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人間の歪んだ心理を描けば、右に出る者はないと言っても過言ではない鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督が、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005年)と「イースタン・プロミス」(2007年)に続き、名優ヴィゴ・モーテンセンとコンビを組んだ3本めの作品となる最新作「ア・デンジャラス・メソッド」の予告編を披露してくれました…!!、傑作を予感させる予告編を、「スキャナーズ」(1981年)以来、クローネンバーグ監督とは約30年間にわたり、切っても切れない間柄の相棒ハワード・ショアのドラマチックな音楽が盛り立ててくれています…!!










ソニー・ピクチャーズ・クラシックスが配給権を取得した、鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作「ア・デンジャラス・メソッド」の予告編を、イギリスの映画メディア エンパイアが初公開してくれたので、じっくりとご堪能ください…!!、デヴィッド・クローネンバーグ監督が、名コンビのヴィゴ・モーテンセンに加え、大ヒット公開中の「X-MEN/ファーストクラス」のマグニートー=ミヒャエル・ファスベンダー、「パイレーツ・オブ・ザ・カリビアン」シリーズはもはや、彼女の代表作ではない演技派の名女優キーラ・ナイトレイを起用した本作は、キーラ・ナイトレイの真の代表作である名作「つぐない」(2007年)の脚本家クリストファー・ハンプトンが、2002年に発表した戯曲「ザ・トーキング・キュア」の映画化ですが、その戯曲には、さらに原作があり、歴史家のノンフィクション作家ジョン・カーが1993年に著した「ア・モスト・デンジャラス・メソッド」(A Most Dangerous Method: The Story of Jung, Freud, and Sabina Spielrein)が下敷きとなっているため、映画は、その大元の著書のタイトルを一部変え、題名に採用しています。

なので、ノンフィクションが原作である以上、物語としては実話がベースとなり、精神分析学者で医師のフロイトユングは述べるまでもなく、そのふたりと関わりを持つ女性ザビーナ・シュピールラインも、1880年代半ばから、1940年代頃にかけて存命した実在の人物です。半ば…とか、頃…と表記を曖昧にしているのは、あたる資料により、生没年の年号がまちまちで、どれが正しいのか?!、わからないため、ざっくばらんに記しました。


予告編からだけでも、キーラ・ナイトレイがまた自分の演技の成熟度合いを高め、かつ新境地を拓いたことがわかる、難しい役どころのザビーナ・シュピールラインは、女性で初めて精神分析科医となったパイオニアですが、そもそも当の本人が、精神分裂病の患者で、ミヒャエル・ファスベンダー演ずるカール・グスタフ・ユングの治療を、18歳頃から受けることになりました。ザビーナ・シュピールラインは…、ひと言で言うと、変態で、実に幼い頃より倒錯した性に目覚め、三つ子の魂百までの例えに則り、その鬱屈した欲望を抱えたまま成長し、医学の道に進むも、心を病んでいたことで、時に異常な行動を示すため、ユングに受診することになりました。

その珍しい患者のザビーナ・シュピールラインに対して、ユングは、ヴィゴ・モーテンセン扮するジークムント・フロイトの精神分析理論を取り込み、治療に臨んだことから、特殊な症例として、師と仰ぐフロイトに手紙で経緯を報告するなどしていたのですが…、実際のところ、ミヒャエル・ファスベンダーのユングが、キーラ・ナイトレイにしていることを観ると、ちょっと治療とは思えず、医師と患者の一線を越えてしまうようですね…。
史実では、この後、妻のいるユングと、患者にして精神分析学の弟子であり、また愛人でもあるといった複雑な関係に陥ったザビーナとの間がこじれて、袂をわかち、ザビーナはフロイトの弟子へと立場を変えることになるのですが…、フロイトもまた、妻以外の女性の近親者と極めて深く親しい禁断の間柄であったことが伝えられています。


この「ア・デンジャラス・メソッド」では、精神医学に対する見解の相違で、後に断絶することになるフロイトとユングの間に、実はひとりの複雑な女性の存在があり、それぞれの医師の込み入った一連の事情を描くことで、言わば、互いに優れて偉大な精神科医のフロイトとユングとの訣別は、本当に学問的なことが原因であったのか…?!と、スキャンダラスな背景に焦点をあて、疑問を呈することで、人の精神の歪みに注目し続ける医師の精神もまた健康ではない…といった、救われない心の倒錯をテーマに、クローネンバーグ監督は描いているように観受けられます。


「ブラック・スワン」(2010年)でも存在感を発揮したヴァンサン・カッセルが、「イースタン・プロミス」に引き続き、登場するあたりも、デヴィッド・クローネンバーグ監督のファンの方にはうれしいに違いない、まさにクローネンバーグ監督らしい、倒錯に次ぐ倒錯した感情を描いた最新作「ア・デンジャラス・メソッド」の公開予定を、ソニー・ピクチャーズ・クラシックスはまだ公表していませんが、北米では、どうやら今年2011年中に封切るようです。この作品は映画賞レースを騒がすことになるかもしれませんね…!!

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