ザック・スナイダー監督には、社運を賭けた最も大切なプロジェクトであるスーパーマン映画の「マン・オブ・スティール」(2012年12月全米公開)にのみ集中していただきたい…!!という、製作のワーナー・ブラザースの要望により、メガホンが別の者に託されることになった、「300」(2007年)のスピンオフ映画「クセルクセス」に動きがあったので、お伝えしておきます…!!
ザック・スナイダー監督が、コミック作家フランク・ミラーの原作を映画化し、人気監督の地位を不動にする大ヒットを飛ばしたエピック・バトル・ムービー「300」(2007年)のスピンオフ映画として企画された「クセルクセス」について、業界メディア Deadline NY のマイク・フレミングが最新の状況をレポートしてくれたので、お知らせしておきます!!
まずは…、オリジナル映画では、ブラジル出身のロドリゴ・サントロが演じ、悪役として登場したキャラクター、クセルクセスの名前を採用していたスピンオフ映画のタイトルが、ヒット作「300」の関連作品であることがわかりやすいように、題名に「300」が盛り込まれ、「300: バトル・オブ・アルテミシア」(300: Battle of Artemisia)に改められました。
この変更については、前作の成功をよりどころとしたい、いかにも第2弾の映画らしい、ベタなマーケティングだなぁ…と直感的に思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、オリジナル映画でテーマとされたテルモピュライの戦いと、スピンオフ映画が新たに副題に採用したアルテミシオンの海戦とは、同時発生していた出来事であり、スピンオフ映画は、「300」の内容を別の側面から描く意味合いを持つことになるため、姉妹映画にあたると理解すれば、タイトルに「300」がつくことには、それほど無理がなく、けして、強引なこじつけとも言い切れません。
ただし、フランク・ミラーの原作コミックにもとづけば、新作「300: バトル・オブ・アルテミシア」では、オリジナル映画から約10年前の紀元前490年ごろに、ペルシア軍がギリシャのアテナイ軍と戦ったマラトンの戦いが描かれることになり、その戦争でクセルクセスの父ダレイオスが致命傷を負い、息子にあて、ギリシャに攻め入ってはならない…、ギリシャを罰することができるのは神のみだ…と言い残したことから、クセルクセスが復讐のため、自らが神になることを誓い、「300」で観られたような神格化された人物へと転生していく様が物語られるようなので、古代の戦争アクションのみならず、クセルクセスの複雑な人物像が、スピンオフ映画では重要なテーマとはなるようです。
さて、次に…、そのクセルクセスが父の死をキッカケに、復讐のため、神になる経緯と、言わば、弔い合戦の戦いが描かれることになるスピンオフ映画「300: バトル・オブ・アルテミシア」の脚本を執筆したのは、そもそもは自分でメガホンをとるつもりだったザック・スナイダー監督本人と、前作「300」の脚本も共同で執筆したカート・ジョンスタッドのコンビですが、冒頭のように、ザック・スナイダー監督がワーナー・ブラザースにとっての最重要課題であるスーパーマン復活の「マン・オブ・スティール」を担当することになったため、…「サッカーパンチ」(2011年)の失敗で更迭されたという見方の人もいるようですが、それでは「クセルクセス」より重要な「スーパーマン」を託された事実と矛盾して、筋が通らない…、代役の監督として当初の今年2011年2月に、やはり、ワーナー・ブラザースで、ロバート・ダウニー・Jr主演の「シャーロック・ホームズ」シリーズを担当するガイ・リッチー監督が指名をされたものの、同監督がすぐに断ってしまったため、さらに探し求められていた後任の監督が、ようやく、次の2名にまでしぼり込まれたそうです。
ひとりめは、ワーナー・ブラザースで、チャイルド・ホラーの「エスター」(2009年)を成功させたのに続き、やはり、ワーナー・ブラザース製作のリーアム・ニーソン主演のスリラー・アクション映画「アンノウン」を、今年2011年2月にヒットさせたジャウム・コレット=セラ監督なので、これはそれぞれの映画の実績がストレートに評価された…という、候補に選ばれた起用の背景が、実にわかりやすい人事の考え方となっています。
しかし、ふたりめの、もうひとりの対立候補であるノーム・ムーロ監督は、主演のデニス・クエイドよりも、娘役にエレン・ペイジが出演していることで注目されたドラマ映画「スマートピープル」(2008年)を作っただけの人なので、そんな地味な映画を作る人がどうして、「300」のスピンオフ映画を…?!といった感じですが、同監督は、ゲームの「Halo」のCMを作っていたセンスに着目されたようで、実はアクション演出に秀でているらしく、すでに20世紀FOXから「ダイ・ハード」シリーズの新作の監督依頼を請け負っています。
完成する映画がある程度まで想像できるような、わかりやすい人材起用のジャウム・コレット=セラ監督よりも、未知のノーム・ムーロ監督がメガホンをとる方が、今後の進展に興味を誘い、もしかすると、おもしろいかもしれませんね。
「300」のスピンオフ映画「300: バトル・オブ・アルテミシア」の具体的な製作スケジュールなどは、まだ伝えられていませんが、監督の候補が2名のどちらかといったところにまで限定されたので、もしかすると今後、急速にプロジェクトが進展するかもしれません。続報をお楽しみに…!!
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