************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************

先週の「デート・ナイト」VS「タイタンの戦い」に引き続き、微妙な僅差の判定です!!、よって、首位は追って、また入れ変わる可能性もありますが、いずれにしろ、低いレベルの戦いなので、あまり意味がありません…。
しかし、それでも2本の子ども映画がデッドヒートをくり広げた、この週末は前年同時期から比較して、全体で約1割程度の売上げ実績を伸ばしてくれています…!!


アンジェリーナ・ジョリーの大ヒット殺し屋映画「ウォンテッド」(2008年6月公開/オープニング成績=約5,092万ドル)に続く、マーク・ミラー原作のウルトラ・バイオレンス・シリーズ第2弾にあたるコミックヒーロー映画として期待されていた「キック・アス」を、争奪戦の末に手に入れたライオンズゲートが、全米3,065館の約4,400スクリーンで封切ったオープニング成績は、先のランキングでご覧のように、で、わずか約1,975万ドルしか稼ぐことができず、公開4週めのドリームワークス・アニメの3D作品「ヒックとドラゴン」に破れて、初登場第2位で登場の番狂わせとなってしまいました…!!
ただし、第1位「ヒックとドラゴン」と、第2位「キック・アス」の差額は、たった25万ドルなので、アメリカでは明日となる月曜日の集計で、順位が入れ替わる可能性がありますが、それでも数字が極端に大きく修正されることはないので、オープニング成績で3,000万ドル前後は売り上げられるはずだった「キック・アス」が、その期待に全く応えられず、イチかバチかの際どい映画の内容に賭けた勝負は負けに終わってしまったことになります…。

この「キック・アス」については、2008年8月の製作発表からズッとフォローしてきたので、今さら中身を紹介せずとも、CIAリーダーのみなさんはよくご存知だと思いますが、「バットマン」のブルース・ウェインだって、特殊能力など何もない中身はタダの人じゃないか…!!と思った主人公のコミック・マニアのオタク少年デイヴが、ネットオークションで買ったコスチュームを身につけ、ヒーローのキック・アスに変身し、11歳の殺し屋ロリータ、ヒットガール、そして、ヒットガールの父ちゃんのビッグ・ダディらと、麻薬組織に戦いを挑むストーリーです。
この「キック・アス」は、前述のように「ウォンテッド」のマーク・ミラーのコミックが原作ということで、その過激なバイオレンス描写が売りとなっています。特に美少女クロエ・モレッツちゃんが演じたヒットガールが、小学生の女の子なのに、武器を手に敵のアジトに乗り込んで、次々と悪い大人を皆殺しにしていく殺戮シーンが見どころなのですが、そうした子どもが非情に人を殺していくというのはいかがなものか…?!といった倫理面の問題が指摘されたり、また反対に、ヒットガールも無敵ではないため、相手の暴力を被ってしまい、目をそむけたくなるような児童虐待的な描写があることの是非が問われて、アメリカの淀川長治?!みたいな映画評論家の代表のロジャー・エバート67歳は、この「キック・アス」を厳しくこきおろし、レビューで星ひとつしか与えていません…。


殺し屋ロリータのミンディが、パパのデイモンから、お誕生日のプレゼントをもらう場面…、大根役者のニコラス・ケイジが用意したプレゼントとは…?!



↑ このパパの役は最初、プロデューサーのブラピが自分で演じようと思ったそうです…!!


アーロン・ジョンソン演じる主人公のデイヴが、片思いのケイティ(リンジー・フォンセカ)の部屋をコッソリ訪れ、自分がヒーローのキック・アスだと正体を明かし、ケイティからオカマだと思われてる誤解を解こうとするのですが…!!




