これから発売される新刊書籍の映画化！！というのは、あぁ、また、本の宣伝のお手伝いか…といった、報われないボランティアの思いに駆られるので、あまり取り上げませんが、スティーヴン・キングともなれば、そんな小細工をしなくても、本は勝手に売れるでしょうし、それにキング自身が製作総指揮をつとめるのであれば、本当に映画にする気があると信じてよいのかもしれません…！！





折りしも昨日(8月11日)、「ハリポタ」シリーズを大団円に導いたデヴィッド・イェーツ監督と、脚本家のスティーヴ・クローヴスのコンビが、引き続きワーナー・ブラザースに残留し、お次はスティーヴン・キングの世界に取り組んで、初期の傑作「ザ・スタンド」を完全映画化することになった…！！というニュースをお知らせしたばかりなのに、モダンホラーの帝王のファンの方にはうれしい、また新たな著書の映画化の話題が、Variety で伝えられました…！！
原作者のスティーヴン・キング自身も製作総指揮の立場で関与することになる、その新作映画は、キングが今秋11月8日に全米で出版する最新刊「11/22/63」を映画化するSFスリラーで、「羊たちの沈黙」(1990年)で知られるジョナサン・デミ監督が、自らプロデューサーをつとめて、脚本を執筆し、メガホンをとる予定になっているそうです。

キャットウーマンのアン・ハサウェイが、アカデミー賞の最優秀主演女優賞にノミネートされ、人気にともなう演技の実力の持ち主であることを証明した「レイチェルの結婚」(2008年)以来となる、約3年ぶりに劇映画に取り組むことを決めたジョナサン・デミ監督が選んだ原作「11/22/63」の内容は…、歴史好きの方なら、そのタイトルを見ただけでピンとくる、1963年11月22日に、46歳の若さでこの世を去った第35代合衆国大統領ジョン・F・ケネディの暗殺事件を題材とするもので、主人公の35歳の高校教師 ジェイク・エピングが、友人のアルから、アルの経営する食堂のダイナーの倉庫が、実は1958年に通じている時間旅行の入り口であることを明かされ、現在の社会をより良くする目的で、理想に燃えた若き大統領の死を阻止しようとするのですが…！！といったお話です。

この「11/22/63」について、過去に著者が明らかにしたアイディアによれば…(※ 続きはネタバレの可能性があるため、読みたい人だけ、ハイライトしてください)、Spoiler＞＞ジェイクたちの尽力により、大統領は命を救われるものの、ケネディが国権の采配を振るった結果の現在は、期待とは裏腹に、世界は核に汚染され、破滅を迎えようとしていることから、ジェイクは焦って、再び過去に遡り、ケネディ暗殺を阻止する自分を阻止する…といったタイムループのカオスに陥っていくことになるそうです。＜＜Spoiler

…とのことで、ともすれば、ありきたりなプロットである、過去に遡って、ケネディを救う…！！というお話が、スティーヴン・キングらしく執拗に掘り下げられていくような感じですが、もちろん、それは初期のアイディアなので、実際に出版される本の内容は、それと違ったり、さらに発展したものになっているのかもしれません。

ジョナサン・デミ監督のキャリアを振り返れば、「羊たちの沈黙」では、ジョディ・フォスターとアンソニー・ホプキンスが、オスカーの最優秀主演女優賞と最優秀主演男優賞を制覇し、「フィラデルフィア」(1993年)では、トム・ハンクスが最優秀主演男優賞を獲得、そして、前述のように「レイチェルの結婚」では、惜しくも受賞こそ逃がしたものの、アン・ハサウェイをその一歩手前まで導いていますから、ジョナサン・デミ監督は演技指導の達人と評することができる一方、主人公のキャラクターを掘り下げて描写していくことが得意であることを示しているとも言えそうです。そうしたジョナサン・デミ監督の作家性は、キングとウマが合いそうですから、もしかすると、スティーヴン・キング原作の映画化で、これまで持て囃されてきたフランク・ダラボン監督(「ミスト」2007年)に匹敵する成果を、ジョナサン・デミ監督が披露してくれる可能性に期待をしておいてもよいのかもしれません。
ジョナサン・デミ監督とスティーヴン・キングがコンビを組んだ最新作「11/22/63」は、来年2012年秋のクランクインを目指しているそうですから、完成した映画が観られるのは、どうも2013年以後…ということになりそうですね。
誰が主人公のタイムトラベラーを演じるのか？！、キャスティングにも期待をしておきましょう…！！





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