ワイズの演じる夫婦が、ふたりの娘を連れて、移り住んだ新居はかつて、母と子どもたちが惨殺された恐ろしい事件の現場となった、曰くつきの物件だった!!という発端から、自分たち家族が新たな殺しの標的にされる可能性を覚ったダニエル・クレイグが、過去の被害者をよく知る隣人のナオミ・ワッツと一緒に、母子の殺人事件の背景を調べていく…といったものです。
単に気づかなかっただけで、これまでに紹介したポスターにも、これと似たような、映画のタイトルとクレジットの詳細とがマッチしていないものはあったのかもしれませんが、正真正銘のホンモノでもなければ、フェイクでもないらしい…といった、この「ドリームハウス」のように変なポスターは初めて、目にしたような気がします。
それとも、この一見、無関係にしか見えない別の映画のクレジットは、何かの謎を秘めたヴァイラル・マーケティングの口コミ宣伝なのでしょうか?!、CIAリーダーのみなさんは、「ドリームハウス」の奇妙なポスターについて、どのように思われたでしょう…?!
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