しかしながら、コミックやゲーム、アニメなどにより親しんで育った、もっと若い世代の映画ジャーナリストらは、「キック・アス」に強い共感を示し、まさに俺たちが待ち望んでいた作品…!!と大絶賛して、これまでにも伝えたように、満点のレビューがいくつも書かれています。
それらを総じて、映画の格付けサイト RottenTomatoes では、186件のレビューのうち、145件がポジティヴ評だった「キック・アス」の支持率を78%と計り、優秀な“新鮮映画”に認定しているほか、アメリカの Yahoo のユーザー・レイティングでは、1,600人以上の投票を元に A- の最高に近い高い評価が、「キック・アス」につけられています。
また、レビューのまとめサイト metacritic でもユーザー・スコアが8.5ポイントの好評価です。
よって、「キック・アス」は、まぁ、あらかじめわかっていたとも言えそうですが、オタク系カルチャーに興味のある観客らは狂喜乱舞して、熱烈に支持し、映画の内容も悪くないものの、その偏った作品の性質から、広く一般に訴えかけられるだけのアピール・ポイントがなく、狭い市場の中で大ウケのカルト映画の域を出なかった…と結論づけられることができそうです。
小学生の女の子が正義の殺し屋で、悪人を叩き斬り、返り血を浴びるなど、持ってのほかだ…ッ!!と、そんな映画を世間は絶対に受け入れられない…!!と常識的な判断を下し、この「キック・アス」の企画をパスしたメジャー・スタジオの各社は、結果的に正解だったわけですが、原作者のマーク・ミラーとブラッド・ピット、そして、監督のマシュー・ヴォーンが自主製作した「キック・アス」のために、独自に集めた製作費は約3,000万ドルです…!!
その製作費(フィルムのプリント代と宣伝費のP&Aを足すと、5,000万ドルは優に超えるはずですが…)でオープニング成績が約2,000万ドルなら、「キック・アス」は最終的には黒字を計上しそうで、少なくとも赤字に陥ることはないと断言できそうなので…、う~ん…、マーク・ミラーとブラピには、ぜひともヒットガールが主人公の続編を作ってもらいたいです…!!


キック・アスメイキング・ビデオ-1




キック・アスメイキング・ビデオ-2




この「キック・アス」と似たタイプの映画は、あまり過去にないのですが、ちなみに、あえて比較の例をあげておくなら、屁タレの青年が頼もしい大人と少女の助けを借りて、勇気を奮い、対決に挑む…というコンセプトに少し共通点が見つけられるブラック・コメディのホラー映画「ゾンビランド」(2009年10月公開/3,036館/製作費2,360万ドル)のオープニング成績は約2,473万ドルで、国内での最終的な興行成績は約7,559万ドル、全世界でのトータルは約1億229万ドルでした。
また、女性が殺戮の修羅の闘いをくり広げる姿を、やはり、ブラック・コメディ的なタッチな交えて、クエンティン・タランティーノ監督が描いた「キル・ビル」シリーズの数字は以下のとおりです。

「キル・ビル Vol.1」(2003年10月公開/3,102館/製作費3,000万ドル)
 オープニング成績=約2,208万ドル、国内成績=約7,009万ドル、全世界トータル=約1億8,094万ドル

「キル・ビル Vol.2」(2004年4月公開/2,971館/製作費3,000万ドル)
 オープニング成績=約2,510万ドル、国内成績=約6,620万ドル、全世界トータル=約1億5,215万ドル

※「キル・ビル」のオープニング成績は、現在のインフレ率を考慮すると、約500万ドル程度上乗せされるので、共に3,000万ドル前後にまで実際は上昇します。

…と、このように観客層が恐らく似通っていると思われる過去のカルトなブラック・コメディ系のアクション映画と比較しても、「キック・アス」のオープニング成績は、やはり、かなり物足りないことが、よりハッキリとしたわけですが、「ゾンビランド」も、「キル・ビル」2部作も、初登場は第1位で華々しく飾っていたので、「キック・アス」の順位も、明日の集計で、どうにか入れ替わってくれることを祈りましょう…!!


美少女クロエ・モレッツちゃんのヒットガールをフィーチャーしたテレビスポット!!






新作の「キック・アス」をしのいで、先月3月末の初登場以来となる、再びの第1位に舞い上がったドリームワークス・アニメ「ヒックとドラゴン」は、その封切り時に3D映画が値上げされたことが逆風となり、オープニング成績が約4,373万ドルにとどまって、過去の同時期に公開されたアニメ映画「モンスターVSエイリアン」(2009年3月公開/オープニング成績=約5,932万ドル)らと比較して、今ひとつ奮わなかったのですが、映画の格付けサイト RottenTomatoes で、98%という驚異的な支持率を誇っている本作は、今のところ、万人が認める2010年BEST①ムービーです…!!
“ドラゴンの背中に乗って、本当に空を飛べたよ…ッ!!”と、多くの観客が感動の“3D体験”に酔いしれ、サイフの中身を度外視して、リピート鑑賞したがる口コミが広がり、高い3D鑑賞料金を支払っても、絶対に損をした気にはならないことが世間にしっかりと認知された「ヒックとドラゴン」の先週の前回からの集客のマイナス率は約20%弱で、第5位のフェイク3D映画「タイタンの戦い」の約40%のなんと半分に抑えられています…!!





