リスキーなSF超大作「インセプション」が大ヒットで、ワーナー・ブラザースが賭けに勝利し、レオが自己ベストを更新する一方、ディズニーはもう、ジェリー・ブラッカイマーに電話しないかもしれない?!7月第3週の興行レポート!!
by
Billy
2010年7月19日月曜日
夢はもうひとつの現実だ…!!というテーマを、クリス・ノーラン監督が掲げた最新作「インセプション」は、観客に映画を読み解くことを求める少し込み入った知的な内容と、その独創的な展開を事前に宣伝で明かすことができないため、大ヒットか?!、それとも大コケか?!、イチかバチか、のるかそるかの賭けにワーナー・ブラザースが打って出た超大作として、興行の行方が不安視されてきましたが、結果はものの見事に、夢は現実となりました…!!
今春2月に公開されたマーティン・スコセッシ監督のスリラー映画「シャッターアイランド」で、自己最高のオープニング成績=約4,106万ドル(3,356館)を記録したレオナルド・ディカプオは、相手役の共演者に、ハリウッドで最もまともな俳優と言われるケン・ワタナベを迎えた「インセプション」で、その自己ベストをさらに更新し、スーパースターとしての面目躍如を果たして、天才クリス・ノーラン監督との初顔合わせは大正解となりました…!!
しかしながら、ニック・ケイジの夜行性の魔法使いが陽の目を見ることはかなわず、この週末の全米映画興行は、全体で約9%のマイナス売り上げとなっていますが、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が初登場第1位を飾った前年同時期との比較では、反対にやはり約9%のアップとなっています。ディープな大阪ピープルがひと言でまとめる、ボチボチでんなぁ~といった商売の状況ですね…!!
★本来くり返されるはずのないことが、何度も何度もくり返される中に意味を見い出していく…という作家性が存分に発揮された「メメント」(2000年)や、「プレステージ」(2006年)といった、限定公開で封切られてきたマニマ向けのカルト映画と、大衆の万人を相手取った娯楽のブロックバスター映画として歴史的大ヒットを果たした「バットマン」シリーズという、クリス・ノーラン監督の相反するふたつの側面が初めて、ひとつになった…!!と言って、差し支えのないSFアクションのカルトな超大作「インセプション」を、製作・配給のワーナー・ブラザースが、全米3,792館の約6,700スクリーンで封切ったオープニング成績は約6,040万ドルでした…!!
サマームービーの話題作としては、少し物足りない数字ながら、本作がすでによく知られた映画のリメイクや、人気シリーズの続編ではなく、まったくのオリジナル・コンテンツであり、冒頭に記したように、あらかじめ、その内容が秘密に近かったことを踏まえると、驚異的とも言える大成功を果たしたと好評価されそうです…!!
また、この週末に海外の7つの市場でも同時に封切られた「インセプション」は、それらの諸外国でおよそ1,560万ドルを稼いでいますから、全世界でのトータルの売り上げは約7,600万ドルとなり、ワーナー・ブラザースの公称の製作費=約1億6,000万ドルの半分に近い金額が、オープニング興行だけで、ひとまず回収されたことになります。
ただし、ワーナー・ブラザースは、それとは別に約1億ドルを、映画の中身を明かせない苦しい宣伝のマーケティング費用に使っていますから、よって、少し複雑な「インセプション」の内容に関して、あの場面はどういう意味だったのか?!、結末をどう解釈した…?!といった話題の口コミが今後、世間に広まり、ロングランに発展するのを見届けるまで、ビジネス面において、ワーナーの重役のみなさんはまだ、完全に安心することはできなさそうです。
そのワーナー・ブラザースの調べによれば、全米の「インセプション」の封切りに詰めかけた観客の約56%が男性で、全体の約4分の3が35歳以下の若い観客だったそうですから、ダークナイトとジョーカーの一騎打ちに酔いしれて、クリス・ノーラン監督の映画世界に惚れこんだ観客が、「インセプション」を待ちわびて、映画館に急いだのかもしれません。なお、「インセプション」が全米の約1,600館で行った前夜祭となるミッドナイト興行の売り上げは約300万ドルで、それを含めた初日16日(金)の興行成績は約2,156万ドル、で、翌土曜日(17日)もほぼ同額の約2,157万ドルでした。
以上のような実績から、「インセプション」が期待できる観客の潜在的な数は、まだまだ大変、多いであろうことが察せられるのと、クリス・ノーラン監督の実験的な映画作りが当たり目に出て、リピート鑑賞が可能な作品となった本作の収益性は総じて高く、「バットマン/ダークナイト」(2008年)のビリオンダラー・ヒットのお礼?!として、リスクの高い賭けに応じたワーナー・ブラザースは、最終的にはキッチリと儲けさせてもらうことになるのではないでしょうか…!!
