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プロの映画評論家らのギョーカイ関係者も含まれているとはいえ、タダの映画オタクや、一般の学生、教育関係者といった人たちで構成される110名の投票にのみ決定されることを踏まえると、日本語で表記した際の“米国映画批評会議賞”といった語感から受けるほどの権威はないように思えるナショナル・ボード・オブ・レビュー賞が、今年2010年の各賞を発表し、最優秀作品賞には、デヴィッド・フィンチャー監督がSNSの Facebook が誕生した経緯の裏側を描いた「ソーシャル・ネットワーク」が選ばれました…!!、とだけ書けば、おめでたいようなのですが…、






下記は過去10年間のナショナル・ボード・オブ・レビュー賞と、アカデミー賞のそれぞれが最優秀作品賞に選んだ映画のリストです。

      2000年 NBR「クイルズ」 → オスカー「グラディエーター」
      2001年 NBR「ムーラン・ルージュ」 → オスカー「ビューティフル・マインド」.
      2002年 NBR「めぐりあう時間たち」 → オスカー「シカゴ」
      2003年 NBR「ミスティック・リバー」 → オスカー「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
      2004年 NBR「ネバーランド」 → オスカー「ミリオンダラー・ベイビー」
      2005年 NBR「グッドナイト&グッドラック」 → オスカー「クラッシュ」
      2006年 NBR「硫黄島からの手紙」 → オスカー「ディパーテッド」
      2007年 NBR/オスカー共に「ノーカントリー・フォー・オールドメン
      2008年 NBR/オスカー共に「スラムドッグ・ミリオネア
      2009年 NBR「アップ・イン・ジ・エアー」 → オスカー「ハート・ロッカー」

ご覧のように、ニューヨークを中心として、CIAリーダーのみなさんのようなフツーの映画ファンも交えて選ばれるナショナル・ボード・オブ・レビュー賞と、ハリウッドでプロの映画人が選ぶオスカーとでは、過去10年間に2回しか意見が一致していないことになります。

よって、アカデミー賞最優秀作品賞の有力候補作として、「ソーシャル・ネットワーク」で、まさに映画賞の本丸のオスカーの頂点を狙っていた製作・配給のソニー・ピクチャーズと、デヴィッド・フィンチャー監督にとっては、もしかすると、このナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の最優秀作品賞に選ばれてしまった…!!というのは、むしろ逆風となってしまうかもしれません…。

ただし、以下の各受賞作(者)のリストをご覧いただければ、おわかりのように、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、アメリカでは明日となる12月3日(金)から封切られる、天才ダーレン・アロノフスキー監督の大傑作「ブラック・スワン」や、ダニー・ボイル監督の「127時間」、また、両親が同性愛者で、ともにお母さんというダブルママの家庭を描いた「キッズ・アー・オールライト」といった、すでにアカデミー賞各賞にノミネートは確実!!と言われている映画の数々を無視してしまっていますし、クリント・イーストウッド監督史上最低の映画と言われる駄作の中の駄作「ヒアアフター」なんかを、今年のベスト11に入れてしまっています…。


つまり、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、タダの映画好きによる偏った趣味の映画賞…といった冷めた見方もできるわけで、そういったことをアタマにおいて、以下の各賞リストをご覧下さい。


Best Film: The Social Network

Best Director: David Fincher, The Social Network

Best Actor: Jesse Eisenberg, The Social Network

Best Actress: Lesley Manville, Another Year

Best Supporting Actor: Christian Bale, The Fighter

Best Supporting Actress: Jacki Weaver, Animal Kingdom

Best Foreign Film: Of Gods and Men

Best Documentary: Waiting For “Superman”

Best Animated Feature: Toy Story 3

Best Ensemble Cast: The Town

Breakthrough Performance: Jennifer Lawrence, Winter’s Bone

Spotlight Award for Best Directorial Debut: Sebastian Junger and Tim Hetherington, Restrepo

Best Original Screenplay: Chris Sparling, Buried

Best Adapted Screenplay: Aaron Sorkin, The Social Network

Special Filmmaking Achievement Award: Sofia Coppola, for for writing, directing, and producing Somewhere

William K. Everson Film History Award: Leonard Maltin (←この人は映画評論家です)

NBR Freedom of Expression: Fair Game, Conviction, Howl


●Top Eleven Films (In alphabetical order)

Another Year
The Fighter
Hereafter
Inception
The King’s Speech
Shutter Island
The Social Network
The Town
Toy Story 3
True Grit
Winter’s Bone

●Top Ten Independent Films (In alphabetical order)

Animal Kingdom
Buried
Fish Tank
The Ghost Writer
Greenberg
Let Me In
Monsters
Please Give
Somewhere
Youth in Revolt

●Top Six Foreign Films (In alphabetical order)

I Am Love
Incendies
Life, Above All
Of Gods And Men
Soul Kitchen
White Material

●Top Six Documentary Films (In alphabetical order)

A Film Unfinished
Inside Job
Joan Rivers: A Piece of Work
Restrepo
The Tillman Story
Waiting For “Superman”





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