この誰ひとりケチをつけない完璧な3D映画「ヒックとドラゴン」のプロデューサーであり、映画を3D化することで、その分の割増し料金を徴収し、興行成績を拡大することができる…という、現在の3D映画のビジネスモデルを完成させたドリームワークス・アニメの代表ジェフリー・カッツェンバーグは、これは三次元映像ではなく、低次元映像だ…!!と怒りを露にした観客のカネ返せ!!のブーイングで叩かれているフェイク3D映画の「タイタンの戦い」について、“白黒映画を無理矢理、カラーにしたような、技術的にできるからやってみました的な最低の3D映像”と評し、3Dで観客を楽しませることを目的とせず、単に自分たちの金儲けだけを考えて、“こんなインチキをしたら、観客が3D映画を観なくなる”から、“ワーナー・ブラザースはフェイク3Dをやめろ…ッ!!”と、同社を厳しく糾弾しました…。
先週末から日本で公開が始まったディズニー映画「アリス・イン・ワンダーランド」も、元は2D撮影したものを、3D映像にコンバートしたので、そういう製作過程は“フェイク3D”として、「タイタンの戦い」と変わりないのですが、「アリス・イン・ワンダーランド」は初めから3D映画にすることを念頭に置いて、ティム・バートン監督が構図を決め、それなりの演出をほどこして、3Dへの変換にも時間を充分にかけたので、3D映画として違和感のない立派な仕上がりになった…と考えられています。
つまり、「タイタンの戦い」は、フツーの2D映画を意図して作ったものを、公開間際に、いきなり思いついたように、3D映像にサッサとお手軽にコンバートしたことが、大失敗の原因と言えそうで…、ならば、この3D映画のブームに乗じて、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや、「スター・ウォーズ」シリーズといった過去の大ヒット作の2D映画を3D化してリバイバルしよう…といったプランが盛んに叫ばれていますが、それらの傑作が、「タイタンの戦い」のような愚作に様変わりしてしまう可能性もありそうで、怖いですね…。
なお、「タイタンの戦い」の名誉のために付け加えておくと、同映画は3Dで観るからダメなのであって、2Dで観れば、それなりには楽しめる…といった、ボチボチの評価です。
この「タイタンの戦い」の3D化大失敗のスキャンダルについて、監督のルイ・レテリエは、“ワーナー・ブラザースが勝手にやったことで、自分は知らない…”と、映画の作者として最終的な責任がある立場の監督なのに、他人事のような発言をして、相変わらず、自分の映画に対する思い入れが、一切ありません…。



第4位に初登場したソニー・ピクチャーズ傘下のスクリーン・ジェムズ作品「デス・アット・フューネラル」のオープニング成績は約1,700万ドルで、先週初登場第1位はウソ?!で、本当は第2位だった20世紀FOXのコメディ映画「デート・ナイト」が、わずかに30万ドルだけ多い約1,730万ドルを稼いで第3位に着けたため、タイラー・ペリーの出ていない黒人映画は第4位のスタートに甘んじてしまいました…!!
しかし、「アバター」の20世紀FOX=巨大メディア・コングロマリットのニューズ・コーポレーションが発表する数字を鵜呑みにする人は今や、世の中にはいないので、そのわずか30万ドルの微妙な僅差にまた疑問が持たれています…。
「デート・ナイト」の先週からの売上げのマイナスは約31%ですが、ホラー映画と同様に、コメディ映画も展開がネタバレした第2週めには、もっと数字が落ちておかしくありません…。
「デス・アット・フューネラル」は…、う~ん…、大したことない映画に手間をかけるのは面倒なので、紹介は先週の文章をコピペしておきます。手抜きですみません…!!

フランク・オズ監督が2007年に発表したコメディ「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式」の設定を、黒人家庭に置き換えて、「ベティ・サイズモア」(2000年)のニール・ラビュート監督が早々とリメイクした作品。
出演者は、前述のカルト映画「ベティ・サイズモア」にも出ていたクリス・ロック、よせばいいのに「ビッグ・ママ」シリーズをまだ続けるらしいマーティン・ローレンス、「アーマード/武装地帯」(2010年)のコロンバス・ショート、「リーサル・ウェポン」シリーズの名優ダニー・グローヴァー、「チンコ2本」(2010年)のトレーシー・モーガン、「絶叫計画」シリーズのレジーナ・ホール、「アバター」のネイティリ、そして、天才リチャード・ケリー監督の「ザ・ボックス」(2009年)が、「運命のボタン」という邦題で、5月8日(土)から必見の日本公開が控えている才能豊かなジェームズ“目から光線”マースデンが参加しています。


ブルース・ウィリスと刑事コンビを演じたアクション・コメディ「チンコ2本」がパッとしなかったトレーシー・モーガンが、ダニー・グローヴァーの年老いて、足腰の弱いおじさんをトイレに座らせようとして…!!(ウンコ注意!!)