「ダークナイト」の成功に安易に乗っかり、無難に「バットマン3」を作るのではなく、ここぞとばかりに、普通ではこの大規模では作れない「インセプション」に着手したクリス・ノーラン監督の戦略は、本当に賢明だった…!!と、脱帽するしかありません!!
で、下 ↓ は、3Dメガネをかけさせることで、3Dだと観客に思い込ませる、M・ナイト・シャマラン監督の3Dで観ても、2Dで観ても、2D映画の大失敗作「ザ・ラスト・エアベンダー」の時には、金返せ!!と怒ってる観客しか取材できなかった ReelzChannel のクリス・アンダーウッドが、それとは正反対に、スゲー!!、スゲーよ!!、「インセプション」!!と大絶賛で、軒並み10点満点の観客しか見つけられなかったらしい?!前夜祭レポートの動画です…!!
実際のところ、「インセプション」は Ryota さんがレビューで指摘してくれたように、欠陥と思える箇所もあり、けして満点とまでは言い切れない作品ですが、映画の格付けサイト RottenTomatoes で、84%の支持率を集めてる通りに、映画評では概ね、A+ から B- の間で、平均すれば、B+ といった評価となっています。いずれにしろ、けなしてる人はほとんど、見当たらない…ということですね。
「インセプション」 夢の音作りの秘密…!!
映画の音響効果に徹底して、こだわり、職人さんたちの優れた仕事を世に紹介することを使命としている SOUNDWORKS COLLECTION.com が取材してくれた「インセプション」の夢幻世界の音がどのように創られたか?!、そのサウンド・マジックの裏側を明かしてくれている貴重な動画です…!!
「インセプション」は恐らく、次回アカデミー賞で少なくとも、最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀オリジナル脚本賞の3部門において候補になるのではないかと予想しますが、映画作りの技術面の高さにも着目せざるを得ない本作は、音響効果でもきっと、オスカーの最有力候補にあげられることになりそうです…!!
果たして、サマームービーながら、様々な意味で映画のクオリティに挑んだ革命的な「インセプション」が、最終的に何部門でオスカーにノミネートを果たすのか?!、目利きのみなさんも映画館で吟味してみてください…!!
★スーパープロデューサーのジェリー・ブラッカイマーと、大根役者のニコラス・ケイジという、過去に「ナショナル・トレジャー」シリーズをはじめ、「ザ・ロック」(1996年)、「コン・エアー」(1997年)といった大ヒット作を放ってきたコンビによる、ディズニーのファンタジック・アドベンチャー映画「ソーサラーズ・アプレンティス/魔法使いの弟子」が、3,504館で集められたオープニング成績は、たったの約1,737万ドルで、封切りの初日14日(水)からの売り上げを全部足しても、5日間で約2,446万ドルしか売り上げることができませんでした…。
ディズニーの古典の名作アニメ「ファンタジア」(1940年)の一部を下敷きに、前述の「ナショナル・トレジャー」シリーズで、ニック・ケイジを腑抜けにしたジョン・タートルトーブ監督がメガホンをとった本作の製作費は、リスキーな賭けに才能の結集で打ち勝った初登場第1位の「インセプション」=約1億6,000万ドルと、そう代わらない莫大な金額の約1億5,000万ドルですから、この結果を知ったディズニーの重役のみなさんから血の気が引いて、悪寒が走り、冷房をとめたくなったであろうような光景が想像されます…。
で、そのディズニーの重役の配給部門代表チャック・ヴィアン氏は、この惨たんたる敗北について、“何がよくなかったのか?!、その原因を特定することが困難だ…”なんて、トボケたコメントを発表していますが、オープニング興行の観客の半数以上を占める約55%が55歳以上の高齢者だった…!!ことからして、そもそも、ニコラス・ケイジの映画を、もう、まっとうな映画ファンは真面目に受け止めない…という、いつものぼくの毒舌の冗談のようにしか思われていない“大根役者”の事情が、あらためて事実として証明されたような格好となっています。
その他にも、ニコラス・ケイジの魔法使いが主役なのか?!、それとも、弟子の無名俳優として有名なジェイ・バルチェルが主人公なのか?!、あるいは、そのふたりのバディ・ムービーなのか?!、映画の核となるキャラクターを絞り込んでプロモーションできなかったことや、基本的には、子どもを中心とする家族向けファンタジー映画のはずなのに、夜の場面が多すぎること、ヒロインとして、若いテリーサ・パーマーの女子大生が登場するものの、お父さんたちのオカズ?!のような熟女の領域のお色気女優モニカ・ベルッチ(↓)の方が目立ってしまった点など、一見して、素人でもわかる矛盾した要素が、「ソーサラーズ・アプレンティス/魔法使いの弟子」には多々あり、それらを整理して、本来のあるべき魅力として観客に伝えられなかったことが敗因と分析されていますが…、つまり、チャック・ヴィアン氏のコメントは、そうした問題が多すぎて、ひとつに絞りきれない…ということなんでしょうか…?!
プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーは、今夏のサマームービーとして5月に封切られた「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」のオープニング成績が、巨額の製作費=約2億ドルに対して、約3,009万ドルの大失敗で、全世界でのトータルとしては、約3億2,657万ドルを稼げているものの、国内では、現在までに約8,917万ドルしか売り上げられておらず、最低ノルマの大台1億ドルすら超えられそうにありません…。
さらにその前作で、ニック・ケイジが声優をつとめた「G-フォース」(2009年7月公開)は、製作費=約1億5,000万ドルに対して、オープニング成績が約3,170万ドル、国内の最終売り上げが約1億1,943万ドルで、全世界の合計は約2億9,281万ドルでした…。
で、さらに前作として、新境地のラブコメに挑んだ「お買いもの中毒な私!」(2009年2月公開)の製作費は非公開となっていますが、オープニング成績は約1,506万ドルで、国内での最終的な成績は約4,427万ドルですから、いずれにしろ、ディズニーに大きな利益をもたらしたとは思えません。
よって、ディズニーはもう、三振空振りのジェリー・ブラッカイマーに電話しないかもしれない?!という見出しは大げさで、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの新作「オン・ストレンジャー・タイヅ」などを、来年2011年のサマームービーとして、ジェリー・ブラッカイマーは、これからもディズニーで封切っていくわけですが、そうした既に実績のあるシリーズもの以外に、ディズニーが今後、新しいオリジナル映画の企画に、うんと容易にうなづいてくれるのか…?!は疑問で、いずれ慎重な態度で、距離を置かれたとしても、やむを得ないでしょう…。
なお、「ソーサラーズ・アプレンティス/魔法使いの弟子」が盛大にコケることを察知したディズニーは、前売り券を1枚買えば、もう1枚プレゼント!!という、実質的に捨て身の半額キャンペーンまで、数量限定で行いましたがが、それによって、とにかく観客数を増やすことで、もたらされると期待した口コミの効果は、今のところ酷評しか、あがっていないようです…。
★さて、今週末の全米公開映画は…、
アンジーVSセリーナ!!
…ということで、常連のCIAリーダーの方からは、ビリーさんはいったい、どちらを応援すればよいのか?!、さぞかし、苦悩していることでしょうね…!!と、笑われそうな対戦の組み合わせとなってしまいました…ッ!!
けれど、同時に常連のCIAリーダーの方は、ぼくが2年前の初夏ごろから、セルを応援しているのをご存知のはずですから、きっと、この真面目な女の子はやって来る!!と見込んだセルが、ぼくの予定通り?!に、テレビのティーン・ドラマの枠から飛び出して、とりあえず、全米映画興行の記事でも語れるところまでやって来てくれたので、セリーナ・ゴメスの健闘に期待をしてあげましょう…!!
とは言え、アンジェリーナ・ジョリーが主演していることぐらいしか取り得のないスパイ・スリラー「ソルト」(7月31日公開)を、ソニー・ピクチャーズが約3,400館で封切るオープニング成績の予想が約2,600万ドル前後のパッとしない数字になりそうなのに対して、20世紀FOXが約2,700館でリリースするセルのファミリー映画「ビーザスといたずらラモーナ」の売り上げは、さらにその半分の約1,200万ドルあたりになりそうです…。
よって、歳も半分で17歳のセリーナ・ゴメスは、まだまだ、とうてい敵わないアンジェリーナ・ジョリー35歳の胸を借りるような格好ですから、セリーナの方を応援してあげなければなりません…!!
それでは、セリーナ・ゴメスが歌う「ビーザスといたずらラモーナ」の、とっても爽やかな主題歌「Live like there's no tomorrow」を一緒に歌える歌詞付きでお楽しみください!!
上 ↑ は、アメリカでは昨日となる17日(土)に、共にタイトル・ロールをつとめ、今や、私生活でも“妹”化した、いたずらラモーナのジョーイ・キングちゃんと一緒にプロモーションのため、降り立ったマイアミの空港でまた、ビーザスお姉さんがチュウしているところ…!!
で、下 ↓ の2枚は、現地マイアミのボーダーズで、宣伝イベントを行った姉妹の様子です…!!
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