誤って葬儀に届けられた棺おけの中のアジア系の赤の他人の遺体を見て、クリス・ロックが、“これはうちの父ちゃんじゃない、ジャッキー・チェンじゃないか…ッ!!”と、アジア系で、しかも、ジャッキー・チェンが大好き…という、ほとんどのCIAリーダーのみなさんが、かなりイヤな気分にさせられ、あらためて、人種で人を差別するのとかって、よくないよな…と思ってしまう予告編…。このクリス・ロックが黒澤明監督の名作「天国と地獄」をリメイクするそうです…。






さて、今週末の全米公開映画は、ジョエル・シルバーが、「アバター」のゾーイ・サルダナ、「ウォッチメン」(2009年)のジェフリー・ディーン・モーガン、そして、先ごろ、マーベルのヒーロー映画「キャプテン・アメリカ」のタイトル・ロールに大抜擢されたクリス・エヴァンスらを起用して、DCコミックスの同名人気コミックを映画化した「ザ・ルーザーズ」を、ワーナー・ブラザースが公開!!、コミックが原作のアクション映画という流行のタイプの作品だけに、初登場第1位を飾ってくれそうな「ルーザーズ」ですが、その“敗北者”という題名がアダとなり?!、ちょっと雲行きは怪しくて、別のバックアップのプランに負けてしまう可能性が高そうです…。
で、下 ↓ は、ダンスバトル映画「ストンプ・ザ・ヤード」(2006年)のシルヴァン・ホワイト監督がメガホンをとった「ルーザーズ」のポスターですが、左は原作コミックのキャラクターをフィーチャーしたデザインで、右はそれを出演者の俳優らに置き換えています。
しかし、下の3人の配置は、わざと変えられていて、実写?!の方では、ゾーイ・サルダナが妙に腰からヒップにかけてのラインを強調したフェチなポージングで、中央から見下ろしてくれています…!!。まぁ、アクションだけでなく、ゾーイ・サルダナのセクシーな魅力も堪能できますよ…!!と、この手の映画の主な観客層の野郎どもの股間に向かって、アピールしているわけですね。



そして、その“敗北者”らを負けに追い込みそうなバックアップのプランとは…、ハリソン・フォードと、ブレンダン・フレイザーという2大スターをそろえて、感動的な奇跡の実話を浅はかな2時間ドラマ風に映画化した「エクストラオーディナリー・メジャーズ(小さな命が呼ぶとき)」(日本7月公開)が、ミラクルなまでにコケてしまったテレビ局のCBSが、懲りずに送る映画への本格進出の第2弾「バックアップ・プラン」です…!!
ジェニファー・ロペス演じる未婚のヒロイン、ゾーイは、このまま結婚できなかったら、どうしよう…?!と幸せに焦り、“バックアップ・プラン”として、親友の男性から精子をもらい受けて、とりあえず、人工授精で自分の子どもを儲けることに…!!、しかし、その直後、幸か不幸か、偶然にも理想的な男性のスタンと出会い、ふたりは恋に落ちるのだったが、ゾーイのお腹の中にはすでに、男友だちの子どもが、その命を宿していた…!!
ジェイ・ローのお相手のスタンに抜擢されたのは、ケイト・ベッキンセール主演の陳腐なオクラ入りスリラー「ホワイト・アウト」(2009年)や、フレディ・ハイモア主演の感動映画「オーガスト・ラッシュ(奇跡のシンフォニー)」(2007年)に出演していた、オーストラリア出身のアレックス・オロックリン。CBSテレビの「ザ・シールド/ルール無用の警察バッジ」で、ケヴィン・ハイアットを演じている人ですね。CBSと契約しているので、主演に起用されたみたいですが、まぁ、どうでもいいロマンチック・コメディ映画なので、まぁ、誰でもよかったんでしょう…?!
それでは、これだけ観れば充分で、もう映画本編はバックアップとして観る必要がない「バックアップ・プラン」の予告編をご覧ください。次回の全米映画ランキングもお楽しみに…!!






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